お薦め名画「エイリアン」

2021年10月4日

映画銀幕パークジョージ松田です。

今回の御薦め名画は

エイリアン

です。

日本だと少し順番や時期がズレますが
アメリカでは1977年5月に、スターウォーズ公開され

未知との遭遇Close Encounters of the Third Kind
が、1977年11月に公開されます。

そこで起きたSF映画のブームに乗って
第3のSF映画が、1年半空いて公開されます。

それがSFホラーと言う新ジャンルを確立したエイリアンでした。

エイリアンとは、それまでは
ただの「宇宙人・異星人」の事を
言うワードでしたけども、この映画
公開後は、エイリアン=この映画のキャラ
言う方が上になってしまいました。

■サルバドール・ダリの推薦したドラキュラ

このエイリアンと言う映画は、1も2も無く
「美術」が、全面的に大きな役割を果たした作品です。

エイリアンは、当初はメモリーという
宇宙船未知の惑星に降り、乗組員が寄生され
体内から怪物が誕生するという概要で
ストーリーの骨格は出来ていました。

美術チームには宇宙船のデザイン
クリス・フォスが、コスチュームデザインに
ジャン・ジロー
が・・・

そしてサルバドール・ダリの推薦で
H・R・ギーガーが加わっていました。

ですが、この段階でコッブが書いた
エイリアンは、満足のいく宇宙人では
なく…企画や脚本は一時ストップします。

1978年2月脚本のオバノンが、監督の
リドリー・スコットに、ダリの推薦
加わっていたH・R・ギーガー画集ネクロノミコンIV見せます。

そこに描かれていた機械とも生物とも
見える存在の宇宙人スコット衝撃を受け
この映画は成功すると確信を抱きます。

H.R.ギーガー ハードカバー大型本
アーカイブ日本語
エイリアンアーカイブ
詳しく見る。

リドリー・スコットは、ギーガーと交渉を
開始、エイリアン主演俳優だと高額
デザイン料を要求したため、20世紀フォックス
と話し合いがもたれ契約が成立します。

H・R・ギーガーがメインスタッフに加わり
ギーガーは黒ずくめの服を着ていたため
一部のスタッフは「ドラキュラ伯爵」
呼び、ギーガーの指揮する美術チームは
150人にもなる大所帯でモンスター部門して製作にあたります。

ギーガー異星人側の遺棄船などのデザインも
を受け持つことになりますが、完璧主義者
製作現場で度々スタッフと衝突し問題になり
20世紀フォックスはそれまでのギャラを支払い
ギーガー1週間で解雇してしまいます。

ですが、ギーガーは自分がすぐに必要とされる
ことを予見しています。

それは的中し、指揮者のいない現場は迷走
本来のデザインとは程遠いセットになって
いった事から、ギーガーの必要性を上層部も
認めざるを得ず、ギーガーは現場に復帰します。

このダリが推薦したドラキュラが現場に
居なければ、エイリアンは産まれてなかったと言えるエピソードです。

エイリアン ビッグチャップ 約180mm
PVC&ABS&ダイキャスト製
塗装済み可動フィギュア
詳しく見る

■グレムリンとエイリアン

一方、脚本のダン・オバノンは、メモリー
(後のエイリアン)とは別の
グレムリンという脚本を手掛けていました。

これはスピルバーググレムリンでは無く
その前のトワイライトゾーンに近いのですが

東京から帰るB-17の中にグレムリンが侵入し
乗組員を一人、また一人と殺していき
怪物を倒さない限り乗組員は故郷へ帰れない
という、宇宙では無いですがエイリアン
スジで、グレムリン異星人の怪物

発見するのは宇宙船ではなく、まだピラミッド
で、胞子ポッドから出てきた生体に襲われる
などの違いがありますけども、メモリーから
スタービーストへと変更され、宇宙的なSFホラー
土台が、グレムリン(西洋の妖怪)から産まれています。

トワイライトゾーンや、スピルバーグ
ギズモグレムリンは、直接は関係ありませんが
エイリアンのヒットで、このメイキングエピソード
公開されたので、ジョージ・ミラー
ヒントにしていても、不思議ではありません。

■SFホラー

アメリカでも、スター・ウォーズ後に
コロンビア映画未知との遭遇が公開され
SF映画が、収益できる事や流れからも

観客がSF作品を求めている事が明確で
お蔵入り寸前だった、エイリアン
SFで使えそうな眠った脚本の中から
スポットが当たり、製作にGPサインが出ました。

美術も少し揉めますが、ギーガーと言う
才能の御蔭で、他のSF作品とは被らない
SFホラージャンルが誕生すると共に

後々何十年も、大きな収益を産み続ける
エイリアンというキャラが、ギーガー手で誕生します。

エイリアンスーツの製作はギーガー自身
担当しますが、スーツは構想段階では半透明で
骨格や消化器官が透けて見える予定でしたが

試行錯誤が繰り返されたが、耐久性に問題が
あり、半透明の構想を断念しラテックス用いることで誕生しています。

また内容も、続編を想定して無かったので
エイリアンの存在にリプリーは気付かず
(寄生した状態で)一緒に地球に帰還するか
エイリアンとともに宇宙の藻屑となるか
エイリアンを倒し地球に帰還するかで
選択を迷いますけども、SFホラーな内容
なので、ラストはハッキリしたモノが選択されます。

■まとめ

エイリアンは、日本では大きな扱いでは
無く、小さな劇場での公開で
一般的なテレビ番組などでは、紹介されない
マイナーなSF作品でした。

この頃は、日本SFロボット宇宙船
興味が注がれ、ドラえもんまでがテレビ朝日系
アニメ化され放送が始ります。

シャープが6月に世界初のダブルラジカセ
発売し話題になると、翌月には世界が驚く
ソニーウォークマン発売され
SFが現実とクロスする感覚を抱いていました。

今では、音楽を外で聴くのは当たり前すぎ
ますけども、当時歩きながら外で音楽
聴くと言う事は、考えられない未来の発想
ドラえもんにも、それまで出てこないような未来の道具でした。

うまい棒が発売されたのも、この頃で
ある意味、未来的な食べ物で、不思議な食べ物で
警戒されつつ…子供に人気になっていきます。

世界中が、日本SONYブラボーの声を上げた
時期に、やや地味~に公開されたエイリアン
SFファンに、徐々に受け専門誌などに
取り上げられるようになると、少数のフィギュア
などが造られるようになります。

こうして、エイリアンキャラ先行認知
されて行きます。

今、見るとSFの世界感やスケールも、特撮
劣るところは多いのですが、ギーガー自身
製作したエイリアンや、そのセットは続編や
CG時代の今でも、敵わない存在感生命感があるので
未見の方は、是非見て観てください。

エイリアン コヴェナント
[Blu-ray]
時間 2 時間 1 分
詳しく見る。

■作品データ

監督 リドリー・スコット
脚本 ダン・オバノン

原案
ダン・オバノン
ロナルド・シャセット

製作
ゴードン・キャロル
デヴィッド・ガイラー
ウォルター・ヒル
製作総指揮
ロナルド・シャセット

音楽 ジェリー・ゴールドスミス
撮影 デレク・ヴァンリント

編集
テリー・ローリングス
ピーター・ウェザリー
デヴィッド・クロウザー(ディレクターズ・カット版)

製作会社 ブランディワイン・プロダクションズ
配給 20世紀フォックス

公開
アメリカ合衆国 1979年5月25日
日本 1979年7月21日

上映時間
117分(劇場公開版)
116分(ディレクターズ・カット版)

製作国 イギリス アメリカ合衆国

製作費 $11,000,000
興行収入 $104,931,801

配給収入14億5000万円 日本

 

■キャスト

アーサー・ダラス トム・スケリット
エレン・リプリー シガニー・ウィーバー
ジョーン・ランバート ヴェロニカ・カートライト
サミュエル・ブレット ハリー・ディーン・スタントン
ギルバート・ケイン ジョン・ハート
アッシュ イアン・ホルム
デニス・パーカー ヤフェット・コットー
マザー ヘレン・ホートン(声)




名画

Posted by J.MAZDA