お薦め名画「アメリカン・グラフィティ」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
「アメリカン・グラフィティ」です。
グラフィティとは、日本では意外に
クリンなイメージだったり、和製英語的に
使っていて、よく耳にしていても、意味は
知らない人が多い感じです…
青春グラフィティ
なんて言う、日本語との合体語?も
この映画の後に使われるようになってますが
アメリカではグラフィティは「落書き」のことです。
地下鉄や壁などにスプレーとかで
描かれてる落書きです(^^:
直訳してしまうと、Amerikan gurafitiは
「アメリカの落書き」になってしまいます(^^:
映画的には、想い出、とか
あの頃のような意味になります。
1973年の映画公開時期に、1962年の頃の
アメリカを描いた想い出の映画と言う感じでジョージ・ルーカスの想い出の形です。
■ジョージ・ルーカスとコッポラ
このアメリカン・グラフィティは、あまり
大ヒットとは言えないような映画でもあります。。。
変な書き方ですよね(^^:
日本でも、あまり当時は話題になってない
作品なのですが・・・
数字的には、わずか製作費$777,000で
興行収入は、$115,000,000と数字的には
儲かって居ると言わざるえない映画です。
例えば同じルーカスのラビリンス/魔王の迷宮
の製作費は$25,000,000と桁が2つ違いますが
興行収入は$12,729,917
ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀でも
製作費は$30,000,000と2桁上ですが
興行収入は$37,962,774なので
アメリカン・グラフィティは、興行的には
ヒット~大ヒット作品です。
ですが、ブーム的、話題的には…
もう1つ、2つでした。
製作費が少ないのも、プロデューサーは
フランシス・フォード・コッポラでも
スターウオーズ前の若いジョージ・ルーカスの事は、略誰も知りません。
出演者も、後に有名になる若者は出ていますが
略しらない人が出ています。
この部分で、出演料が安い事でも大きく稼げています。
ただ、この映画が一変するのは…
日本でも4~5年後で
スターウォーズが、公開されると一変します。
スターウォーズのジョージ・ルーカスの作品だからです。
日本でも、名画座(映画の再放送的な2番館)
で、再び上映されると、映画ファンが足を
運び、スターウォーズの続編の度に
上映されるくらいで、今でもアメグラの
関連グッズが出て売れている程
映画俳優や監督よりも、作品の
コンセプトカラー、ルーカスの拘りは
スターウォーズと同じく、ハッキリ在ったので、後々支持され続けます。
■日本のアメリカ文化
今は、ビンテージな古着がプレミア
価格で、古着屋さんに並んでいても
特に驚かないくらい定着していますが
裏原をCAT STREETと名付けたりする
山崎眞行が、古着ファッションを
日本で展開するキッカケになり
クリームソーダやピンクドラゴンなどに繋がります。
古いアメ車なども、解体を待つだけ
の価値が無い状態から、1台、また
1台と改修しレストアして
古きよきアメリカを再現する日本人が
増えていくことになります。
アメグラのドライブインメルズは
カーホップとか言われますが
日本でも1977年にマクドナルドが
ドライブスルーを設置し、クルマから
降りないで買うシステムが、広がりを見せます。
総称的にはアメリカは、ドライブインで
日本のドライブインは、休憩所・店舗
的な意味になっていて
実質的な意味の言葉は、ドライブスルーに
置き換えられていますが、このシステムも
アメグラで初めて見たと言う日本人も
多かったのですが・・・
まだまだ、日本人の殆どがハンバーガーを
食べた事が…ありませんでした(^^:
*1971年にマクドナルド1号店
1年後に関西の京都の大丸に関西1号店が
出来ますが、多くの人がクチにするのは4~5年後でした。
■未来のインディジョーンズ
アメリカン・グラフィティは、ルーカスの
学生時に製作したTHX 1138を、商業映画
としてコッポラが製作総指揮に入り
公開したリメイク作品で、興行的には
失敗した作品が、厳密にはデビュー作品ですが
1から劇場用作品として製作した
ルーカスの作品は、このアメグラで
リチャード・ドレイファスが少し
知られるくらいの俳優でしたが
略無名の監督が、無名の俳優と製作した映画でした。
その中には、後に俳優よりも
監督として有名になるロニー・ハワード
なども居ましたが…
60年代の髪型にする事に抵抗した
売れない若い俳優が、出演していました。
後に、スターウォーズでも共に
仕事をするハリソン・フォードです。
このアメグラが、名画座で再上映
される売り文句の1つが、ハンソロの
ハリソン・フォードも出演とされていましたが
アメグラでのヘアスタイルは、70年代
には、今よりもダサく見えたので
ハリソン・フォードは髪を切るのを
拒み続けて…選択したのが…
後に、彼の代表作になり大事なシンボル
になるカウボーイ・ハットを被る事で
ヘアスタイルを変更せずに、ルーカスが承諾しています。
8年後には、どんな困難な冒険の中でも
その帽子は、肌身離さず持ち続ける事になるのですが…
因みに、「グラフィティ」と言う
ワードの元々の出は考古学用語です。
■伝説のDJ
ルーカスは、自身が好きなクルマも
拘りましたが、映画に流れる楽曲にも拘り
実在のDJウルフマン・ジャックを
そのまま本人役で登場させています。
その為に、私も買いましたが
アメリカン・グラフィティは映像ソフト
前も、ソフト化後も、サウンドトラックが
売れてしまっていました。
しまっている…と言うのも変な表現ですが(^^:
この音楽の拘りから、全41曲の音楽使用
の権利上の問題から、家庭用ビデオソフトが
無い時代の映画なので、契約に項目が無く
なかなかビデオ化するのに、時間が掛かって
しまって、日本でのテレビ放送も1980年まで放送できませんでした。
●アメグラの楽曲
ロック・アラウンド・ザ・クロック(ビル・ヘイリー&ザ・コメッツ)
シックスティーン・キャンドルズ(ザ・クレスツ)
悲しき街角(デル・シャノン)
恋は曲者(フランキー・ライモン&ザ・ティーンエイジャーズ)
ザットル・ビー・ザ・デイ(バディ・ホリー&ザ・クリケッツ)
アット・ザ・ホップ(フラッシュ・キャディラック&ザ・コンチネンタル・キッズ)
シーズ・ソー・ファイン(フラッシュ・キャディラック&ザ・コンチネンタル・キッズ)
ルイ・ルイ(フラッシュ・キャディラック&ザ・コンチネンタル・キッズ)
シー・ユー・イン・セプテンバー(ザ・テンポズ)
サーフィン・サファリ(ザ・ビーチ・ボーイズ)
煙が目にしみる(プラターズ)
リトル・ダーリン(ザ・ダイアモンズ)
ペパーミント・ツイスト(ジョイ・ディー&スターライターズ)
バーバラ・アン(リージェンツ)
ブック・オブ・ラヴ(モノトーンズ)
メイビー・ベイビー(バディ・ホリー&ザ・クリケッツ)
ヤ・ヤ(リー・ドーシー)
グレイト・プリテンダー(プラターズ)
エイント・ザット・ア・シェイム(ファッツ・ドミノ)
ジョニー・B・グッド(チャック・ベリー)
瞳は君ゆえに(フラミンゴス)
踊ろよベイビー(ボビー・フリーマン)
カム・ゴー・ウィズ・ミー(ザ・デル・ヴァイキングス)
ユア・シックスティーン(ジョニー・バーネット)
恋の特効薬(ザ・クローバーズ)
シンス・アイ・ドント・ハヴ・ユー(ザ・スカイライナーズ)
シャンティリー・レース(ビッグ・ボッパー)
ティーン・エンジェル(マーク・ダイニング)
グリーン・オニオン(ブッカー・T&ザ・MG’s)
オンリー・ユー(プラターズ)
オール・サマー・ロング(ザ・ビーチ・ボーイズ)
■新・旧メルズ・ドライブイン
アメリカン・グラフィティでのメインの
舞台に、メルズ・ドライブインが登場
しますが、このメルズ・ドライブインは
サンフランシスコに、実在したドライブインでした。
ですが、撮影時には建物だけで
既に閉店していたモノを、映画用に
復活させて撮影しています。
ですが、ルーカスやアメグラが
後々、コレほど知られるようになると
思わずに取り壊ししてしまいました。
その事を、スターウォーズ後に
知って残念がるファンも多く
ユニバーサル・スタジオ内に
同名のレストランを製作すると
大評判になり、世界各国のユニバーサル
スタジオのテーマパークに
同名のレストランが、続々造られ
ユニバーサルスタジオジャパン内にも、建築されています。
■まとめ
アメリカン・グラフィティは
長~~~~~~~~いスパンで
見ると、製作費からすると
とんでもなく儲けを出している
映画で、何より長く多くの映画ファンに
世代を超えて、愛されていると言う
意味では、間違いなく名画です。
日本の公開時期は、アメリカの
1年4ヵ月後で、グラフティの意味が
???だった為か
キャッチフレーズが
1962年の夏、あなたはどこにいましたか?
と、言う…今からすると(^^:
これは止めた方がいいようなフレーズ
なのですけども、グラフィティや
ファストフード、ドライブイン(スルー)
古着、60年代文化などなど
多種多様なジャンルに、影響を与えた
のも、この映画の側面なので
是非、未見の方も、1度見た方も
何度も見ると、細部に拘りや発見が
ある作品なので、見て観てください。
![]() JAN: 4988102065966 時間: 112 分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 ジョージ・ルーカス
脚本
ジョージ・ルーカス
グロリア・カッツ
ウィラード・ハイク製作 フランシス・フォード・コッポラ
ゲイリー・カーツ撮影
ロン・イヴスレイジ
ジョン・ダルクイン
ハスケル・ウェクスラー編集
ヴァーナ・フィールズ
マーシア・ルーカス配給 ユニバーサル映画/CIC
公開
アメリカ合衆国 1973年8月11日
日本 1974年12月21日上映時間 110分
製作国 アメリカ合衆国
製作費 $777,000
興行収入 $115,000,000
■キャスト
カート・ヘンダーソン リチャード・ドレイファス
スティーヴ・ボランダー ロニー・ハワード
ジョン・ミルナー ポール・ル・マット
テリー・フィールズ チャールズ・マーティン・スミス
ローリー・ヘンダーソン シンディ・ウィリアムズ
デビー・ダンハム キャンディ・クラーク
キャロル・モリソン マッケンジー・フィリップス
ボブ・ファルファ ハリソン・フォード
DJウルフマン・ジャック ウルフマン・ジャック
ペグ キャスリーン・クインラン
ジェーン ケイ・レンツ
ジョー ボー・ホプキンス
サンダーバードの女 スザンヌ・ソマーズ