お薦め名画「アポロ13 」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
アポロ13
です。
1995年の6月、日本では7月に公開された
基本的には実話を再現したトム・ハンクス
主演で大ヒット映画で、失敗でありつつも
失敗以上の成功とも言われる
アポロ計画の中でも、最も異例な13号の
話を、初めて世界中が詳しく映像で
内部の様子を理解した作品でもあり
商業映画としても、異例な作品を当時の
様子を交えて書いて見たいと思います。
■失敗の中の成功
アポロ計画を知る世代どころか
スペースシャトル計画も、リアルタイム
では知る事が世代には、遠い過去の
ようにも、現実味も薄い宇宙計画かも
しれませんが、この映画は地球で作られた
作品ですけども、リアルな宇宙を知る事が
出来たと言う方も多い、不思議な映画です。
アメリカでの1970年4月13日アポロ13号が
月へ向い、2日と少し経過した時、機械船の
酸素タンクが爆発
司令船が電気と水の供給を失い始める
不測の事態が起きた時に
ジムが言う「みんな、月に降り立ちたいか?
俺は家に帰りたい」と言う台詞にあるように
ジョンソン宇宙センターは、月面着陸よりも
人命を優先する決断を下し、必死の地球への
帰還を試みる実話です。
事故後のアポロ13には、月面着陸よりも
大変困難な大気圏突入と、帰還ミッションを
詳細に再現した様子は、宇宙モノの映画と
しても、圧倒的にリアルな描写になって
いる驚きの映像でした。
この計画的には「失敗」を映画するまでには
25年近くの年月が必要でしたが、コレを見て
ただの失敗と思う人は居ないと思います。
■映画史上初無重力撮影
この映画は、ロン・ハワード監督の拘りで
とんでもないシーンが、撮影されました。
それが無重力のシーンです。
それまでの無重力は、ピアノ線で吊るとかで
どうしても、映らないはずの「重力」が
俳優の顔や髪の毛などにも、映ってしまいました。
そこで、この映画ではリアリティを追及する為に
本当の無重力で撮影しました。
その方法は、NASAが訓練で使用していた航空機
KC-135Aで行われたのですが
1回のフライトで約25秒の無重力状態しか
つくれないので、撮影の為に合計600回近くも
飛行を繰り返し撮影しています。
カメラマンからしたら、鬼です。
厳密には、カットごとに小さなカットは
地上で撮影されたカットも編集で入れていますので
シーン事では無いのですが、この映画史上初の
撮影画面は、劇場のスクリーンでは
とんでもなくリアルな状態を、観客の目に
届けています。
見てしまうと、鬼とは言えない凄い出来です。
■サターンVロケットとヒューストン
アポロ計画後の世代には、サターンVロケット
って、もはや何?と言うか、聴き馴染の無い
単語かもしれません。
因みに、サターンVは「サターンファイブ」で
ブイではありません。
アメリカでは、サターンファイブと略され
日本では、サターンV型ロケットと言われた
アポロ計画時代のメインロケットです。
ヒューストンと言うのも、スペースシャトル
時代には、NASA(ナサ)と言うワードと共に
日本でも知られますが
アポロ時代には、ヒューストンよりも
ジョンソン宇宙センターと、言ったり書かれて
いました。
ある意味、同じなのでけども
日本人は、ヒューストンは「地名」で、其処に
NASAが在るから?と思っている人が多いようですが
「ヒューストン」と言うのはジョンソン宇宙センター
のコールサインです。
宇宙飛行士が「ヒューストン、ヒューストン」と
呼びかけるのは、ジョンソン宇宙センター応答
してください。と言う意味です。
地名を連呼してたら変でしすよね?
NASAと言うのも、土地に在るモノではありません
日本の警察が、土地に「在る」とか言うのが
おかしいのと同じで
NASAは、アメリカ航空宇宙局と言うアメリカの
機関の名称なので、何処に在るとか言うよりも
連邦機関組織で、その名前・略称です。
National Aeronautics and Space Administration
の略ですけども、コレはアメリカでもNASAしか
言わない、知らない人も多いです。
このアポロ13号のサターンVロケットの発射シーンは
今見ても凄いですけども、当時使えるようになった
最新のCGと、精密なモデルを使用した特撮・VFXです。
この映画を見た当時の関係者が、初めて見る打ち上げの
映像だと、本物の記録だと思い込んだ程で
このサターンVロケットの打ち上げシーンを見る
だけでも、価値の在る映画になっています。
■まとめ
1995年の日本は、3月の地下鉄サリン事件
6月のANAハイジャック事件などが起きて
あまり科学を明るく感じる事が出来ない
ような事件が続いていました。
アポロの時代は、世界中は科学万能の
光り輝く未来が来ると、多くの人が信じて
月旅行などが、世紀末には実現しています
などの予想がされていました。
現実には、公害問題が起きたり、食料や
エネルギー問題など、地上に起きる事が
多過ぎて、それらの科学万能の未来は
まだ、来ていません。
ですが、この映画のように人間の命を
第一に考えた、科学の使い方をしていれば
1970年の日本人が、海外旅行に行くなんて
いうのは、夢のような事で現実的では無く
行く人が居ても、アメリカには船で行くような
時代だったのですから、20~30年後には
宇宙に行ったことがあると言う人が
廻りに1人くらい居る時代が来るかもしれません?
この映画からも、既に25年以上経って
いますが、これを最新のデジタル画像で
見直してみると、けっこう驚きの画質や
音声で、新鮮に見る事が出来ましたので
未見の方は、勿論、25年以上前に観ただけの
方も、是非見て観てください。
![]() 時間 : 2 時間 20 分 ASIN : B006QJT0C8 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 ロン・ハワード
脚本
ウィリアム・ブロイルス・Jr.
アル・レイナート原作
ジム・ラヴェル
ジェフリー・クルーガー製作 ブライアン・グレイザー
製作総指揮 トッド・ハロウェル音楽 ジェームズ・ホーナー
撮影 ディーン・カンディ編集 マ
イク・ヒル
ダニエル・P・ハンリー製作会社 イマジン・エンターテインメント
配給
アメリカ合衆国 ユニバーサル映画
日本 UIP公開
アメリカ合衆国 1995年6月30日
日本 1995年7月22日上映時間 140分
製作国 アメリカ合衆国
興行収入 $355,237,933
配給収入 20億円 日本
■キャスト
ジム・ラヴェル トム・ハンクス
ジャック・スワイガート ケヴィン・ベーコン
ケン・マッティングリー ゲイリー・シニーズ
フレッド・ヘイズ ビル・パクストン
ジーン・クランツ エド・ハリス
マリリン・ラヴェル キャスリーン・クインラン
ジョン・アーロン ローレン・ディーン
ジェフリー・ラヴェル ミコ・ヒューズ
ブランチ・ラヴェル ジーン・スピーグル・ハワード
メアリー・ヘイズ トレイシー・ライナー
バーバラ・ラヴェル メアリー・ケイト・シェルハート
ディーク・スレイトン クリス・エリス
ヘンリー・ハート ザンダー・バークレー
サイ・リーバゴッド クリント・ハワード
ジョン・ヤング ベン・マーリー
ディレクター ジョー・スパーノ
テッド ジェームズ・リッツ着陸船担当者 ウェイン・デュヴァル
ギュンター・ヴェント( エンドレ・ヒューレス
ジュールズ・バーグマン
ウォルター・クロンカイト