お薦め名画「ブルース・ブラザース」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
「ブルース・ブラザース」です。
コメディアン、ジョン・ベルーシと
ダン・エイクロイドが、NBCの人気番組
サタデー・ナイト・ライブでの人気
コーナーのバンド名を同・タイトルに
した映画で、当時世界では映画で略初めて
知る人が多かった、ブルース・ブラザースは
不思議な映画で、ジャンルはコメディなのか
ミュージカルなのか?カッコイイのか?
笑っていいのか? よく解らないまま公開され
映画公開時は、ヒットとも言えない・・・
くらいでしたが、少しずつソフトになったり
話題になり、公開から5年後くらいに
ブレードランナーと同じく、取り上げられ
た変わった作品を当時の様子を交えて書いて見ます。
■ポンコツクルマとブラック
アメリカ公開が 1980年6月16日
日本の公開が1981年3月28日でしたが
日本では、それほど大きな前評判に
ならずに、大きな劇場でも略公開
されない作品でした。
当時の日本では、まだブラックのスーツに
黒いネクタイは、葬式のスタイルでしかなく
サングラスに黒い帽子と言う2人の
スタイルも、どう解釈していいのか
まったく解からないような差がありました。
しかも、いけてる主役と言うのは
カッコイイクルマや、ピカピカの新車
に乗って居るのが当たり前の時代に
2人が乗って居たクルマは1974年式の
ダッジ・モナコと言う元・パトカーの
中古の払い下げのクルマを愛車にしていました。
日本は、今でも綺麗なクルマが多く
洗車が趣味だったり、洗車グッズが
多く販売され、ピカピカが当たり前の社会ですが
アメリカは、多少ボコボコに凹んで
いても、汚れていてもまったく
気にしないのが当たり前で、違うクルマの
ドアじゃない?とか、なんか木材が着いてる?
なんて言うクルマを見つけるのも難しく
ないような、クルマ社会なので
現実の差も大きい中で、ブルースブラザーズの
愛車は、運転席側にパトライトが着いたままで
作中でも点灯させているシーンがあります。
ウインカーも壊れているので、手で合図して
曲がって行くシーンもあります。
これら、当時の日本では、カッコイイとか
行けてると言う感じに、すぐに思う事は
難しいビジュアルの映画で、この作品の
ビジュアルセンスに追いつくには・・・
5年程の時間が必要で、いろいろな日本の
漫画やドラマなどの作品が、これらの
ビジュアルを取り入れて行く事になります。
その代表的なのは、1986年10月に放送が
スタートした「あぶない刑事」で
2人が黒いサングランスと、スーツと
ネクタイで、破天荒な捜査と軽快なトークで人気作品になります。
■ジョン・ベルーシとコカイン
ジョン・ベルーシは、この作品公開後
1982年に33歳で他界してしまいますが
この作品の撮影中も、コカイン中毒で
クリエイティブなセンスも、マックスな
状態だったと言われる反面、時間に遅れたり
撮影場所に来ないなど、予算が超過して
行くので、現場はピリピリし
監督のジョン・ランディスは、毎回怒り
製作のロバート・K・ウェイスや
製作総指揮のバーリン・ブリスタインも
映画会社との間で、頭を抱えていた程だったそうです。
ジョン・ベルーシが亡くなったニュースは
映画誌などにも書かれた事もあってか?
日本では、あまりブルース・ブラザースを
コメディとして面白いと思うよりも
いけてるような意味で、リスペクトする傾向
にあり、ダン・エイクロイドは…その後
の作品からも、面白い人(俳優)として
認識していきますが、ジョン・ベルーシを
面白いと思った事が無いと言う方も多いです。
当時彼の「面白さ」と言うのは
オレたちひょうきん族(1981年~)の
たけし、さんまのような面白さに対して
タモリのような面白さなんだと言われていました。
その為、ジョン・ベルーシが亡くなった
後に集英社が発売した「ベルーシ殺人事件」
と言うドラックを含めた証言の本を出した
帯には、狂気と才気として「タモリ」のコメントが採用されていました。
■超スーパーエキストラ
この映画のディテールやロケ地も
今でもファンに支持される要因ですが
この作品のエキストラの役割は大きく
レイ・チャールズがピアノを弾き
「Shake your tail feather」を演奏して
歩行者がダンスをするシーンも
実際のマクスウェルストリートで撮影し印象的ですが
終盤のシカゴの群衆シーンは500名を
超えるエキストラを使いましたが
アメリカだな~と思うのは、その中に
200名の州兵と、100名のシカゴと
イリノイ州の警察官が含まれていました。
その上、騎馬警官用の馬を15頭と
M4戦車を3輌、消防車3台、ヘリコプター3機
が、大巨匠とか凄いシリーズでも無い
映画1本の為に導入されています。
今では、この伝説の作品に参加してくれた
人達には、自慢であり尊敬されるエピソードになっています。
■まとめ
ブルース・ブラザーズは、当時の
シカゴが撮影の背景になっているのも
作品のカラ―にマッチしていますが
キャリー・フィッシャーが、謎の女
として出演していたり
スティーヴン・スピルバーグが
税課職員として出演していたり
ガソリンスタンドで、ナンパされる
女性がツイッギーだったりと
ダン・エイクロイドや、ジョン・ランディス
が遊んでいる部分も贅沢で
ジェームス・ブラウンやレイ・チャールズ
も、そのまま出演しています。
それらを見つけると言う事も
ソフトになっての話題につながり…
トータル、この映画おしやれ?と言う
認識になった、本当に変わった作品ですので
未見の方は、是非見てみてください。
![]() ASIN : B006QJT5DC 時間 2 時間 13 分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 ジョン・ランディス
脚本 ダン・エイクロイド
ジョン・ランディス
製作 ロバート・K・ウェイス
製作総指揮 バーリン・ブリスタイン
撮影 スティーヴン・M・カッツ
編集 ジョージ・フォルシー・Jr
配給 アメリカ合衆国 ユニバーサル・ピクチャーズ
日本の旗 CIC公開
アメリカ合衆国 1980年6月16日
日本 1981年3月28日上映時間 133分
製作国 アメリカ合衆国
製作費 $27,000,000 (概算)
興行収入 $57,229,890 アメリカ合衆国カナダ
$115,229,890 世界
配給収入 7億7000万円
■キャスト
“ジョリエット”・ジェイク・ブルース(ジョン・ベルーシ)
エルウッド・ブルース(ダン・エイクロイド)クリオウファス・ジェームズ牧師(ジェームス・ブラウン)
カーティス(キャブ・キャロウェイ)
マット・マーフィの妻(アレサ・フランクリン)
スティーヴ “カーネル” クロッパー(スティーヴ・クロッパー)
ドナルド “ダック” ダン(ドナルド・ダック・ダン)マーフ(マーフィ・ダン)
ウィリー “トゥービッグ” ホール(ウィリー・ホール)
トム “ボーンズ” マローン(トム・マローン)
“ブルー・ルー” マリーニ(ルー・マリーニ)マット “ギター” マーフィ(マット“ギター”マーフィ)
ミスター・ファビュラス(アラン・ルービン)バートン刑事(ジョン・キャンディ)
イリノイ・ナチ司令官(ヘンリー・ギブソン)
ボブ(ジェフ・モリス)謎の女(キャリー・フィッシャー)
レイ (レイ・チャールズ)
高級レストランのウェイター(ポール・ルーベンス)
給油所でエルウッドにナンパされる女(ツイッギー)ジェイク仮釈放時の看守(フランク・オズ)
路上ミュージシャン(ジョン・リー・フッカー)
聖歌隊メンバー(チャカ・カーン)
「監獄ロック」で最初に踊りだした囚人(ジョー・ウォルシュ)
スライン(スティーヴ・ローレンス)ペンギン(キャスリーン・フリーマン)
クック郡収税課職員(スティーヴン・スピルバーグ)