お薦め名画「コブラ」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
コブラ
です。
1986年のシルヴェスター・スタローン
主演の映画で、当時も賛否あった映画で
とても不思議な作品です。
そのコブラを、当時の様子を交えて
書いて行きたいと思います。
■第3の男とクライマックス
1976年のロッキーが大ヒットでシリーズ化
1982年のランボー、1985年のランボーの2作目
怒りの脱出が大ヒットして
3つ目のシリーズとして、刑事モノを
選択し、クリント・イーストウッドの
ダーティハリーシリーズをモチーフにした
現代版の刑事モノを製作する予定でした。
大きな2つのシリーズのスタローンの作品
なので、日本でも約2ヵ月遅れの夏の映画
として公開されました。
アメリカ公開の5月の日本は、イギリスの
チャールズ皇太子とダイアナ妃が来日した
事で、大賑わいでしたから…
映画的には、少しズレて良かったのだと思います。
その為に、ダーティハリーで悪役のスコルピオ
を演じたアンドリュー・ロビンソンが
警部補モンテ役として、ハリー・キャラハンの
相棒を演じたレニ・サントーニが、コブラの
相棒役にキャストされているなど、露骨にダーティハリーです。(^^:
ですが、この作品は好きと言う方は多く
居ますが、面白いと手放しで言う方は
少ない…変わった映画で(^^:
ザックリした結論を言えば、前半は面白く
後半は、なんだか解からない作品になって
しまった事から、シリーズ化出来ずに終わってしまいいました。
スタローン演じるコブラのキャラは
本当に、良く出来ていて・・・
この部分は、主役が脚本を書いているので
練り上げている事が解ります。
ティアドロップ型の レイバン(ボシュロム時代)
の3030 OUTDOORSMAN ハーフミラーに
腕時計は*ホイヤー2000に、Leeのジーンズ
と、衣装から持ち道具、小道具まで凝りに
凝って居て、この拘りは今でも多くの
ファンをキープしていますが・・・
大半は、この部分や前半のファンです。
*1985年までの社名はホイヤーで、クオーツ時代で
資金難だったところをTAGグループからの資金援助
で、現在はTAGホイヤーに変更されています。
つまり、愛車がクラシュした所で
この映画には、1本のラインが引かれています。
■マーキュリー&コルト
このコブラファンの%をしめるのは
クルマファンとガンマニアです。
1950年式のマーキュリークーペの
ルーフをチョップドルーフにした
改造したホットロッド仕様のクルマに
コブラが乗って居る事と、その魅力を
映像にも、凝った描き方をしている事です。
もう1つの銃は、M1911のカスタムモデル
コルト・ゴールドカップナショナルマッチ
のグリップにコブラのパターンを刻んでいる銃を使用し
サブマシンガンは、フィンランド製の
ヤティマティック(Jatimatic)で
20連(レーザーサイト無し)と
40連(レーザーサイト付き)を前・後半で
使い分け使用している拘りが、それぞれの
ファンには、たまらない映画になっています。
後、よく刑事なのにアパートの前に路駐
しているなどの突っ込みを書く日本の方が
居ますが…あれは、アメリカの都会では
普通の駐車方法ですし、バンパーは
アメリカ人は、押す事やタッチして使う
パーツと思っているので、バンパーに
接触を事故にしたり、小さな傷をイチイチ治す
日本の感覚の方が、海外では異様です(^^:
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■元・ビバリーヒルズ・コップ
映画の脚本は、スタローンが書いた
もので、そのタイトル(仮)は
ビバリーヒルズ・コップ
でした。
この時点では、主役は未定でしたが
スタローンに主役をと言う映画会社の
移行から、主人公アクセル刑事役から
コメディ色を排除して、名前を・・・
コブレッティ(通称コブラ)へ変更
アクション大作にしようと提案します。
この案で、パラマウントはスタローンを
企画から外し、エディ・マーフィを
アクセル役に起用し、御存知の
ビバリーヒルズ・コップが誕生します。
スタローンは却下された案から、この
コブラを製作しています。
その経緯からか?
ビバリーヒルズ・コップ2
には、コブラのヒロイン、ニールセンが
悪役にキャスティングされたり
エディ・マーフィが同僚の家を訪れると
コブラの劇場版ポスターが貼られている
のを、ちらっと見るシーンが撮られています。
勿論、御存知のようにスタローンと
ヒロインのニールセンは1985年に結婚して
いるので、コブラは最初の夫婦共演作です。
■まとめ
この作品は、私も前半は凄く好きで
冒頭のスーパーに来るコブラのクルマ
から降りて来るカットの繋ぎ方は
クルマのフルサイズ、ナンバー
降りる足元の寄り、からのスタローンの
振り向きぎみのアップなどの流れ
鳥、犯人との対峙などの編集は
ズバ抜けている凄さで、脱帽です。
本当に、前半と後半は違うスタッフ
なのかと思うほど…後半のクライマックスが
最も、面白く無いアンバランスな映画ですが
・・・好きな作品です。
タランティーノも、コブラを
「僕にとっての大事な映画だ」と、言うは
とてもよく解りますし、彼の映画にも
この前半部分の編集や撮影の技が
使われているのが、見る人が見ればよく解ります。
音楽も、Voice Of America’s Sons
John Cafferty & The Beaver Brownも
マッチしていて、本当にシリーズ化して
いたら・・・と、残念に思う作品ですけども
未見の方は、前半は98点くらいの映画で
後半は20点くらいの映画ですが、何かが
残る映画で、スタローンの拘りは観客に
伝わる者があるので、是非1度は見てみてください。
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■作品データ
監督 ジョージ・P・コスマトス
脚本 シルヴェスター・スタローン原作 ポーラ・ゴズリング『逃げるアヒル』
製作
メナヘム・ゴーラン
ヨーラム・グローバス製作総指揮 ジェームズ・D・ブルベイカー
音楽 シルヴェスター・リーヴァイ
撮影 リック・ウェイト編集
ドン・ジマーマン
ジェームズ・R・シモンズ製作会社キャノン・フィルムズ
配給 ワーナー・ブラザース
公開
アメリカ合衆国 1986年5月22日
日本 1986年8月9日
上映時間 88分製作国 アメリカ合衆国
興行収入
$49,042,224 アメリカ合衆国カナダ
$160,000,000世界配給収入17億5800万円 日本
■キャスト
マリオン・コブレッティ警部補 シルヴェスター・スタローン
イングリット・ヌードセン ブリジット・ニールセン
トニー・ゴンザレス巡査部長 レニ・サントーニ
モンテ警部補 アンドリュー・ロビンソンナイト・スラッシャー ブライアン・トンプソン
ナンシー・ストーク リー・ガーリントン
シアーズ警部 アート・ラフルー
ハリウェル警察長 ヴァル・エイヴリー
ダン デヴィッド・ラッシュ