コーヒーが冷めないうちに【感想・レビュー】
監督 塚原あゆ子 脚本 奥寺佐渡子 原作 川口俊和 出演 有村架純、伊藤健太郎 波瑠、薬師丸ひろ子 吉田羊、石田ゆり子・他 |
映画銀幕パークのジョージ・松田です。
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下の記事からはネタバレに成りますので注意してください。
今回の映画は
コーヒーが冷めないうちにです。
![]() JAN: 4562474200226 時間 116 分 詳しく見る。 |
「コーヒーが冷めないうちに」は
元々は川口俊和さんが書いた*戯曲で
それを小説化した形のモノもありますが
この映画の場合は、どちらも原作と言う事に
なるのかと思います。
*戯曲・シナリオや台本(今作は舞台脚本)
ある意味、タイムスリップモノで、SFでも
ありますが、視覚的には普通の日常の中の
小さな不思議・伝説と言う感じの作品です。
しかも、かなり小スペースの限定的な
お約束ルール、5つの掟があります。
そこが今作品の面白さのキーに
なっていて、様々な人間模様の背景と
そのタイムスリップのルールや、全容が
少しずつ明かされながら、ストーリーが
進んで行きます。
1.喫茶店フニクリフニクラ
喫茶店フニクリフニクラには、変わった噂?
というか、伝説が密かにありました。
お店の席に、望みどうりの時間に戻れると
いうのです。
喫茶店フニクリフニクラは、特別変わった
外観でも無く、大通リた繁華街でもなく
住宅街にポツンとある、とくに目立たない
お店でした。
夏のある日・・・
望みどうりの時間に戻れると言う噂を聴いた
波瑠演じるキャリアウーマンの清川二美子は
一週間前に幼馴染の五郎と来た時に戻してと
有村架純演じる、店の時田数に御願いします。
数は、過去に戻る5つの掟を説明します。
2.コーヒーが冷めないうちに
1.過去に戻ってどんな事をしても、現実は
かわらない。
2.過去に戻っても、この喫茶店を出る事は
出来ない。
3.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに
注いでから、そのコーヒーが冷めてしまう
までの間だけ。
4.過去に戻れる席には「先客」がいる。
席に座れるのは、その先客が席を
立つ時だけ。
5.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事が
ない人には会う事はできない。
もし、コーヒーが冷めてしまうと
幽霊になってしまいます。
キャリアウーマンの清川二美子は、
プライドが邪魔して「行かないで!」と言え
なかった事に悔いを残していました。
1日に1回だけトイレに立つと言う先客の
幽霊が立つ瞬間に居れた為に
何とか、石田ゆり子演じる「先客」の
空いた席に座り、過去に向かいます。
数は、コーヒーを注ぎます。
「コーヒーが冷めないうちに…」
清川二美子は、幼馴染の五郎の居る
過去に戻りますが
結局…幼馴染の気持ちを聞けずに
冷めかけているコーヒーを飲み干し
現在に戻って来てしまいます。
戻って来て「先客」に席を戻し
数に、現実は何も変わらない事を
確認します。
清川二美子は少しふっ切れたようで
過去は変えられないけども…未来は?と
数に聴きます。
未来はお客様次第です。
と、応えると、清川二美子は会計をして
頭を深くさげると、御礼を言い
ニューヨークの幼馴染に連絡し
一緒にアメリカに行くと伝えます。
清川二美子の時間移動を見て居た
伊藤健太郎演じる、美大生の新谷亮介は
自分も・・・となると、後1歩が踏み出せず
帰って行きます。
3.夫婦と封筒
秋になり・・・
薬師丸ひろ子演じる、高竹佳代は過去に
戻れる席が空くのを待っています。
高竹佳代は常連でしたが
数に、新しいバイトの方ですか?と
聴いたりします。
数は、どんな過去に戻りたいのか?と聴くと
夫に渡したいものがあると、封筒を見せます。
高竹佳代の夫、松重豊演じる房木康徳が
迎えに来ます。
「高竹さん~?」と話しかけるも
高竹佳代は、店を出て行ってしまいます。
夫婦なのに、苗字が違うのは房木康徳が
妻の旧姓を半年前からクチにしているだけで
実は高竹佳代は、アルツハイマーで夫を
認識できなくなっていました。
それでも、毎日、房木康徳は妻を迎えに
来ていました。
ある日、その席の「先客」がどいて
房木康徳が、空いて席に座り
妻の病気が進行する前に戻ります。
「コーヒーが冷めないうちに…」
房木は妻から厚い封筒を受け取ります。
そこには、自分が夫の事をいずれ忘れて
しまう前に書いた、愛と感謝の文が入って
いました。
房木は妻の病気を受け入れて支えて
行こうと決めて、戻ります。
過去に行くのためらった、美大生新谷亮介
は、常連になっていて、美大でやる自身の
展覧会のポスターを貼らせて貰います。
数は、その展覧会に行き新谷との交流を
深めて行きます。。。
4.姉妹と旅館
冬になり・・・
常連の吉田羊演じるスナックを営む
平井八絵子が、フニクリフニクラ姿を
見せない事に気ずき、深水元基演じる
マスター時田流に尋ねると?
妹さん、松本若菜演じる平井久美が
交通事故で亡くなったらしいと答えます。
数日後…
常連のスナックを営む平井八絵子が
フニクリフニクラに、やってきます。
妹の平井久美が生前に、お店に預けた
手紙を、姉の平井八絵子に渡します。
旅館を継がずに、妹に押し付けたので
苦情や愚痴が書いて在ると思い
受け取りを拒否しますが…
なんとか受け取り、読み始めます…
涙かが溢れ読めなくなってしまいます。
ある日の朝、姉の平井八絵子が
妹が手紙を預けた日に戻りたいと言い出し
その日に、戻ります。
「コーヒーが冷めないうちに…」
姉の平井八絵子は、妹に会うと
姉妹で旅館を経営したかったと言う想いを
聴かされます。
現実は、変わらないのですが
事故の日は外に出ないように言うと
コーヒーを飲み干して戻ります。
戻った、姉の平井八絵子は実家に電話して
確認すると、やはり妹は亡くなったまま
でした。
ですが、妹の八絵子の想いを果たす為に
実家の旅館を継ぐ決意をします。
5.数の母
美大生新谷亮介は、フニクリフニクラで
食事しながら、数の従兄でもあるマスターに
数の母親の事を尋ねます。
マスターは、先客の幽霊が数の母だと普通に
話します。
数が、初めてコーヒーを入れた相手が母親で
亡くなった父親に会いに過去に行って
コーヒーが冷めないうちに飲み干せずに
あの席に居る事を話します。
また、そのコーヒーを注げるのは時田家の
女性が代々受け継いでいる事を知らされます。
春になり・・・
数と、美大生・新谷亮介は社会人になり
2人の間に、命が宿ります。
亮介は喜びますが、数は母親を残して
自分だけが幸せになる事に抵抗してしまいます。
なんとか、数の母親の事を考える亮介は
マスターが言った事を思い出し
ある事を実行します。
6.明日の8時
亮介は、数に明日の8時に
フニクリフニクラへ行くように告げます。
すると、山田望叶演じる見知らぬ女の子が
数を、あの席に案内し、数と同じ手順で
コーヒーを入れます。
数は、女の子の名前を聴くと
未来と書いて(ミキ)です。と、言います。
数は、母が戻れなくなった過去に行き
母と再会します。
母は、実は過去の亡くなった父に会いに
行ったのでは無くて、実は病気で余命3ヵ月と
診断された為に、未来の数の様子を見に
未来に行って、戻れなくなっていたのでした。
2人は涙を流し事情を分かち合いますが
コーヒーが冷めるアラームが鳴ります。
数は、戻りたくないと言いますが
母は、ずっと見ているからと
数を現在に帰します。
7.未来・ミキ
現在に、戻った数は亮介の元へ行き
母親に会わせてもらった感謝を告げます。
そして、数は2人の赤ちゃんを産みます。
ベットで、赤ちゃんを抱いている側から
亮介は、名前は何にしょうか?と
数に言います。
数は、もちろん
「未来と書いてミキと、彼女が言った」と
答えます。
END
まとめ
少し、ややこしく紙に書いて整理したくなる
気もするのですが、そこはシッカリ考えられ
ている事を信じて、見る映画になります。
SFなんですが、とても普通のドラマでも
あり、でも複雑なメカや宇宙人や博士は出て
こないで、特殊なエネルギーでも無く
ただ、フニクリフニクラと言う喫茶店の
セットの席と、コーヒーだけと言うアイテムで
この話を成立させるのは、俳優さん達の芝居
が重要です。
初めての感じだったり、知っている。
知らない事。などをオーバーにならずに
演じ分けないとで、CGも猫型ロボットも
助けてくれません。
カメラワークも、同じセットなので
むしろ、時間で異なる撮影は出来ない
難しい映画で、唯一アナログな表現として
水が使われていて、お店のセットが巨大な
水槽になり、俳優が水の中に潜る映像を
入れています。
かなり準備も、撮影も、俳優さんも大変だった
そうで、主演の有村架純さんは泳げないのに
チャレンジしていますが、あの深さは・・・
泳げる人でも、充分に怖い深さなので
あのカットだけは、アクション映画なみの
命がけのカットだったと思います。
それでも、水で表現したファンタジーな
SF部分は、この映画でCGを入れるよりも
意味があったと思います。
ただ、未来ちゃんの名ずけ親は誰なんで
しょうね・・・?
コーヒーが冷めないうちにの7年後を描いた作品 |
■作品データ
コーヒーが冷めないうちに
公開・2018年9月21日
上映時間・116分
製作国・日本