クランクイン・クランクアウト?
映画銀幕パークのジョージ・松田です。
今回は「クランクイン・クランクアウト?」です。
■クランクインとは?
映画の撮影開始は、よくファンの方も
目や耳にする言葉で
クランクイン(crank in)と言いますね。
逆に終了をクランクアップ(crank up)と
今は言います。
クランクインと言うのは、図のように
昔のカメラは電気モーターでは無くて
手動だったので、クランク棒(図赤)を
カメラ本体に差し込んで、回す事で
フィルムを回転させていました。
つまり、このクランク棒を差し込まないと
映画の撮影が始まらない事から
クランクをインする=映画の撮影開始と
言う意味に使用されるようになります。
■クランクとは?
クランクは、自動車教習所などに通った方は
クランク棒の形の道を走ったりしたと思いますが
形状的な意味と
往復運動を回転運動に変える装置の事を言います。
自転車のペダルが下に足で押すのを
左右で交互に行って回転運動に変えているのと同じです。
■撮影技師とクランクインの歴史
昔の手動カメラ時代のカメラマンは
子供の頃、球技だったりでボールやバット
などの道具を持ってる友達が権限を持っていたり
高価なゲーム、ラジコンなども
持ち主が、なんだか遊びで権威を持ってたように
カメラが居ないと映画自体が成立しないので
カメラマン・撮影技師の撮影現場の地位が1番高かったりしました。
映像が映る事は勿論、ピンボケでは無く
撮影できる事や、一定の回転で回せる
技術が高くて大事な時代で、まだフィルムも60mmなど幅が広く高額でした。
映画を撮る上で、最も大事な事から
偉そうにしていたり(当時は偉いのですが…)
撮影現場での権限も、絶対的なものを持つ人も多く
助手が当時重いカメラを、セッティングし
重くて大きな照明や、主役俳優など全て整ってから…最後に
クランク棒だけを持って、カメラマンが
入って来て、準備OKを確認し
クランク(棒)をインし撮影が始りました。
逆に、クランク(棒)を差し込む前に
充分な準備が出来て無いと、帰ってしまったり
やり直す事も多く、ロケは曇りでも
フィルムの感度(性能)がよく無いので
中止になるとか、衣装が暗い、メークが暗いなど
なかなか、カメラマンがフィルムや
現像が高額で撮影自体の予算が、当時は凄い事からも「イン」しない事があったので
クランクイン=準備が出来たと言う意味は
やっと撮影まで、こぎつけたと言う部分も
多く含んでいて、今でも残って居る裏の意味合いでもあります。
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■クランクアップ?
では、クランクインが解ると…
クランクアップ?=撮影終了。
と、言うのは変ですよね。
アップと言うのは、タイムアップと
いう用に「終了」と言う意味もありますが
クランク(棒)は、削れていくのでは無いので(^^:
クランクインの反対は、クランクアウトです。
でも、クランクアップと言うのは…
実は、コレも手動カメラ時代の言葉が元になっています。
クランクインの反対は
確かにクランクアウトなのですが
カメラを停めるのは、モーターになってからは
スイッチで電気的に止めます。
ですが、手動当時は停める事(かけ声)が
「アップ」だったんです。
つまり
アップ>>>動作の終了
クランク棒を、停める位置も
持ち手部分が上に来る位置で停める撮影技師が多く居ました。
これは自転車で信号待ちして、次に備える時
漕ぎ出しのペダルを上にUPするのと同じですね。
なので、クランクアップは>撮影を停める。
と言うのが、本来の意味です。
■まとめ
現在使用されている
撮影開始>クランクイン
と、言う方は…クランク棒をインする
意味からの撮影開始と言う意味としても
普通に使うには、問題無いと思います。
ですが、詳しい映画ファンは
脚本やキャスト、予算などなど
「撮影準備」が、整ってからの
やっとスタート出来る意味の方も、意識して貰えたらと思います。
また、クランクアップは
クランクインの反対に~と、書かれている
のは、かなり略されていて
単に反対ならば、クランクアウトですから
クランクアップは、撮影を停めるから
撮影終了に転じた言葉です。
更に、○○組オールアップです。と
俳優さんなどと現場で言って、拍手したりもしますけども…
厳密には、まだ風景だけとか
CGなど合成に使う、素材(爆発や火など)の
撮影が残っていたりするので、撮影部的には
「オール」には、やや引っかかりがあったりします。(^^:
また、俳優さんの名前などから
○○さんオールアップです~!
と、言うのも、後々CG用に顔の素材や
心の声の台詞なども、撮ったり・録音するので…
「オール」でも無いので
やや現場の雰囲気的なモノだったりします。(^^:
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