お薦め名画 「E.T.」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は「E.T.」です。
スティーヴン・スピルバーグの代表作で
知らないと言う方は少ないと思いますが
世代的には、見た事の無い世代や
劇場で見ていても、その後ソフトなどで
見返した事が無い人が多い作品でもあります。
■ハリウッドの大きな時差!
E.T.は、1982年の作品ですけども
この頃は、まだ日米の公開が同時と
言うパターンが少ない時代でした。
E.T.と言うタイトルは内容が、よく
解からないのと、スピルバーグも
まだ若手で、巨匠では無い事からも
アメリカの公開が6月でしたが
日本は半年も遅れて、12月の公開と大きな時差が生じてしまいます。
ですが、E.T.はアメリカや海外で
公開されると、爆発的な人気で
その噂は、インターネットの無い
時代にも、徐々に日本にも伝わり始めます。
その時には、もう遅く日本の配給
会社は、1人の若いスピルバーグと言う映画人に舌を巻く事になります。
それから半年間、一般のニュースでも
E.T.の人気の様子が流され
雑誌や漫画雑誌の表紙までもが、まだ
公開されても居ない映画E.T.が飾りだす異例の事態が起きます。
映画ファンや、一般の方もE.T.は
どこで見れるのか?いつ見れるのか?
と言う問い合わせが起きて、ついには
見てもいないE.T.のぬいぐるみやグッズを先に輸入する会社が出るしまつで
そのE.T.の人形などは、数が不足し
プレゼントや景品に使われます。
・・・まだ公開してないのに(^^:
このイラダチは、前売り券で爆発します。
E.T.を見たいのに見れない思いは
前売り券が発売されると、9都市の
劇場販売分だけで37万7000枚が売れる公開中映画より長い列が出来る有様でした。
E.T.の前売りはトータルで170万枚も
販売されて、印刷が大変な略の記録的販売数になります。
それ以上に、公開後のパンフレットも
売れて200万枚と言う、もうベストセラー?と言う数を記録します。
■映画史上最大・アナログ映画最高峰!
ユニヴァーサル映画社が、当時の若い
スピルバーグに用意した予算は約1,000万ドルでした。
今で、約10億円で、当時だとザックリ15~20億くらいです。
ですが、E.T.が稼ぎ出した金額は3億ドルを超えます!
今の円で、300億円以上です。
これは映画史上、最大の興行収入で
世界中の映画関係者が、スピルバーグ
の見方を変えるのは、当然の結果で
この映画史上最大の記録を、破るのも
また、スティーヴン・スピルバーグで
CGを導入して、大きくCGの可能性を
世界に知らしめた映画ジュラシック・パーク(1993年)まで誰も敗れませんでした。
■E.T.の評価
E.T.の評価は、既に観客が示していますが
当時のアカデミー賞は、まだSFと言う
ジャンルや、若い監督の作品と言うだけで
芸術性が低いというような線引きをしていました。…今も、ややありますが(^^:
その為、E.T.は第55回アカデミー賞では
音響効果賞、視覚効果賞、音響賞、作曲賞を受賞。
作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞は
ノミネートだけに終わります。
ただ、第40回ゴールデングローブ賞
ではドラマ部門作品賞を受賞しています。
アメリカ連邦議会図書館も、1994年
に国立フィルム登録簿に登録し
アメリカ映画の歴史として、SFとしても認められています。
■日本公開
日本では、CICが配給する事になり
12月4日に封切されると、観客が押し寄せ立ち見が続出。
テレビCMや、ワイドショー
新聞、雑誌がE.T.を取り上げ
お笑い番組でも、パロディや
*指と指を合わせるアクションやE.T.の声真似をする人が続出します。*厳密には無い。
興行収入も、当時の価格で135億円を記録します。
これは、劇場の入れ替え制度が
今のシネコンのように無くて
チケットの料金も、今より安い金額ですが
2020年現在でも、歴代14位に位置
する大ヒットになりました。
リピーターも多く出て、自身も4回は劇場に行きました(^^:
■最も長くソフト化されなかった映画
E.T.が公開された頃から日本でも
家庭用ビデオが普及した事から
映画のビデオソフトが販売され出します。
ですが、まだビデオソフトが高額
だった事から、レンタルビデオ店が
増えていき、どの街にも何件か在る
ようになりますけども、E.T.は
スピルバーグの意向と、人気(数)の
権利関係からビデオソフト時代から
レーザーディスク時代に移行する
頃の1988年に、やっと販売され
アメリカでは、シンデレラの530万本
が記録でしたけども、1,200万本以上を
売り、2倍以上の圧倒的な大記録販売数になります。
日本でも、略全てのレンタル店が
複数本買った事で、17万本以上を売り
それまでの最高売り上げ記録を3万本以上上廻っての大ヒットになります。
■まとめ・アンブリン
E.T.は、当時は日本の宇宙人=悪
と、言う強い認識を変え
BMX(自転車)を、流行させ
日本になかった宅配ピザをE.T.の
シーンからヒントを得て、ピザーラが産まれる余波まで産む社会現象になります。
また、当時の日本は鍵(キー)は
首から紐でさげてたり、キーホルダー
を、着けて仕舞うなどでしたけども
この映画から鍵を外に出して
ジャラジャラと持ち歩くような
習慣が、寧ろカッコイイと言う風潮に変わって行きました。
そして、この映画E.T.は日本の
スタジオジブリのマークにトトロの横顔が使われるように
スピルバーグの会社
アンブリン・エンターテインメント
のシンボルマークとして
劇場のスクリーンやソフトに登場しています。
E.T.は、ソフト化の事情から
世代的に見る事が困難で、未見の方も意外に多く
同じく、2度目を特別篇も含めて
見て無い方も、意外に多い作品なので
未見の方は勿論、もう1度見てみたい方に御薦めの名画です。
![]() 字幕 英語, 日本語 JAN: 4988102211202 時間 115 分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 スティーヴン・スピルバーグ
脚本 メリッサ・マシスン
製作 スティーヴン・スピルバーグキャスリーン・ケネディ
音楽 ジョン・ウィリアムズ
撮影 アレン・ダヴィオー
編集 キャロル・リトルトン
製作会社 アンブリン・エンターテインメント配給
アメリカ合衆 ユニバーサル映画
日本 CIC公開
アメリカ合衆国 1982年6月11日
日本 1982年12月4日上映時間
115分(オリジナル版)
120分(20周年記念特別版)製作国 アメリカ合衆国
興行収入
アメリカ合衆国 435,110,554
日本135億円■キャスト
エリオット ヘンリー・トーマス
メアリー ディー・ウォレス
ガーティ ドリュー・バリモア
マイケル ロバート・マクノートン
鍵の男 ピーター・コヨーテ
グレッグ K・C・マーテル
スティーブ ショーン・フライ
タイラー C・トーマス・ハウエル
E.T.の声 パット・ウェルシュ