フォードvsフェラーリ【感想・レビュー】
原題 Ford v Ferrari 監督 ジェームズ・マンゴールド 脚本 ジェズ・バターワース ジョン=ヘンリー・バターワース ジェイソン・ケラー |
映画銀幕パークのジョージ・松田です。
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下の記事からはネタバレに成りますので注意してください。
今回の映画は、フォードvsフェラーリです。
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見る前に知って置いた方が良い3つの事
知って置いた方が良い1つはル・マン式スタートです。
スタートラインの後方に斜めにクルマを
停めておいて、コースの反対から
ドライバーが走って来て、クルマに飛び乗り
スタートする方式で、今ではシートベルト
などの安全からも、乗り込んだままから
フォーメーションラップに出て行く前に
斜めに並べるだけですが、映画の当時は
図(右がスタートライン)のように並んでスタートしていました。
コレが実際の話ですけども、ストーリーと
しても鍵になるので、知らない方は押えておくと良いと思います。
もう1つは、アメリカ・他で常識なのかと
思いますが、キャロル・シェルビーが
シェルビー・アメリカンと言う会社を起業し
イギリスのACカーズのシャシーにフォードの
エンジンを搭載したACコブラを設計して
販売している会社の事が、かなり略されて
いるので、この会社自体もキーワードとして
重要な場面に出て来るので押さえておいて下さい。
3つ目は、ル・マン24時間耐久レースは
普通は「ル・マン」と略されますが
フェラーリの創始者エンッオ・フェラーリは
このレースを「真実のレース」と称して
居たと言う事で、この映画にとって凄く
大事な事なので、是非知らなかった方は
しっかり、その代名詞を覚えて観て下さい。
また、この映画のタイトルはアメリカでは
「Ford v Ferrari」で、「VS」ではありません。
EUでは更に「Le Mans 66」と言うタイトルで公開されています。
コレは意図的に、変えてる部分だと
思いますが、作品を見ると解かるので・・・
内容とも関連する?ので、↓の「まとめ」で書きたいと思います。
クルマやレースがメインの映画ですが
登場する人物を演じてる俳優が
本当に、全て良い味を出していて
驚くくらい、人間ドラマがパーフェクトな映画です。
ズバッと斬ってる部分も在り、面白い
切り口ですけども、コレも詳しくは最後のまとめに書きたいと思います。
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- 1. ■キャロル・シェルビー
- 2. ■レーサー生命
- 3. ■街の修理屋
- 4. ■フォードの改革
- 5. ■ケン・マイルズとスパナ
- 6. ■差し押さえ
- 7. ■フェラーリ買収計画
- 8. ■エンツォ・フェラーリ
- 9. ■ヘンリー・フォード2世
- 10. ■ル・マン参戦へ
- 11. ■90日
- 12. ■2人の表命式
- 13. ■長い30分
- 14. ■モリ―・マイルズ
- 15. ■フォードGT40
- 16. ■ガレージの中のル・マン
- 17. ■赤いファイル
- 18. ■2本のソーダ
- 19. ■GT40マークⅡ
- 20. ■2世のドライブ
- 21. ■デイトナ24時間レース
- 22. ■ピーター・マイルズ
- 23. ■ル・マン1966
- 24. ■フェラーリ330 P3
- 25. ■真実のル・マンウイナー
- 26. ■スパナ
- 27. ■まとめ
■キャロル・シェルビー
1959年、ル・マン24時間耐久レースに
アメリカ人ドライバーのキャロル・シェルビーが
イギリスのクルマ、アストンマーティン
DBR1(ナンバー5)で出場しています。
ピットインして給油の時に火災が発生し
シェルビーの背中が燃えますが
スタッフが消し、なんとか無事に済みます。
スタッフはリタイヤを覚悟しますが
シェルビーは諦めず、タイヤを替えて
給油すると、またコースに飛び出して行きます。
夜のコースが明け…
初のアメリカ人ウイナー(優勝者)に輝きます。
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■レーサー生命
シェルビーは、病院での検査を受け
心臓病でレースを続けられないと
医師に判断され、言い渡されます。
なら「時間の短いF1を走る」など
と抵抗しますが、レースが出来る体では
ないとされ、心臓の薬を飲み続ける事になってしまいます。
シェルビーは、やりきれない思いに
クルマを強引に走らせ・・・レーサー生命に終止符を打ちます。
■街の修理屋
イギリス出身のケン・マイルズは
街の小さな修理工場を経営していて
奥さんと、ピーターと言う息子が居ます。
イギリスのオープンスポーツカー
MGのクレームに来る男の相手を
しているケンは、スポーツカーの
乗り方をしないのが原因だと
回転数を合わせられない客に嫌気がさしています。
自身の腕の無さを認めたく無い
客は怒って去って行きます。
メカの腕は確かでも、客商売や
人を相手にするのが苦手なケンには
出来た奥さんのモリ―が居ます。
モリ―は、ケンに近ずき
また、やってしまった失敗も…とがめず宥めます。
それらのやりとりを、ガレージで
見ている息子のピーターは
それでも、父親ケンを好きでいます。
■フォードの改革
フォード・モーターは、ヘンリーフォード
の大量生産ラインで、世界的な
大企業になった会社ですが、企業として
伸び悩みピンチを向えていました。
その事態に、マーケティング戦略に
リー・アイアコッカを据えて経営を立て直そうとしています。
ヘンリーフォード2世や重役が
工場に来て、ライン止めように指示します。
工員達は、重役の居る2階を見上げ
ヘンリーフォード2世の言葉を聴きます。
アイディアを出さない奴は
家で寝ていろと言うような
フォード・モーターの現状の経営を
反映する、危機的状況が工員達にも伝わります。
*ヘンリーフォード2世・ヘンリーフォードの息子では無く孫
■ケン・マイルズとスパナ
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ケンは、ACカーズの白いマシンで少し小さな
レースに参戦する為に、息子のピーターを連れて来ていました。
シェルビーは、サーキットに停めた
キャンピングトレーラーで目覚めます。
フォードの人間も、このレースを見に
来ていて、ル・マンウイナーの
シェルビーは、挨拶やサインに追われます。
ケンは、レース前車検で検査員が
トランクが閉まらない事を理由に
出場停止のステッカーを貼られてしまいますが
それを見たシェルビーが間に入り
交渉すると…ケンはトランクを内側から
強引に叩いて閉めて見せます。
シェルビーに、短気を起こすなと
言われ、スパナを投げつけますが
シェルビーがかわすと、ケンのマシンの
フロントスクリーンを割ってしまいます。
フロントスクリーンの破損が、広がらない
ようにテープで補修して、レースに出るケンは、コルベット相手に健闘し
スクリーンをイジラれても新型の
スクリーンだと返して、抜き去り
スリップストリームから出て優勝してしまいます。
ケンは、息子のピーターに
助手席に乗れと合図を贈り
ウイニングランを息子と2で回ります。
シェルビーは、スパナを額に
入れておくようにスタッフに言います。
■差し押さえ
しかし、その頃…ケンの工場は役人に
差異押えられてしまい、奥さんのモリ―は途方に暮れます。
ケンは、モリ―に話を聴き
レースを辞めて働くと、過去の
トロフィーを全部ゴミ箱に捨てます。
ですが、息子のピーターは、そっと
ゴミ箱から回収してベットの下に隠します。
モリ―も意外にも、逆にレースを辞めて欲しく無いと泣きます。
複雑な心境のケンですが・・・
工具も全て、差し押さえられた
工場のガレージの中で、どうする事も出来ません。
■フェラーリ買収計画
マーケティング戦略のアイアコッカは
フォードの重役相手に、戦後の流れから
若者にアピールするクルマが必要で
レースを提案し、フェラーリの名前を出します。
ですが、フォードは年間の生産数が
1日分以下のフェラーリを下に見ていてレースを軽視しています。
そんな思考の中で、フェラーリの
経営状態がよく無い事から、買収を提案します。
■エンツォ・フェラーリ
イタリア入りフェラーリ本社を訪れる
フォード幹部に、社内カメラマンが
写真を要求し、フェラーリとフォードの
重役同士の写真が撮られます。*日本のニコンで。
フェラーリの工場の奥に座る
エンツォ・フェラーリに、緊張する
フォード陣営ですが、書類を渡し説明
すると、書類を読む時間が欲しいと言われます。
その間に1台のベスパが、フィアットの
元に走り、フォードが買収に来た写真を届けます。
フィアットの幹部は、その事実に慌てて
大金を支払うと発言します。
*フィアット・同じイタリアの大自動車メーカー
日も暮れ、まだ書類を見ている
エンッオにメモ書きが差し込まれます。
すると、エンツォはレースに
ついて1つだけ質問しますけども
フォードは、その返事を間違ってしまい
エンツォは立ち上がり、契約は無しだと
言うと、フォードの幹部は皆無能で
ヘンリーフォード2世も、所詮2世だ
醜いクルマを造って居ろと暴言を並べ追い返します。
■ヘンリー・フォード2世
フォード幹部や、アイアコッカは
フェラーリが、フィアット傘下に
なった事を知り、フィアットの金額を
吊り上げるのに使われたと悔しがります。
ヘンリーフォード2世は、エンッオが
何と言ったのかを1人1人に聴き出し侮辱的な言葉に激怒し
優秀なメカニックを集めろ!と
レースへの参加、フェラーリと戦う決意をします!
■ル・マン参戦へ
シェルビーの会社に、アイアコッカが1人尋ねてきます。
「仮に」ル・マンで勝つには
いくらかかるのか?
どうしたらいいのか?と
アメリカ人ウイナーのシェルビーに聴きます。
シェルビーは、即答でお金だけでは勝てないと断言します。
「仮に」を、外してシェルビーに
フォードのレースカー開発を託します。
シェルビーのオフィスには
あのスパナが、本当に額に入って飾られています。
■90日
シェルビーは、他の工場で働く
ケンに会いに行き、レストランで
絶対的王者のフェラーリに
フォードが挑む事を話します。
ケンは、開発に200~300年かかると言うと
シェルビーは90日で、と応えるので大笑いします。
その上、ケンはフォードのような
大企業は、必ず上司がクチを出し
その上司は、その上司に言われる連鎖が起きると言います。
200年は大袈裟にしても、90日は
無理な日数なのは、シェルビーにも解るので
次の日曜に、新型車の発表が在るので
其処に、ケンも来るように言います。
■2人の表命式
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日曜日、フォードは新車のマスタングの発表会を開きます。
ケンは、そこに息子のピーターと
やって来ます。
ピーターは、マスタングを
気に入ったようで、ドアを開け
中を見ると、フォード、スポーツ部門のレオ・ビーブに注意されます。
ケンは置いてあるマスタングを、一目見ると
マスタングの欠点をズバズバ言います。
レオ・ビーブは、ケンを不快に思い
一般の客と思いこみ、息子が屋根に
手を置くのも汚れるからと指摘します。
一方、シェルビーはフォードの
重役と飛行機で会場入りする為
機内で話していると、パイロットに操縦を替わるように言います。
自分はB-29を*操縦したんだから
大丈夫だと言い、パイロットが交替します。
*シェルビーは空軍に所属し飛行教官やテストパイロットをしていた。
フォードの重役は、慌ててベルトをします。
シェルビーの操縦する飛行機は
大きく旋回し、マスタングの
発表会の会場脇に、ハーフスピンしてド派手に登場します。
飛行機から降りて来るシェルビーに
声援が飛び、サインを求められます。
シェルビーは、フォードの重役や
レオに、ケンをアピールし
レオはケンが、ただの客では無い事を知ります。
スピーチ台に立つ、シェルビーは
フォードのレース活動を表明し
2人で推し進める事を話します。
ケンは、自分の名前が呼ばれるかとサングラスを取りますが
シェルビーから出た、名前は
シェルビーと、フォード2世でした。
勿論、マスコミ用の表向きな発言で
実際には、シェルビーとケンなのですが
ケンは、マスタングにも失望し去ります。
■長い30分
ケンが家に着く直前に、家の前でシェルビーが待って居ます。
ケンが、スピーチやマスタングに
不満を持って居るのを知った上で
30分だけ着き合うようにと説得してクルマに乗せます。
その様子を、窓から奥さんのモリ―・マイルズは見て居ます。
シェルビーのクルマが、飛行場に入ると、1台のクルマに布がかけてあります。
シェルビーは、ケンの前で布をとると
其処に現れたのは、マスタングなど欠片もなく
フォードGT40が姿を現します。
ケンの目の色が変わり、GT40に乗り込むと
夜の飛行場を走り、いろいろシェルビーに
ダメだしや改良点を告げると、また走りに行き~長い長い30分が続きます。
![]() ルマン 1964 1/43 ASIN B083HWVKPC 詳しく見る。 |
■モリ―・マイルズ
ケンは、奥さんのモリ―が運転するワゴンで
ポテトチップスを助手席で食べています。
モリ―は、昨日遅かった事を問いただします。
ケンは、誤魔化そうとしますが
シェルビーと行くの見たと言い
ワゴンを暴走させ、次々と危険な追い越しをして行きます。
ケンは、辞めろと言いますがモリ―は
辞めずに、本当の事を話すようにと暴走を続けます。
ケンは、シェルビーからのフォードの話を打ち明けて、悩んでいると答えます。
やがて、ワゴンはカーブにさしかかり
ケンは、スピードを落とせと言いますが
モリーは、そのままの速度で突っ込みます。
モリ―はケンが、やりたい事は解って
いるので、ギャラの低さに悩んで
いるのかと思っていたようですが…
ケンのクチから出た金額は*1日200ドルでした。
とんでもない大金に、モリ―は呆れます。
=ケンの進む道が決まります。
*1964年の1ドルは360円なので7万2千円です。
当時の日本大学出初任給が約19100円と
ドル円が極端な時代なので、やや解かり難いですが
普通のセダンで2000ドルくらいですので
ザックリ200万円くらいだとしたら
1日に20万円貰えるような感じなので
1日が一般の月給分というようなニュアンスだと思います。
■フォードGT40
テストコースを走るケンは、GT40の
欠点を指摘し、フロントの形状(空力)が良く無いと言い
助手席に積まれた、当時の大きな
コンピュターを降ろして、毛糸をテープで車体全体に貼り付けて走ります。
それを、双眼鏡で見ると毛糸が走行中に
垂直に立つ部分が、抵抗なのが解り
ケンに言う通リ、フロントがよく無い事が判明します。
シェルビーが、見こんだ通リに
ケンは、ドライバーとしても
開発ドライバーとしても優れていてGT40を短期間で仕上げて行きます。
■ガレージの中のル・マン
ですが、ケンの予感?は当たり
マスタングの発表会で、合わなかった
レオは、ル・マンのドライバーから
ケン・マイルズを外すように
シェルビーに言ってきます。
レオは、ケンの振舞や発言は
フォードには合わないと言い
必ず、会社やチーム、クルマの
漏らしてはいけない禁止事項もメディアに喋ると言い
ケンは、ル・マンのドライバーから外されてしまいます。
それでも、ケンは最後に
シェルビーに、GT40の未開発な
部分のブレーキやギアなど注意点を告げて去ります。
ケンは、ル・マン24時間レースを
ガレージのクルマの下で作業しながら
ラジオで聴く事になります。
序盤はGT40は、速さを見せています。
ケンは、サンドイッチを作り
ラジオの実況に耳を傾けますが…
劣勢になると虚しく無力感に襲われます。
その時、ガレージに奥さんの
モリ―が差し入れを持って
やってきて、ケンが聴いている
ラジオのチャンネルを変え…キスします。
■赤いファイル
フォード・GT40はギアにトラブルを
起こし、エンジンにも負荷を与え全車リタイヤ。
*今作では略してるのか、印象的には
1年(1回)のレースと観えると思いますが
実際には1964、1965年の2レースでリタイヤしています。
フォードに呼ばれるシェルビーは
秘書が2人居る部屋に通され待たされて居ます。
そこには真っ赤なファイルが回って
来て、ヘンリーフォード2世の元に届けられていました。
シェルビーは、中に入るように
言われて、2世の居る部屋に入ると
フォードの幹部も居て、ル・マンについて聴かれます。
そこでシェルビーは、速さ(*最高速度)が
GT40が上だった事から、最後に見せた
速さに、フェラーリは今頃怯えていると
ヘンリーフォード2世に、GT40は無駄では無い事を上手く運んで行き
赤いファイルを無視して、ヘンリーフォード2世
の再挑戦のGOサインを貰う事に成功し、チームの権限を貰い受けます。
*1周の最速レコードとル・マン初の300km/hオーバーを記録している。
■2本のソーダ
シェルビーが、真っ先に来たのは
ケンの家の前で、買い物から戻った
ケンに、もう1度信じろと伝えますが
ケンのパンチで、シェルビーのサングラスが飛び・・・
子供同士のとっくみ合いのケンカになります。
モリ―は、相手がシェルビーだと
解かると、止もせずにイスを見える
家の前に出して、雑誌を広げて2人の気が済むまで見守ります。
2人ともダウンし、ケンがモリ―に
ソーダを要求し、シェルビーにも
コーラを渡し、2人はコーラで仲直りします。
こうして・・・
GT40マークⅡの開発がスタートします。
■GT40マークⅡ
GT40マークⅡは、マークⅠから
シャーシを強化してエンジンを4.2Lからシェルビー製の7Lへ変更します。
この事から、速度は上がるがブレーキが
その大きなエンジンパワーに対応出来ず
テスト走行で、ブレーキが効かなくなり
ケンのテストするGT40がクラシュ火災が発生する。
シェルビーやスタッフが駆けつけ
モリ―は、息子ピーターにガレージに
居るように言うと、ケンの元に走ります。
ケンは、クルマの外に自力で出て助かりモリ―は安心します。
このブレーキの問題を解決する為に
ブレーキパットだけでは無く
ブレーキ全体の部品を、丸ごと替える
システムを、レギュレーション(規定)を読み込んで考案します。
ピーターは、父親が燃えた事から
スタッフに、燃えた事があるか聴きます?
レーシングスーツは耐火だから
大丈夫だと言い聴かすも、ピーターは
過去のスーツを着ていたが死んだレーサーの事例を出してきます。
それは、外に出れなかったからだと
ケンは、出れただろと言う事でピーターは、自分も納得させます。
■2世のドライブ
GT40マークⅡの開発は進み
ケンのドライブも、素晴らしいのですが
その言動を良く思わないスポーツ部門の
レオは、再びケンを外す事を企てます。
ですが、シェルビーに頼んだ
アイアコッカは、その企てをシェルビーに事前に伝えます。
シェルビーは、その事をケンに話し賭けに出ます。
企ての日、ヘンリーフォード2世が
幹部を連れて、GT40マークⅡを見に来ます。
レオは、早速シェルビーに
2人で話がしたいと言うので
シェルビーは、奥のオフィスに
レオと入ると、ブラインドを降ろし
レオを閉じ込めて鍵をかけます。
その間に、シェルビーは
ヘンリーフォード2世に乗ってみて
下さいと薦め、GT40マークⅡの助手席に座らせます。
レオは、大声で叫びますが
スタッフが、不必要な車のエンジンを
かけて打消しますが、ガラスを割って
出て来たので…ドアを、あからさまに
塞いで行かせないようにすると
シェルビーがステアリングを握り
GT40マークⅡを全開で走らせて
その凄さを体感させ、特別な人間しか乗れない事を告げ
次のデイトナ24時間レースで
ケンが勝ったら、ル・マンに
出して欲しい、もし駄目ならば
自分の会社をフォードに渡すとまで言い切り
ヘンリーフォード2世は、そのシェルビーの提案を受けます。
■デイトナ24時間レース
デイトナのレースは、1962年に3時間から
始まり~1966年に24時間耐久レースとして
継続する世界三大24時間耐久レースの1つで
この年、1966年にフォードGT40マークⅡが
ル・マンの前に、24時間を試すレースとして
ベストなレースがアメリカで開催されます。
フォードGT40は、シェルビーアメリカ
以外のチーム、ホールマン・ムーディー
らと競う形になり、エンジンの回転は
6000回転がレッドゾーンとなっていました。
ですが、ケンは6000より行けると言う
予想をシェルビーにレース前に伝えます。
その日の気温や路面温度、走り込みの
経験から、ケンはレーサーとしてのカンで
判断している事は、シェルビーが1番解って居ました。
レースは、フォードGT40マークⅡが
速く、TOP集団に居ますが、ケンのマシンが優勝しなければ意味が無いので
シェルビーは覚悟を決めてサインボードを
自ら持って、ケンに指示を出します
「7000+」
つまり、もっと回転を上げて行けと言う事です。
意外にも、ケンはレースのオーダーには
忠実なレーサー気質があり、普段とは
まったく違う振舞をするところがあって
それまでも、6000回転を守って走っていました。
ですが、シェルビーの許可が降りた瞬間から
追い上げを見せて、次々に先行車を
パスして、同GT40マークⅡも抜き優勝を果たします。
今も、初代デイトナ24時間レースの
ウイナーは、シェルビー・アメリカン
フォード・GT40MkII
ケン・マイルズ、ロイド・ルビー組です。
■ピーター・マイルズ
ケンの息子、ピーターはル・マンの
父親のケンが走るコースを紙に書いて
コーナーの名前を書き込み研究していました。
それを見つけたケンは、良く書けていると
驚き、コースを教えてと言うピーターに
もう寝ないとダメだと言いながらも1つ1つ詳しく話て聴かせます。
モリ―が、それに気ずいたので
ケンは、ル・マンの話を終わりにし
ピーターを寝かし部屋を出ます。
モーリーは何も言わず、ケンとキスを交わします。
■ル・マン1966
ル・マン24時間耐久レースは、華やかで
フェラーリの美しいマシンが目立ちます。
フォードは資金にモノを言わせ
8台のマークⅡがワークスマシンとして
5台のマークⅠがプライベーターを出場させます。
スタートは、走り込んで乗る
ル・マン式で、GT40は屋根とドアが
繋がった乗り込み難い形状なのと
ケンのマシンのドアが閉まらずスタートで出遅れます。
なんとかスタートするものの
ドアが開き、しっかり閉まらないのを
何度も閉めながら1周して、PITに入りハンマーで強引に閉めて追い上げます。
![]() LeMans 1966 1/43 ASIN: B082YBZ9CM 詳しく見る。 |
■フェラーリ330 P3
フェラーリの新型330P3と競いますが
P3は調整が完璧で無く、3台が、1台、また1台とリタイヤして行きます。
ケンのGT40も順調ですが、ブレーキが
限界に来て、ブレーキ部品ごとの交換に出ます。
それを見て居たフェラーリチームが
オフィシャルに提言し、オフィシャルが
ブレーキの交換は違反だと言いに来ますが
そんな事は規定に書いてないと
シェルビーは怒鳴り返します。
部品の交換は、全て問題無いはずだと
言われて、オフィシャルは返す言葉も無く退散します。
ただ、交換に使った時間分
フェラーリを2回抜かないと勝てません。
ケンは「2回だな」とシェルビーに
言うと、コースに戻り最速ラップを重ね猛追撃を見せます。
シェルビーも、壁にかけてある
ストップウォッチを2つ手にして計測し
ますが…イタリア製です。
フェラーリチームは、ストップウォッチが無い?と慌てています。
ケンは、ついに1回抜き、更に猛追を続けます。
シェルビーは、フェラーリのPITにナットを1つ落として来ます。
フェラーリチームは、1つナットが
落ちている事に驚き、慌てふためきます。
ついに、ケンはフェラーリ330 P3を2回抜きTOPに躍り出ます。
しかもフェラーリは、その後リタイヤして全滅してしまいます。
■真実のル・マンウイナー
ですが、ココに来て…
またも、レオはGT40マークⅡを
3台並んでゴールさせては?と提案してきます。
ですが、それはケンが1周多く先を
走っているので、無理だと言われますが
スローダウンさせればいいと、シェルビーに言います。
あまりに、バカげた提案に
シェリビーは怒り、却下しますが
PIT上の電話から、スタッフに
ケンにスローダウンするボードを書かせ見せようとしますが
間一髪、シェルビーが気ずき阻止します。
交替で、戻って来たケンは
シェルビーが何か「上司」に言われた
事を察知し、何を言われたのか聴き出します。
ですが、シェルビーはケンに
任すと、クルマもレースもお前のものだと伝え
ケンも、解った俺に任すんだなと言い
クルマに乗り込み出て行きます。
ケンは、ますます速度を上げて
スローダウンどころか、引き離して行きます。
シェルビーは、レオと掴み合いになるも抵抗します。
ですが、ゴールが近ずいた
ケンは、バックミラーを見て
後から来る、GT40を待つ為に速度を落とします。
GT40マークⅡは、3台揃って優勝のゴールラインを超えます。
前代未聞のゴールですが、裁定は意外にも
3台同時優勝ではなく、ケンの優勝でも無く
ル・マン式ゴールの1番スタートから
遠い場所からスタートした
クリス・エイモン、ブルース・マクラーレン組
の優勝と判断します。
シェルビーは、3台同時優勝と言われて
居たので、コレに激怒して噛みつきますが
もう、裁定は変わりませんでした。
誰の目にも、ケンのマシンが1番なのは
明らかでしたが・・・
ですが、そんな混乱のゴールの中で
ケンが見上げた2階席に、エンツォ・フェラーリが
1人立って居て、ケンを見つめていました。
ケンも、エンツォに気ずいて
目を合わすと、エンツォは帽子を取り
真のウイナー、ケン・マイルズに敬意を表します。
ケンも小さく、エンツォにうなずくと
エンツォは、ル・マンを去って行きます。
ケンは、元々優勝カップなどにも
執着しない変わったレーサーでもあり
今、走ったばかりのマークⅡの
改善点を、シェルビーに話ながら2人は歩きます…
■スパナ
シェルビーと、ケンは更にGT40を
速くする為の改良テストをしています。
コースを走るケンですが、ブレーキが
またも効かずに、コースを外れクラシュ
ケン・マイルズは、テスト中の事故で
1966年8月17日47歳で、帰らぬ人となってしまいます。
半年後
シェルビーアメリカのクルマは
性能の凄さから、売れ続けていました。
ですが、半年経ってもシェルビーの
心は晴れず、部下に叱られる始末です。
シェルビーは、あのスパナを持って
ケンの家の前に、クルマを停めます。
モリ―は、息子ピーターの名前を叫んで呼んでいます。
すると、自転車で帰ってきたピーターが
シェルビーを見つけ、あの時のスパナと言い当てます。
シェルビーは、ピーターにスパナを渡します。
モリ―が、シェルビーとピーターが話しているのを見つけます。
ピーターは、スパナを受け取ると
家に入り、モリ―はシェルビーに
小さく手を上げて挨拶すると
シェルビーも何もクチにせず返し
コブラ(クルマ)を、猛スピードで走らせます。
END
その後、ケネス・ヘンリー・マイルズは
アメリカでのモータースポーツのキャリアから
モータースポーツの殿堂入りを果たしました。
■まとめ
この映画のタイトルは、日本では
フォードvsフェラーリで、アメリカでは
「Ford v Ferrari」です。
この「V」は、勝利とも言われますが…
確かに、このままVで、VSじゃないと
日本人には???よく解らないタイトルです。
確かに映画の1966年までだと、フォードのVです。
ですけども、この後フェラーリは
アメリカのデイトナで1.2.3フニッシュを
やり返していて、今でも伝説のゴールで
デイトナフニッシュと呼ばれます。
だからなのか?EUでは「Le Mans 66」
と言うタイトルでになっています。
この違いを見ると、当時のフォードの
ように、「上司」を感じるますが
良く言えば反感を買わないタイトルにしてる感じです。
なので、内容的にはフォードvsフェラーリより
「キャロルシェルビー&ケン・マイルズ」で
フォードやフェラーリは、特に主役では無い印象です。
もっと略せば「ケン・マイルズ物語」で
ケンが他界し物語は終わって居ます。
レースも略した感じですが、実際にはケンは
1965年に、ブルース・マクラーレンと
ル・マンを走って居ますけどもリタイヤで
1964年の出れないから~1966年に飛んでる
感じに映画ではなっていますし、1964年は
ル・マンのレースすら、ケンが出て無いので
まったく映さずにズバッとカットしています。
フォードの話なら、初のル・マン参戦は必要だと思いますが…ありません。
究極的には、1966年の真の勝者は
誰なのか?と言うような見方も出来て
それが、1つも台詞が無いエンツォが
ケンに帽子を取るシーンに集約されていると思います。
なので、個人的にはケン・マイルズを
描いた映画で、66年の真の勝者は記録が
全てでは無いと言う事で、ケン・マイルズが
シェルビーに投げつけた本気(スパナ)の
気合と工具(開発)こそが、お金だけでは
勝てないと、シェルビーが言いきった大事な部分なんだと思います。
CGではなくアナログに拘ったリアルな
レースシーンも、見応えありますが
本当に人物描写が、全て「その人」に思える
存在感があり、ドラマとしても素晴らしい映画で
こんな結果になっても声を荒げる事も無い
ケンと、レオ(フォード)のどちらが紳士だったのか?
是非、作品を見て確かめてください。
キャスト |
キャロル・シェルビー マット・デイモン |
ケン・マイルズ クリスチャン・ベール |
モリー・マイルズ カトリーナ・バルフ |
リー・アイアコッカ ジョン・バーンサル |
ヘンリー・フォード2世 トレイシー・レッツ |
レオ・ビーブ ジョシュ・ルーカス |
ピーター・マイルズ ノア・ジュープ |
エンツォ・フェラーリ レモ・ジローネ |
フィル・レミントン レイ・マッキノン |