お薦め名画「フォレスト・ガンプ/一期一会 」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
フォレスト・ガンプ/一期一会
です。
この映画は、アメリカでは1994年に
日本では1995年に公開された作品で
なんとか、まだ高額ですけども
CGが使えるようになった時代に公開
された作品だったので、観客がCGの
使用を想像できなく、目もCGに慣れて
居ない時代で
内容のコンセプトとしては、シンプル
な走るアクションがメインなので
とても、映画の歴史の中でも変わった
作品でしたので、その辺りを1995年の
様子も交えて書いてみたいと思います。
■ランランラン
フォレスト・ガンプは
バック・トゥ・ザ・フューチャーの
ロバート・ゼメキス監督の作品ですが
それよりも、主役のトム・ハンクスの
作品で、代表作という作品認識を持って
いるファンが多い作品です。
それは、作品のメインが「走る」と言う
アクションで、本来は短編映画のような
アイディアで、長編映画で商業映画が
メインにするには難しい「軸」だと
いうのは、映画関係者なら誰もが思う事です。
撮影サイドから見ても、もう走るのを
撮る方法の引き出しがありません。と
ギブアップしたくなるほど、走って
走って、走るわけで、トム・ハンクスも
逆に、走る芝居が無くなるからで
そもそも、「人」を描く、演じる場合に
こんなに走ってる人は、そうは居ない訳で
観客に想像させいる事も難しくなります。
ただ少し助けになったのが、最のCG技術が
使えた事でした。
例えばベトナム戦争で、フォレストが
ババを探しに行き、被弾したババを抱えて
全速力で走って来るシーンは、実際には
スタントマンが別のスタントマンを抱えて
走り撮影したロングショットと
トム・ハンクスがマイケルティ・ウィリアムソン
を抱きかかえる、観客が顔が解るサイズの場面は
今なら、全部フルCGで出来ますが・・・
当時は、そこまでのCG技術は無いに近く
膨大な時間と予算が必要なので、諦める方法で
選択には入りません。
そこでロバート・ゼメキスが使用した方法は
マイケルティが重いので、クレーンで吊って
トム・ハンクスに持たせ、後から吊った
ワイヤーだけをCGで消しています。
この手法も、この時代だから使えるように
なったのであって、数年前ならロングの
カットしか無く終わっていた場面です。
中国に行って卓球の試合をするシーンも
今では、この映画から学び多様される手法に
なりますが、ピンポン球はCGで書きこまれ
現場では、ラケットを振っているだけでしたが
当時の観客は、このシーンも度肝を抜かれ
トム・ハンクスの卓球は、世界TOPレベルだと
勘違いした人が居るくらいでした。
それが、このCG使用をメインにした卓球の
作品が、後々日本では何本も作られ
観客もCGと解って楽しむようになります。
ただ、公開当時は殆どの人がCGでは無く
驚いた場面でした。
■トラボルタとトム・ハンクス
フォレスト・ガンプは、原作の小説では
体重が240ポンド(約110キロ)の大柄で
身長も6フィート6インチ(約198センチ)と
トム・ハンクスにからは遠い体形でした。
小説も3万部しか売れて無いので・・・
作品としても、こける可能性すら連想
されますが
最初に、オファーされたのは、サタデー
ナイト・フィーバーのジョン・トラボルタで
したけども、どう読んでも走って、走る
作品ですから、トラボルタはコレを断ります。
実は、トム・ハンクスは他にもグリーンマイル
や、スプラッシュなどの代表作で、大ヒット
作品を引き受け、見事に演じていますが・・・
それら最初のオファーは、ジョン・トラボルタで
其れを断った作品で、ことごとくトム・ハンクス
は演じて、大ヒットさせ
ハリウッドを代表するスターになってしまいます。
しかも、小説は1994年に映画が公開され
トム・ハンクスの演技と走りに感動が集まり
たった3万部しか売れて無かった小説は
160万部を売る大ベストセラーになってしまいます。
原作者のウィンストン・グルームは、巨漢なので
俳優のジョン・グッドマンを希望していたそうですが
今となってはトム・ハンクス以外には、世界中の人が
考えられないキャラクターになってしまいました。
こういう逆転も、なかなかハリウッドでは
無い現象なので、そういう意味でも異色で
異例な作品です。
■中継
通常の映画は、座ったり、立ったり
寝て居たり、話し合いなどの中で
笑ったり、感動しますが・・・
フォレスト・ガンプは、大半が
トム・ハンクスが走って居る中で
多くの人が感動する異色の作品で
アニメのようなアクションなのですが
実写で、トム・ハンクスが演じる事で
これは、もう日本のチャリティ番組や
駅伝を見て感動しているのに近い作品です。
その感動は、世界中の人に伝わり
第67回アカデミー賞
受賞 – 作品賞/監督賞/脚色賞/主演男優賞
編集賞/視覚効果賞
ノミネート – 助演男優賞/撮影賞/作曲賞/美術賞
メイクアップ賞/音響編集賞/録音賞
第52回ゴールデングローブ賞
受賞 – ドラマ部門作品賞/監督賞
ドラマ部門主演男優賞
ノミネート – 脚本賞/助演男優賞/助演女優賞/音楽賞
第48回英国アカデミー賞
受賞 – 視覚効果賞
ノミネート – 作品賞/監督賞/脚色賞
主演男優賞/助演女優賞/撮影賞
第63回ナショナル・ボード・オブ・レビュー
作品賞/主演男優賞/助演男優賞
他、多くの賞を受賞しする特別な映画が出来てしまいました。
トム・ハンクスは、フォレスト・ガンプの
演技で、アカデミー賞主演男優賞に輝き
前年に、フィラデルフィアにて同賞を
受賞していたので、2年連続で主演男優賞を受賞
した、歴代2番目の俳優になりました。
■まとめ「夢の続き」
1995年には、まだ日本人はメジャーリーグで
活躍するなど、夢でしかなく現実味がありませんでした。
この年の2月13日 近鉄の野茂英雄投手が
メジャーリーグへの挑戦を発表しますが
大半の人は、活躍など信じれていません
でしたし、その後に投手や松井やイチローが
活躍したり、ワールド・ベースボール
クラシックで、日本が優勝するなど
まったく予期していません。
その証として、まだ日本人はメジャーリーグ
と言う人は極少で、大リーグと言っていました。
フォレストも、ベトナム戦争で亡くなった
戦友との約束を果たし、2人の名前を足して
ババ・ガンプ・シュリンプと言う名前の
エビ漁から大企業へと成長させますけども
この映画や原作から、もしその後レストランを
オープンすればこうなったかもと言う続きで
「ババ・ガンプ・シュリンプ」という店舗を
実際に開店させアメリカを中心に、各国で
オープンし
日本でも東京の豊洲、文京区の2店舗と
大阪に1店舗、現実に存在しています。
その店舗の内装なども、この映画
フォレスト・ガンプのイメージで
Tシャツ、帽子、ぬいぐるみなどの
グッズも販売されています。
それ程、彼の走りは多くの人の心を
現実に掴んでしまう感動をさせたと言う事を
実感させてくれる映画なので、未見の方や
当時から、見てない方は今見ると
「大リーグ時代」とは、違う日本の視点で
この作品を見る事が出来ると思いますので
是非、見て観てください。
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■作品データ
監督 ロバート・ゼメキス
脚本 エリック・ロス
原作 ウィンストン・グルーム『フォレスト・ガンプ』製作
ウェンディ・フィネルマン
スティーヴ・ティッシュ
スティーヴ・スターキー音楽 アラン・シルヴェストリ
撮影 ドン・バージェス
編集 アーサー・シュミット配給
アメリカ合衆国 パラマウント映画
日本 UIP公開
アメリカ合衆国 1994年7月6日
日本 1995年3月11日上映時間 142分
製作国 アメリカ合衆国
製作費 $55,000,000
興行収入
アメリカ合衆国 $330,252,182
世界677,945,399配給収入 日本 38億7000万円
■キャスト
フォレスト・ガンプ トム・ハンクス
ミセス・ガンプ サリー・フィールド
ジェニー・カラン ロビン・ライト
ダン・テイラー ゲイリー・シニーズ
バッバ・ブルー ミケルティ・ウィリアムソン
フォレストJr. ハーレイ・ジョエル・オスメントフォレスト(子供時代) マイケル・コナー・ハンフリーズ
ジェニー(子供時代) ハンナ・ホールルイーズ マーゴ・ムーラー
医者 ハロルド・G・ハーサム
校長 サム・アンダーソン
ドロシー・ハリス シオバン・ファロン
アール カーク・ウォード
ジェニーの父 ケヴィン・マンガン
ベンチの子連れの女性 デボラ・マクティーア
ドリル軍曹 アフェモ・オミラミベンチの太った男 ビル・ロバーソン
アビー・ホフマン リチャード・ダレッサンドロ
ウェスリー ジェフリー・ブレイク
ブラック・パンサー ケヴィン・デイヴィス
カーラ ティファニー・セラーノ
レノア マーラ・スカレッツァ
バッバの母 マリーナ・スモールズ
タクシー運転手 マイケル・マティソン
いじめっ子 マーカス・バトン
エルヴィス・プレスリー ピーター・ドブソン