お薦め名画「グレース・オブ・モナコ公妃の切り札」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
です。
モナコと、言うとモータースポーツの
ファンには御馴染の国ですし
グレース・ケリーが公妃だった事や
ハリウッドの女優のスターだった事を
知らなくても、ケリーバックなどで
女性にも知られている公妃の話です。
あまり大きな公開では無かったので
まだ見ていない方も、いるかもしれませんが
単にドキュメント映画として、楽しんだ
方には、是非この映画のモナコの反応
などもしって頂きたいので、その辺りや
2014年の様子も交えて書いて見たいと思います。
■ハリウッド女優からモナコ公国の公妃へ
グレース・ケリーは、27歳でハリウッドの
大スターの座から、モナコ公国のプリンセスに
なってしまった、映画以上にドラマティックな
その選択に、当時のマスコミは大きく取り扱い
世界中でニュースになりました。
当時、オードリー・ヘップバーンと人気を
二分する程の人気と実力で、マリリンモンロー
とも品や仕草などが、対比的に取り上げられる
品のある女優としても知られ
この作品にも登場するアルフレッド・ヒッチコック
監督の代表作であり、地位を確立した
ダイヤルMを廻せ!、裏窓、泥棒成金で、主演の
ヒロインを演じて、世界中で知られます。
ゴールデングローブ賞 助演女優賞受賞
アカデミー助演女優賞ノミネート
アカデミー主演女優賞受賞
ゴールデングローブ賞 主演女優賞 受賞
など、まだまだハリウッドでの活躍が期待されて
いた女優だったので、映画ファンは祝福と共に
公妃になってからも、映画に出てくれるのか?
が、心配の種でした。
グレース・ケリーが、モナコの公妃になるのは
カンヌ国際映画祭で、モナコの隣にあるシティ
がカンヌなので、今でもカンヌ国際映画祭の直ぐ
後に、F1モナコGPが開催されるように、場所も
時期も少しズラした関係にありますが…
違いは、モナコは「国」で、市では無いと言う事です。
カンヌ国際映画祭で知り合ったモナコ大公
レーニエ3世と、結婚する事になり
モナコ大聖堂の挙式の模様は、ヨーロッパ諸国など
多くの国で生中継され、その美しさに多くの
人々が息を飲みました。
その後、モナコに訪れる大ピンチを、まだ知らずに…
■伝記ドラマ?
ヒッチコックが、ハリウッド映画復帰の話を
持って、モナコを訪れ台本を渡した日に
モナコは、過去最大の危機に直面します。
フランスの大統領ド・ゴールが、過酷な課税を
モナコに強要、従わなければモナコを
フランス領にするという声明を出します。
軍隊も無く、電力さえ、フランスから供給
されていたりする小さな国には、抵抗する術はありませんでした。
そこに、漏れてしまう公妃の映画の件など
スパイが居る事を悟った、グレース・ケリーが
戦車1台も無い小さな国が、大国のフランス軍に
囲まれてしまう中、グレース・ケリーがモナコを
守ると言うストーリーが、この映画で
映画としては、とくても良く出来ていて
面白いストーリーになっています。
ですが、この映画は・・・あまり評価されませんでした。
ケリー役のニコール・キッドマンも、ビジュアルは
どうかな?と思いましたが、芝居に入ると流石で
グレース・ケリーにしか見えない、素晴らしい演技でした。
この映画が評価されなかった理由は、現実だったからです。
■グレース・ケリーと言う公妃
グレース・ケリーが主役の映画としては、よく
出来ていたので、感動したとか言う方も多いと思います。
こんな事があったんだと、学んだ方も居ると思います。
そこが、この映画の問題点でした。
グレース・ケリーとレーニエ3世の実子の
アルベール2世、カロリーヌ公女、ステファニー公女は
両親を知って居ます。
モナコ公国としては、レーニエ3世の描き方が
耐えられるものでは無く、妻を束縛する夫のように
描かれ、脇役になってしまっている事です。
映画としては、公妃の話なのですから
グレース・ケリーが主役で、公王のレーニエ3世
が、脇役になってしまいますが・・・
そこが脇すぎるのと、グレース・ケリーを
立たせる為に、ダメな国王のように見えて
しまっていて、グレース・ケリー1人で
境地を乗り越えたような映画になってしまっています。
この事から、本来は第67回カンヌ国際映画祭の
オープニング上映で、モナコ公国の皇族が
出席する予定でしたけども、これを拒否してしまいます。
2013年1月には、必要以上に美化され、史実に
対して不正確とし伝記映画ではなく、完全な
フィクションであると、映画製作側がコメントを出し
映画としては、フィクション映画として
公開されています。
ただ…それを知って劇場で見た人は日本では
少ないと思います。
その為に、評価は平均して10点満点中3.26点
にとどまり、フランスの14のメディアによる
評価平均は5点満点中2.5点でした。
■まとめ
日本では、公開直前に第2次安倍改造内閣が発足し
御嶽山噴火して50人以上が死亡する犠牲者が
出てしまうニュースが連日報道されました。
この映画は、映画としては、面白く
よく出来ていると思います。
ただ、やはりコレを全て真実だと思わずに
関心にある方は、調べて欲しいと思う作品です。
ヒッチコックも、とても良い人過ぎる印象ですが
実際には、もっとビジネスはビジネスとする
監督であり、この作品程は大きく丸くはありません。
逆に、体形は…もっと丸いです。
また、グレース・ケリーは、ちても親日家で
モナコには、今も彼女が作った日本庭園があり
F1GPのコース変更が、何度か話に上がっても
この日本庭園を壊す事になるので行われていません。
この作品でもポルシェ935で走る公妃の姿が
何度か登場しますが、グレース・ケリーは
この映画の後、描かれていませんが…
ローバー3500を運転して南仏のロックアジェルの
別荘からモナコに帰る道で脳梗塞を発症してしまい
40メートルの崖を転落し、自動車は大破して亡くなってしまいます。
52歳でした。
未見の方は、100%ドキュメントでは無いと
認識して、是非見て観てください。
今ならプレミアム会員は無料でも視聴できますので
未見の方は是非御自身の目で、内容をチェックしてみてください。
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![]() [Blu-ray] 時間 1時間 43 分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 オリヴィエ・ダアン
脚本 アラッシュ・アメル
製作
ピエランジュ・ル・ポギャム(フランス語版)
ウダイ・チョプラ
アラッシュ・アメル製作総指揮
クローディア・ブルーエンヒューバー
ウダイ・チョプラ
ユータ・フレデバイル
ビル・ジョンソン
ジョナサン・ライマン
ジム・サイベル音楽 クリストファー・ガニング
撮影 エリック・ゴーティエ
編集 オリヴィエ・ガジャン製作会社
Stone Angels
YRF Entertainment配給
フランス ゴーモン
日本 ギャガ
アメリカ合衆国 ワインスタイン・カンパニー公開
フランス 2014年5月14日
日本 2014年10月18日
アメリカ合衆国 2015年5月25日(ライフタイムで放送)上映時間 103分
製作国
フランス
アメリカ合衆国
ベルギー
イタリア言語 英語、フランス語
製作費 €25,217,522
興行収入 世界 $27,515,247
配給収入 日本 6億7000万円
■キャスト
グレース・ケリー: ニコール・キッドマン
レーニエ3世: ティム・ロス
フランシス・タッカー神父: フランク・ランジェラ
マッジ・ティヴィ=フォコン: パーカー・ポージー
ルパート・アレン: マイロ・ヴィンティミリア
フェルナンド・デリエール伯爵: デレク・ジャコビ
マリア・カラス: パス・ベガ
アントワネット公女 ジェラルディン・ソマーヴィル
アリストテレス・オナシス: ロバート・リンゼイジャン=シャルル・レイ: ニコラス・ファレル
アルフレッド・ヒッチコック: ロジャー・アシュトン=グリフィス
バチョッキ伯爵夫人: ジャンヌ・バリバールドラヴェンヌ氏 イヴ・ジャック
エミール・ペレティエ オリヴィエ・ラブルダン
シャルル・ド・ゴール: アンドレ・ペンヴルン
ロバート・マクナマラ: フィリップ・ダレンシー