お薦め名画「ハスラー2」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
ハスラー2
です。
1986年10月にアメリカ、12月に日本で公開
された映画で、33~34年前です。
今だと、ハスラーはスズキの軽自動車の
事だと思われそうですけども、車の名前ではありません(^^:
この1986年12月~から起きる大ブームの
火付け役で、バブルを盛り上げた
映画ですので、当時の様子も交えて書いて見ます。
■25年越しの続編
ハスラー2は、「2」ですから「1」は?と
当時、多くの人が疑問に思いました。
少し年配の映画ファンとか、ポールニューマンの
ファン以外は、直ぐには解らない「2」で
「1」のハスラー( The Hustler)は
1961年の映画なので、25年も前ですから
40歳以上で無いと知らないくらいの
長い間が空いて居ました。
繋がりは、1作目では若手だった
ポールニューマン演じるエディ・フェルソンが
今度は初老のベテランになって、若手の
トム・クルーズ演じるヴィンセントを
育てる内容なので「2」になっています。
一応、ポールニューマン演じるエディは
同一人物のようですが、今作では
ファースト・エディと言う名前なのか?
ニックネームなのか解らないような
役名として登場しています。
その為、やや強引ですが続編では無いと
言う見方も出来る関係の作品です。
その要因の1つとしては、日本では
タイトルが「ハスラー2」ですけども
アメリカや海外では
1作目・The Hustler
2作目・The Color of Money
と言うタイトルで、2作目のタイトルには
ハスラー(Hustler)の文字はありません。
■お金の色
2作目のタイトル「The Color of Money」を
直訳すると「お金の色」と言う意味になります。
変なタイトルの映画で、日本人には
まったく意味不明で、内容もピンと来ない
タイトルですよね(^^:
コレは、アメリカでは*ビリヤードの台に
グリーン系の布が貼られていたのと
米ドル紙幣の印刷のインクがグリーン系
だった事から、ビリヤードで行う
ギャンブルの事を言う言葉になっています。
*ビリヤードと言うのも、この映画の前は
玉突きとか言っている人が多かったくらいで(^^:
日本人は、ボールをポケットへ落としていく
競技自体や、台とか道具なども諸々を
ビリヤードと言ってしまいますけども
ボールをポケットへ落としていく競技は
ポケット・ビリヤードと言います。
ギャンブルと関係無い場合は、キュー・スポーツ
や、ビリヤードスポーツと言うような傾向があります。
競馬や、乗馬、を「馬」と略してしまう
ような、やや強引な解釈です・・・
そもそも、日本にはビリヤードのギャンブルが
認められてない=無い事から、一つのワードで
済ませてしまっている感じです。
また、年代的にも「ハスラー」は、不法な
ギャンブルと言う意味合いが強く、詐欺的な
ワードになっていたり・・・
それくらいなら、ハスラー2でも良かったの
かもしれませんが・・・
麻薬の売人や、売春などの元締めで
「資金集めを行う者」の略としても
使われるように変化していて為に
1986年には、「ハスラー2」と言うタイトルは
アメリカでは採用されていません。
■ダブルヒットとダブルブーム
1986年には、トム・クルーズは…まだ
アウトサイダーの若いイケメンの俳優と
言う感じで、映画雑誌などで若い女性に
少し人気があるくらいでした。
本作も公開前は、ポール・ニューマンで
集客するセールス部分が大半でした。
ですが、トム・クルーズは1986年の12月に
一期に日本人や、世界中で知られる
超スーパースターになります。
同じ12月公開の映画
「トップ・ガン」と
「ハスラー2」が、隣の劇場や
向かえの劇場で、公開され
映画館の看板に、トム・クルーズの顔が
描かれている、不思議な光景がありました。
どちらかの映画を見て出て来た
観客が、別のタイトルの映画の看板に
今、見た映画の主役の顔を見つけ
あれ?トム・クルーズだ!となる体験をします。
そして、トップ・ガンの大ヒットで
日本中に、MA-1のジャケットが大流行し
MA-1タイプも含め、今でも続くミリタリー
ファッションが、一般的になるブームの中
原宿から、渋谷に*プールバーと呼ばれる
店舗が続々とオープンします。
*プールバー・プール=ビリヤード台の事で
ブリヤードの出来るバーと言う事。
勢いは、バーだけにとどまらずに
ビリヤード台は、様々な店舗や
ゲームセンター、ホテル、旅館
カラオケ店などに、続々と進出して
タピオカ店のように、日本中に広まる
大ブームになります。
それまで、玉突きなどと言ってた人から
キューなど持った事も無かった若者が
毎日のように、ビリヤードをするブームが
同時にダブルで起きた為に
MA-1を着てビリヤードする若者も
大勢いました。
もちろん、年明け~春にトム・クルーズの
名前を知らない人は居ないくらいで
ソフト化されたハスラー2は・・・
トム・クルーズのハスラー2と言われる
くらいの大スターになっています。
■まとめ
「トップ・ガン」と「ハスラー2」を
今、見直すと・・・
ハスラー2の、トム・クルーズの方が
子供で、やぼったく見えます。
演出的にも、何故か?キューをカンフー
の棒術のように振り回し・・・
アクションを着けていますが・・・
今見ると、ハッキリ言えばダサいです(^^:
でも、何故か?当時はカッコよく
見えたのが不思議ですけども・・・
まだ日本はJRが国鉄だった頃で
翌年の1987年に民営化されJRになるので
トム・クルーズが、スターになったのと
国鉄>JR化は、当時の世代には
1セットな歴史になっています。
そんな時代で、少し噴き出して
しまうかもしれない、若いトム・クルーズと
渋い、ポール・ニューマン の大ヒット作を
未見の方や、懐かしい方も、是非もう1度
見てみて欲しい作品です。
![]() ASIN : B008VB0GAE 時間 1 時間 59 分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 マーティン・スコセッシ
脚本 リチャード・プライス
製作 バーバラ・デ・フィーナ
アーヴィング・アクセルラッド音楽 ロビー・ロバートソン
撮影 ミヒャエル・バルハウス
編集 セルマ・スクーンメイカー配給
アメリカ合衆国 タッチストーン・ピクチャーズ
日本 東宝公開
アメリカ合衆国 1986年10月17日
日本 1986年12月13日上映時間 119分
製作国 アメリカ合衆国
製作費 $10,000,000
興行収入 $52,293,982
■キャスト
ファースト・エディ ポール・ニューマン
ヴィンセント トム・クルーズカルメン メアリー・エリザベス・マストラントニオ
ジャネル ヘレン・シェイヴァー
ジュリアン ジョン・タトゥーロ
路上プレイヤー イギー・ポップ
アモス フォレスト・ウィテカー