イマジナリ―ライン

2021年7月13日

映画銀幕パークジョージ・松田です。

映画や映像を少しプロぽく見られて
しまう、映画の見方を紹介してみます。

今回は、イマジナリ―ラインです。

聴いた事ある方もいるかもしれませんが?

日本語だと、想定線(そうていせん)
と、言う場合もありますけども…

あまり、もう想定線とは言わないと
思います(^^:

どういう「ライン」なのか?

まずは、例ので解説してみます。

例の1・男女の会話シーン

例えば男女の会話のシーンなど
2人の会話のシーンは、誰でも見た事があると思います。

右に女性が居て、左に男性が居て
話し合っている2ショットで、シーンが始まります。

次に、女性のアップのカットに移行します。

▶ 

あれ?向きが…おかしいですよね。

通常は下のような同方向のを
みなさんは見て居るので
女性が上手(右)を向いてしまうと
違和感を感じます。下手(左)は自然に感じます。

▶ 

これは、撮影上イマジナリ―ライン
厳守して撮影されている映像を
見慣れているからなんです。

つまり、カメラは上のラインの下側
(手前)から、イマジナリ―ライン
超えて、反対には行かないと言う
撮影的なルールを守る事で
位置関係が、目からの情報で整理できるからです。

では、このラインの向こうにカメラを
持っていきたい場合は、どうするか?
と言うと
反対になる間に、ライン上のカット
入れると、イマジナリ―ラインを跨ぐ事が出来ます。

▶ ▶ 

女性の正面を入れると、直で反対向き
に行くよりも繋がりに違和感が無いはずです。

コレは、ヒーローと敵が向か会って
戦うとか、西部劇の一騎打ちや
カンフー映画などの、いろいろなシーンで使われています。

また、俳優の動きが加わったり
3人4人になった場合も、どうのような
ラインで撮影していて、俳優さんに
どう動きを演出しているかが解ると
その演出家の意図や、キャラの心情も
厚みを持って見る事が出来ます。

例えば
君の瞳に乾杯の台詞で有名な
「カサブランカ」のラストシーンも
2人の男女ポール・ヘンリード
イングリッド・バーグマンの2ショット
に、ハンフリー・ボガートが加わり
イングリッド・バーグマン
そっと動き2対1の位置関係を右から左に動き変えます。

この複雑な戦争背景と、心情の変化を
シンプルなイマジナリ―ライン
描いている名作の名シーンです。

最初は普通にみて、2回目以後~
見る映像などで意識して見ると
この、見えないはずの
イマジナリ―ラインが見えてきます。

カサブランカ [Blu-ray]
JAN: 4988135807113
時間 102 分
詳しく見る。
1946年6月20日・日本公開
監督 マイケル・カーティス
出演 ハンフリー・ボガート
      イングリッド・バーグマン
       ポール・ヘンリード
音楽 マックス・スタイナー

例2・追跡シーン・カーチェイス

アクションや、刑事モノなどでは
カーチェイスのシーンがあったりして
楽しみに見る方も多いと思いますが
これもイマジナリ―ラインの原則を
守って撮影されています。

例えば犯人のクルマを追う
警察のクルマのカットの次が…

 ▶

だったら、どうでしょうか?
逆走?の違和感でしか無いですよね(^^:

これもイマジナリ―ラインが存在しています。

ですが、これも複雑な道・地形や
長いカーチェイスの場合は、ずっと
同じ方向に走ると単調になってしまい
迫力も少なくなってしまい

観客の飽きられてしまいますので
向きを変える事も大事なテクニックです。

クルマや馬など乗り物などの場合も
同じで、人物の正面と同じくライン上のカットを入れます。

長いカーチェイスや、スポーツ競技
などは積極的に
このイマジナリ―ラインを超える技を
入れて行きます。

例えば
007シリーズでも人気の高い
ロシアより愛をこめてでは
ボンドカー・アストンマーチン
カーチェイスは、様々なアイテムを
駆使する事を解るように撮影(見せて)
そのスピードを維持した名シーンで、カーチェイスの御手本です。

007ロシアより愛をこめて
JAN 4988142719720
Blu-ray
時間 115 分
詳しく見る。
1964年4月25日・日本公開
監督 テレンス・ヤング
脚本 リチャード・メイボーム
出演 ショーン・コネリー
   ダニエラ・ビアンキ
音楽 ジョン・バリー
撮影 テッド・ムーア

例3・リアルじゃ無いリアルな方向。

イマジナリ―ラインは、向かい合う
場合や、複数車輌などの位置関係に対して、使われますが

もう1つ方向性のみに使う場合があります。

例えば
東京から大阪に出張に行くと言う
シーンで、以下のAもBも違和感があると思います。

A 

B 

ですが、コレはリアルな場合は
Aは北側から南方向を撮れば西に向かう新幹線ですし

Bも、進行方向に逆を向いて行く人も
居ますので、リアルな世界の描写としては
でも間違いでもありません。

C 

ですが、観客がシックリくるのは
Cのパターンだと思います。

列車を使ったカーチェイス的なモノは複雑ですが

例えば、銀河鉄道999のラストでは
999は上手(右)に向い、鉄郎
上手に走り、メーテルは下手(左)を向くシンプルな構成で

最後は、鉄郎の股の間から
イマジナリ―ラインを、まっすぐ
999は、空>宇宙に向かって走り去る
名シーンですが、ここも複雑な男女の
想いの別れのシーンなので
イマジナリ―ラインはシンプルで

切替しではなく、イマジナリ―ライン
上のカットを使う、りんたろう監督の演出
カメワークに引き込まれ、本当は999
の速度と、鉄郎の走る速度は嘘が
あるのですが、それは初見では
気ずけない名シーンになっています。


銀河鉄道999 [Blu-ray]
JAN 4988101143856
時間 128 分
詳しく見る。
1979年8月4日
原作 松本零士
監督 りんたろう
脚本 石森史郎
主題歌 ゴダイゴ
 野沢雅子
池田昌子

まとめ

映像は3Dとかネーミング的には
ありますが、まだまだ映画の主流も
平面の映像なのですけども

意外に、立体的に位置関係を理解して
貰う為にはイマジナリ―ラインという
平面的な想定ラインで空間を撮影した
平面的な理解して貰う工夫をしています。

またマンガなどでも
このイマジナリ―ラインを無視した
カット割りだと、違和感を感じる場合もあります。

難しく考えて楽しめなくなるのは
よく無いですが好きな映画のシーンなど
平面的な技なのですが、作品は
より立体的に解釈できるようになったり
しますので、少し意識して見てみてください。

更に、いろいろ詳しく知りたい方にはお薦めの本です。

Filmmaker’s Eye
映画のシーンに学ぶ構図と撮影術:原則とその破り方

ISBN-10: 4862462138
詳しく見る。