お薦め名画「インディージョーンズ 魔宮の伝説」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
「インディージョーンズ 魔宮の伝説」です。
御存知のインディージョーンズ
スリ―ズの第2弾で、前作
レイダースの1年前の設定の作品です。
■確信の日米の差
インディージョーンズ 魔宮の伝説は
1984年の日米の公開時期は、まだ半年程
公開時期に差がある作品が多い中で
もう、E.T以後のスティーヴン・スピルバーグ監督
スターウォーズⅣ、Ⅴ、Ⅵ公開後の
ジョージ・ルーカスが、製作総指揮と言う
ハリウッドの若手2人の大ヒットメーカーの
作品が、当たらないなんて思う配給会社は
地球上に存在しませんでした。
その為、アメリカ公開前から
この作品のプロモートは、大きく展開され
アメリカの公開が1984年5月23日で
日本が1984年7月7日と言う
約1ヵ月強の超短縮された公開「差」で
上映される事になります。
その極少の差から、アメリカメディアの
宣材番組が放送されたり、日本向けの
監督やメインキャストのコメント
インタビューが、現在のハリウッド映画の
ようにファンに届くようになり
劇場前売り券も売れに売れます。
■カウントダウンとオールナイト
近年も「応援上映」などと言う
特別上映で、観客が声を出したり
コスプレで観賞する上映方法が
数少ない作品ですが、日本でも行われて居ますが
80年代前半の特別上映には
今は、略無くなって居ますが
先行オールナイト上映と言う方式がありました。
コレは、宇宙戦艦ヤマト(映画)や
銀河鉄道999(映画)、機動戦士ガンダム(映画)
で、待ちきれないファンの為に定着した公開方式で
公開1週間前に、オールナイトで公開されました。
この当時の日本では、まだ東京ディズニーランド
が、オープンして1年なので、2時間待ちの列
などには慣れてない時代でしたが
先行オールナイト上映は、現在上映中の
映画の後から上映される事が多いのですが
それでも、夕方16時くらいから21時くらいまで
並んでしまう熱心な映画ファンが多く居ました。
また、前売りの売れ行きからも、先行上映に
するタイトルが選ばれるわけですが…
その中でも
インディージョーンズ 魔宮の伝説の
前評判は、最高潮で先行オールナイトの
列が長蛇になりすぎて、警察が整理に
出る始末から、上映時間が繰り上がって
上映される程、公開前に大ヒットが視覚化された作品でした。
また、アメリカでも公開初日の列は
もの凄く、その加熱ぶりはニュースでも
流され、アメリカの映画鑑賞の方式を
多分、日本人の多くの映画ファンが
初めて知った映像だったと思います。
その1つが、カウントダウンの声で
映画が始り、ファーストカットに声援や拍手がわく様子でした。
それを真似した日本のファンも
先行オールナイトには、多数居ましたが
日本の場合は、カウントダインの
3.2.1、ゼロの後に、映画館周辺の
焼き肉屋のCMなどが流れるような時代だったので、ゼロの後に…
みんなでコケると言うコントのような
カウントダウンでしたけども
ハリソン・フォードのファーストカットや
飛行機の中で、あのスタイルに着替えて
登場するハリソン・フォードに
大きな声援や、拍手が飛ぶ・・・
ややアメリカ式の上映が、自主的に行われた時代でした。
■アナログ時代と七人の侍
当然、まだCGが使われて無い時代なのですが
ILMは意外にも、マットペインティングと
言う、アナログの中のアナログの手法を
この作品でも多様しています。
マットペインティングと言うのは
ガラスなどに書いた「絵」の事で
絵が書かれて無いガラスの部分で
俳優が演技すると言う、生の合成です。
広いサイズなどは、かなりが「絵」で
表現されています。
特に、インディ達が飛行機から落ちて
村に着く遠景のカットの村は
七人の侍の村の遠景をイメージして
マットペインティングで、書かれています。
また、クライマックスのトロッコも
ミニチュアで、下り坂やワイヤーで
引っ張るなどの、アナログな手法で撮影されています。
迷路のような地底の岩肌も、裏に
回ると、アルミホイルをシワシワに
したり、紙で作られていましたが
当時、映画史上最大規模の特撮セットして紹介された程です。
トロッコからの車載カメラは
日本のニコンの一眼レフを*数分だけ
撮れる改造をして使用しているので
ミニチュアとは思えないカットが
編集で入れこまれています。*24枚(コマ)が1秒
今なら、CGで造られてしまう部分ですが
水のタンクなどなど、アナログならでは
「特撮」は、逆に今見ると新鮮で凄さも感じます。
■ジェトコースタームービー
インディ・ジョーンズ魔宮の伝説は
ジェトコースタームービーと言う
ワードも、定着させるキッカケになった作品です。
トロッコのシーンも、勿論…そのまま
ジェトコースターなのですが(^^:
そういう意味では無くて、息もつかせない
連続したテンポの後に、スローダウンした
展開があり、その後に、またアップテンポの
展開になるストーリーの映画の事で
まさに、インディ・ジョーンズ魔宮の伝説は
ジェトコースタームービーで
ファーストカットから、飛行機脱出~
ゴムボートで、一息つくまでは
映画史上でも、最も長い手に汗握る
アップテンポの導入を持つ映画だと思います。
■PG指定
インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説は
略・同時期に公開になったグレムリンと
共に、「PG-13制定」と言う枠が出来た
最初の作品で、やや子供が怖いと思われる部分が
存在する事は確かで、当時の時代的に仕方のない分部かもしれません。
日本では、7月からなので
このインディ・ジョーンズ/魔宮の伝説が
初めての作品になっています。
個人的には、PG-13までじゃなくても
PG-10くらいでも、いいような気もしますが
今から、当時の「感覚」を検証するのは難しいかもしれません。
■まとめ
細かく見ると、銃が年式と合致していないとか
ワニが、アメリカのアリゲーター種だとか
突っ込む方も居ますけども
手放しで見れる娯楽超大作なのは
間違いありません。
冒頭の白いクラシックカー
デューセンバーグなども、贅沢な使い方で
細部の見どころも、超大作ならではの
要素が沢山ありますが
カメラマン的には、ラストのつり橋の
シーンは、合計8台ものカメラを使い
撮影出来る凄さと、たった1回のチャンスで
あのシーンを撮っている事自体が映画のようです。
私も、つり橋の上の撮影は経験が
ありますが、高さも勿論ですが
自分の揺れ以外の揺れが生じる怖さは
2度と体験したくない撮影場所の1つで
ヘリなどの空撮とは、異なる
難しさと、人間として根本的な
高さに対する恐怖が生じる場所なので
本当に、俳優もカメラマンも
スタントも大変だったと思います。
ですが、そんなシーンにOKが出た
時の現場の爽快感と言うのは
映画人にとっては、何にも代えがたい
モノなので、それらの現場の雰囲気は
かならず映画の見えない裏側に焼き付いていて
それは、見て頂いた観客に
スクリーンを通して必ず伝わります。
それが、あっての
インディ・ジョーンズの大ヒットなので
未見の方は勿論、長く観直して
無い方も、是非もう1度見てみてください。
![]() JAN: 4988102429300 時間: 118 分 詳しく見る。 |
■作品データ
脚本
ウィラード・ハイク
グロリア・カッツ原案 ジョージ・ルーカス
製作 ロバート・ワッツ
製作総指揮 ジョージ・ルーカス、フランク・マーシャル音楽 ジョン・ウィリアムズ
撮影 ダグラス・スローカム
編集 マイケル・カーン
製作会社 ルーカスフィルム
配給
アメリカ合衆国 パラマウント映画
日本 CIC公開
アメリカ合衆国 1984年5月23日
日本 1984年7月7日上映時間118分
製作国 アメリカ合衆国製作費 $28,000,000
興行収入
世界 $333,107,271
アメリカ合衆国カナダ $179,870,271
日本 58.2億円
配給収入日本 32億円■キャスト
インディ ハリソン・フォード
ウィリー ケイト・キャプショー
ショート キー・ホイ・クァンモラ・ラム アムリッシュ・プリ
チャター・ラル ロシャン・セス
ブランバート フィリップ・ストーン
ラオ・チェ ロイ・チャオ
ウー・ハン デヴィッド・ヴィップ
カオ・カン リック・ヤング
ウェバー ダン・エイクロイド
シャマン D・R・ナーナヤッカーラ
族長 ダーマダサ・クルップ
ザリム・シン ラジ・シン
チーフ・ガード パット・ローチ
独房の少年 ジア・ゲラニ
アルジャン・パンドハー
商人 フランク・オレガリオ