お薦め名画「ジュラシック・パーク 」

2021年10月1日

映画銀幕パークジョージ松田です。

今回の御薦め名画は

ジュラシック・パーク

です。

ジュラシック・パークは、良い意味で
世界中が、スピルバーグに騙された映画

スピルバーグは、何年も製作総指揮に廻り
作品も娯楽作品よりも、アカデミー賞
意識したような作品ばかりで、批判されたり
人気としても落ちていた時期でしたが

一発で、それらを吹き飛ばしてしまった
娯楽超大作で、事実上CGをメインにした
実写大作映画としての大きな1歩を踏み出し

映画の歴史は、ジュラシック・パーク以前
と以後に分けられるとも言える程

その後の映画映像には「CG」が欠かせない
技術として、多くの可能性や予算を左右する
アイテムになりました。

その1993年の頃を交えて書いてみたいと思います。

■コンピュータグラフィックス時代の幕開け!

今でこそ「CG」(シージー)言えば
解説いらずで、普通に使用される略語ですが

まだ、当時はコンピュータグラフィックス
言っていて、CGと言った場合も
コンピュータグラフィックスの略ですと
説明を言葉や文字で付けないといけない時代でした。

それも、そのはずでジュラシック・パーク公開
の1月前に、マイクロソフトWindows 3.1
日本語版を発売しています。

ですが、Windows95以前に、そんなOS
関心を持つ日本人などは、ほんの一握りで
まだ、家庭にパソコン(略マックの事)を
家庭に持っている人は、私を含めて変わり者
なくらいでした(^^:

価格も、30万円くらいは出さないとPC
買う事は出来ず、ハードディスクがまだ
40MB(1GBない)ようなPCが、30万円ですから
当時、スキャナーとプリンターを合わせて
買って、55万円程支払った記憶があります。

そんな時代なので、CGは映画ではタイトル文字
などには使用されるようになっていましたが
それは、CGの使い方としてはCGアニメに近く

恐竜のような実写としての意味を持つ
CGではありませんでした。

スピルバーグも、ジュラシック・パーク
ゴー・モーション(モデルアニメの1種)で
製作する予定でしたが・・・

ILMのメンバーが極秘で開発していた
フルCGのT-REXを、スピルバーグに見せた事で
その歴史の扉は開きます。

他の重要なシーンの予算も、CGに廻し
ジュラシック・パークの最大の売りは
CGによる恐竜と言う事にスイッチします。

ILMも、スピルバーグだから見せたのでしょうし
そこからの即決の判断や、予算の投入は
スピルバーグのセンスの凄さで
この瞬間に起きた事で、CGや映画歴史は
5~10年は違ったのでは無いかと言われる程の出来事でした。

■アニマトロニクス

同時に、スピルバーグCGの欠点も見抜きます。

俳優には撮影現場で、CGの生物や物体が見えない
上に触る事が出来ない事です。

そこで、スピルバーグは同時に原寸大T-REX
アニマトロニクス(ロボット)を制作します。

油圧駆動システムで動く、高さ6m・重量6トン
T-REXは、完成度は凄かったのですが・・・

同時に重さも凄く、動かすとその反動で
スタジオの*ステージを破壊してしまうため
1.8mのコンクリート床が在る、水中撮影用の
ステージにボルトで固定される事になります。
*スタジオ内に作る木製の床の事。

その他の恐竜が絡むシーン用にも、幾つかの
部分的なアニマトロニクスが製作され
俳優との触れ合いのシーンが撮影され
CGの触れられない部分をカバーしています。

その事で、観客が大きく騙された1つは
全ての恐竜CGなんだと言う錯覚です。

実際には、かなりアナログな着ぐるみや
頭部だけだったり、御得意の「影」を使い
鼻息などで生命観を出す事で、観客はCG
恐竜に追いつめられていきます。

ですが、その半分以上は…実は昔からの
特撮的なトリックで、CGではありません。

まだまだCG予算と時間を喰う時代なので
その「手間」の方が安く出来る時代でした。

■スピルバーグ映画史上最大のヒット作

マイケル・クライトン原作の作品は
そのDNAから恐竜を再生させると言う
考えられなかった世界を現実に出来るかも?

と、言う嘘では無いSFの可能性に切り込んだ
アイディアと、CG技術が見事に結びつき
スティーヴン・スピルバーグの強力な
アイディアと演出と、営業に全世界が巻き込まれ

全世界興行収入は9億1469万ドルで、E.T.1982年の
記録を抜いて、当時の世界歴代興行収入1位を記録
してしまいます!

ジョン・ウィリアムズの壮大な音楽や
関連グッズなども、飛ぶように売れ
各メーカーがキャンペーンに使い

スピルバーグを批判していた者のクチを塞ぎます!

日本でも128億5000万円もの大大ヒット
世界歴代興行収入1位なので、当たり前ですが
映画館前に出来た列や、パンフレットの売れ行きなど
その光景は、誰も見た事ない、初めての光景

連日映画館の前には、ジュラシック・パーク
音楽が流れ、恐竜の広告看板やオブジェなどが
増えて行き、テレビコマーシャルの回数も増える
一方で、ジュラシック・パークのテーマを聴かない
日が無いくらいに

1993年の夏ジュラシック・パーク1色に染まります!

映画ファンは、スピルバーグにお帰りとの
メッセージを贈り、以後スピルバーグ
大衆が喜ぶ娯楽作品らも多く製作監督
その人気を不動のものにしていきます。

■まとめ

このジュラシック・パークで、最初に公開
されたCG場面は、草食首長竜の映像でした。

そのリアルな風景の中で動く恐竜
世界中の人は目を疑い、CGの技術に驚きました。

とにかく生きてるような恐竜の姿がいろいろ
見れると、思ってチケットを買い、足を運びますが

大きく裏切られます。

スピルバーグは、激突や、あのジョーズの監督です。

まさかの、恐竜達が人間に牙を向けて来る場面に
息を飲み、緊張し、迫りくる大迫力の映像に
鳴き声や足音まで、恐竜を体験させられう事になります。

ホンワカな恐竜ランドとは異なり、ジョーズ以上の
迫りくるにされる恐怖を体験する事になります。

ですが、勿論見た人は予想外の展開でも
想像もしえない光景と体験に、CGを堪能する事が
初めてできた作品でした。

公開前6月26日にはセガ・エンタープライゼス
幼児向けキッズコンピュータ「ピコ」を発売

パソコンやCGが、どんどん身近になって
いく未来が創られていくことになります。

そんなCGの最初期の作品なので、今見れば
もっと、こう出来たと思える場面もありますが
アナログとの組み合わせによる効果は、逆に新鮮で
CG技術者にも、勉強になる要素もあると思いますので

CGの扉を開いたジュラシック・パーク
未見の方は勿論、再度アナログの場所などを
見極めて見るのも面白いと思います。

ジュラシック・パーク
[Blu-ray]
JAN 4988102074395
時間 127 分
詳しく見る。

■作品データ

監督 スティーヴン・スピルバーグ

脚本
マイケル・クライトン
デヴィッド・コープ

製作
キャスリーン・ケネディ
ジェラルド・R・モーレン

音楽 ジョン・ウィリアムズ
撮影 ディーン・カンディ

編集
マイケル・カーン
スタン・ウィンストン
デニス・ミューレン
フィル・ティペット
マイケル・ランティエリ

製作会社アンブリン・エンターテインメント

配給
アメリカ合衆国 ユニバーサル
日本 ユニバーサル/UIP

公開
アメリカ合衆国 1993年6月11日
日本 1993年7月17日

アメリカ合衆国 2013年4月5日(3D版)

上映時間 127分

製作国 アメリカ合衆国

製作費 $63,000,000

興行収入
世界 $1,029,153,882
アメリカ合衆国 $402,453,882
日本 128億5000万円

配給収入 日本 83億円

■キャスト

アラン・グラント博士 サム・ニール
エリー・サトラー博士 ローラ・ダーン

ジョン・ハモンド リチャード・アッテンボロー
イアン・マルコム博士 ジェフ・ゴールドブラム
アレクシス・マーフィ アリアナ・リチャーズ
ティモシー・マーフィ  ジョゼフ・マゼロ
マルドゥーン  ボブ・ペック
ドナルド・ジェナロ  マーティン・フェレロ
デニス・ネドリー  ウェイン・ナイト
レイ・アーノルド  サミュエル・L・ジャクソン
ヘンリー・ウー B・D・ウォン
ルイス・ドジスン  キャメロン・ソア
ミスター・DNA  グレッグ・バーソン