お薦め名画「ベストキット」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
「ベストキット」です。
1985年2月16日に 日本で公開された映画で
後々、シリーズ化されるような作品としては
扱われていない…ややB級映画的な「公開」でした。
■2~3つのタイトルの映画?
当時は、後のにリメイクに出演する
ジャッキー・チェンが、コミカルな
カンフーから、本格的な格闘や
アクションに転じて人気を得ていた時期でした。
ベストキットは、1984年に製作され
翌年の、正月映画でもなくゴールデン
ウイークでも無い2月に、各地の劇場
でも最も大きな劇場は、アマデウスを
メインにしていて、やや小さな劇場での公開でした。
主役のラルフ・マッチオも、2年前に
アウトサイダーに出て居ましたが
メインで集客するには、弱く…
当時の宣伝としては、あのロッキーの
監督ジョン・G・アヴィルドセンが
空手の映画を撮ったと言うような
コピーで、やや弱い印象でした。
海外のタイトルもThe Karate Kid
(空手キッド)と、言うタイトルと
ヨーロッパなど、幾つかの国では
The Moment of Truth(真実の瞬間)
と言うタイトルで公開されました。
何故か?日本には、変に気を使ったのか?
日本では、日本語ではベストキッドで
劇場で流れた原題はThe Karate Kid
では無くて、The Moment of Truthでした。
この3つのタイトルからしても
送り出す方が、変に気弱になっている
ような印象に映画でしたが…
公開されると、海外でも日本でも
徐々に人気が出て、テレビなどでも
特訓のシーンなどが取り上げられ話題に
なり、ロッキーのアイ・オブ・ザ・タイガー
で、日本でも有名になったサバイバーの
主題歌The Moment Of Truthが流れだし
予想外の大ヒットになってしまいます。
■空手マスターと方言と英語
当時、ベストキットのキャスティング段階で
スターウォーズのオビワン・ケノビーに
続いて、空手のマスターとして日本の俳優
三船敏郎が候補になっていました。
ですが、微妙な日系人の英語の発音が
難しい事から、本当の日系アメリカ2世の
ノリユキ・パット・モリタが起用されます。
ノリユキ・パット・モリタも、日本では
ノリユキ・パット・モリタで認識されて
いますが、俳優としてはパット・モリタで
ベストキットの時に、森田では無く
日本人らしい名前をと言う事からノリユキが追加されています。
ただ、日本人的には「ノリユキ」が
日本ぽいか?と言うと、森田の方が
充分…日本ぽいのですが、そこはアメリカ
での受け止め方が「らしい」なので本人が
了承しているなら、それはそれで日系に
ありそうな?名前に、日本人には思えたのでいいのかもしれません?(^^:
作品内でも、日本では宮城成義として
宮城さんとしてしられるので
彼を、ノリユキ・パット・モリタか
宮城さんと言いますけども、アメリカや
海外では、ミスター・ミヤギとして有名です。
ノリユキ・パット・モリタは、日本的には
略解らない、西海岸の方言での日系らしい
英語で演じた事が、微妙なリアリティを
産んだことは、この映画のヒットに繋がっています。
ただ、三船さんの空手マスターも…
見て観たかった気もします。
■ワックスがけとペンキ塗り
今、見返すと円を描いてワックスを
クルマにかけるとか、壁を縦にペンキを
塗るなんて言う事で、空手が身に着く事は
無く…コメディのようなシーンなのですが
当時は、ジャッキー・チェンが師匠から
訓練を受ける場面の延長としてとらえられ
芸人などが、パロディとして使ったり
子供達が、それを学校で真似するように
なって話題になり、人気に繋がります。
おそらく、この部分が製作側は日本や
空手家などに、反感を買うのではと
気にした部分なんだと思いますが…(^^:
後々、ベストキット2、べストキット3
と、続く時のプロモーションでも
このワックスがけとペンキ塗りは
何度も使われ、あのシーンの続編だと
認識されるくらい、作品の顔のシーンに
なってしまうのですから、不思議ですね。
![]() JAN: 4547462069603 時間: 127 分 詳しく見る。 |
■まとめ
ベストキッドは、その後シリーズ化
して~4まで製作され
ジャッキー・チェンを向かえての
リメイク版までが、26年後に作られます。
さらに、そこから8年後の2018年に
ダニエル・ラルーソーの物語として
ラルフ・マッチオが、自ら演じる
「Cobra Kai」(コブラ会)が
10話の構成で製作され、YouTube Redで配信されました。
その上、今でもフィギュアやグッズも販売されています。
1984~85年時の海外での日本ブーム
は、少し正しく無い分部も在ったので
その部分が、気弱な出し方だったと
思われますが、ベストキッド2では
沖縄の人が、でんでん太鼓を皆が
持って居ると言う割り切りをしています(^^:
表面的な日本との差は別にしても
空手を通した、青春映画の中心に
描かれた部分が、多くの観客の胸を打った事は
これだけシリーズとして続いて、リメイクされ
関連作品が数十年経っても製作されている事が証明してくれています。
その原点のベストキットを、未見の方は
勿論ですが、懐かしく「Cobra Kai」の
後に見直すのも、いいかと思います。
![]() ダニエル・ラルーソー ミヤギ 、ジョニー・ロレンス ASIN: B07FSB2NY4 詳しく見る。 |
■作品データ
原題:The Moment of Truth / The Karate Kid
製作年:1984年
監督:ジョン・G・アヴィルドセン
製作:ジェリー・ワイントロープ
脚本:ロバート・マーク・ケイメン音楽:ビル・コンティ
主題歌:”The Moment Of Truth” Survivor興行収入 9110万アメリカ合衆国ドル
製作国 アメリカ
配給 コロムビア映画
上映時間 126分■キャスト
ダニエル・ラルーソー ラルフ・マッチオ
宮城成義 ノリユキ・パット・モリタアリ・ミルズ エリザベス・シュー
ジョニー・ロレンス ウィリアム・ザブカ
ジョン・クリース マーティン・コーヴ
ボビー・ブラウン ロン・トーマス
ダッチ チャド・マックイーン
ルシール・ラルーソー ランディ・ヘラー
トミー ロブ・ガリソン
チャッキー フランク・バスト・アバロン