お薦め名画「クレイマー、クレイマー」

2021年7月27日

映画銀幕パークジョージ松田です。

今回の御薦め名画は「クレイマー、クレイマー」です。

■日米のズレ

ダスティン・ホフマン卒業と共に
有名な代表作として有名ですが
相手役も、メリル・ストリープが演じる豪華なキャストです。

1979年アメリカで公開されて
日本1980年の4月5日に公開と言う
約3ヵ月強のズレからも、前評判
高く、ダスティン・ホフマン
日本で有名だった事から多くの人が劇場に足を運びました。

ですが、当時の日本では…まだ
「離婚」の数がアメリカや海外で多いと言う話は伝わっていても

日本の結婚は、まだまだ
日本人同士がするのが、大半だった為

父子家庭の様子を、初めて目にした映画でもありました。

日本の離婚率は、今の半分以下で
良いか?わるいか?は別にして
当時の日本の気質的には「離婚」は恥ずかしいものだったので

バツイチなどの言葉もなく、堂々と
人前で公言する事すら無かった時代です。

■クレイマー、クレイマーの意味?

クレイマー、クレイマーと言うのは
今だと、クレームつける人の話みたいですが(^^:

「クレーム」とは、アメリカでは
損害賠償の事で、不満の抗議ではありません。

なので、日本語に直訳すると原告と被告
と、言う意味なので原題は「VS」が間に入り

Kramer vs. Kramer

となっていますけども

この映画の場合は、2人の子供のビリー
想う気持ちであり、ビリーが想う気持ちと言うようなタイトルです。

また、メリル・ストリープ演じる母親の名が

ジョアンナ・クレイマー

で、ある事で、どっちが原告被告
とか、勝ち負けを問う?意味があり
この映画を、より名画にしているタイトルです。

■フレンチトースト

ダスティン・ホフマン演じるテッド
仕事は順調でしたが、家庭を妻ジョアンナ
まかせきりだったので、息子のビリーを置いて家を出てしまいます。

そこで、ロバート・ベントン監督
父親のテッドが、家事をしてなかった
存在から、家事をやらなければいけなくて

ビリーの父親になっていく様子を
画的に、フレンチトースト丸こげから
ちゃんと焼けるようになる変化で見せる
*小道具として使用します。
*正しくは消えモノ。

ただの小道具なのですが・・・
この朝食のシーンは、この映画を代表する画(写真)になります。

親と息子は反発やイラダチから、御互いの
生活人格を尊重していくようになり家族愛親子愛が芽生えます。

ですが、そこに母のジョアンナ
養育権を裁判所に申し立て、2人を離すように動きます。

そんな時に息子のビリーが怪我をして
テッドは仕事に身が入らず職を失い裁判で不利な立場になります。

でも、本当に…この家族の未来を決めるのは
裁判所なのか?と言うのが、この映画のラストです。

■真の称賛と賞賛

ダスティン・ホフマン息子ビリー
を演じたジャスティン・ヘンリーの
繊細で、細かい芝居と葛藤の変化は
多くの共感や感動を呼び、内容的には
ハリウッド映画と言うよりも、日本映画
のような描写の作品ですが大ヒットになり

息子ビリーを演じたジャスティンは
8歳で第52回アカデミー賞助演男優賞にノミネート、これは史上最年少記録

主演のダスティン・ホフマン
アカデミー主演男優賞 受賞
ゴールデングローブ賞 主演男優賞 ドラマ部門 受賞します。

母親役のメリル・ストリープアカデミー賞助演女優賞受賞

作品も監督賞、作品賞*脚本賞

ノミネートだけでもも助演男優賞
助演女優賞、撮影賞、編集賞

この年のアカデミー賞
クレーマー、クレーマー1色に染まります。
*原作があるので脚色と訳される場合がある。

アカデミー賞以外も

第37回ゴールデングローブ賞 ドラマ部門作品賞
脚本賞ドラマ部門男優賞、助演女優賞

第14回全米映画批評家協会賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞

第45回ニューヨーク映画批評家協会賞 作品賞、男優賞、助演女優賞

第5回ロサンゼルス映画批評家協会賞 作品賞
監督賞、脚本賞、男優賞、助演女優賞

第34回英国アカデミー賞 作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、主演女優賞ノミネート

日本でも、第23回 ブルーリボン賞外国作品賞
第53回 キネマ旬報賞 委員選出外国語映画部門、第1位 読者選出外国語映画部門第1位

と、海外の賞など書いたらキリが無い程
この「家族」を描いた映画は、本当に世界の
観客や映画ファンに称賛と賞賛をされた名画です。

■まとめ

もちろん、時系列では公開されて
から賞を得てるのですが、逆に言えば
こんな凄い賞を取る3人がメインで
演じていて、感動しない映画にする方が難しいくらいです。

カメラ的には、この映画のカメラの
高さは面白く、息子ビリーがキッチンに
座ってを混ぜていると、その目線の高さにカメラを上げていて

ソファに座っていると、本来は
子供と大人の目線は、同じ高さでは
無いのですが、カットを割って
目線を合わしているような撮影をしています。

あまり細かく見なくても、この映画が
俳優の「目線」を大事に撮っている
事を少し意識して、未見の方も、再度見る
方も見てみると、台詞以上に大事な事への想いを感じ取れると思います。

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■作品データ

監督 ロバート・ベントン
脚本 ロバート・ベントン
原作 エイヴリー・コーマン
製作 スタンリー・R・ジャッフェ

音楽 ヘンリー・パーセル、アントニオ・ヴィヴァルディ
撮影 ネストール・アルメンドロス
編集 ジェリー・グリーンバーグ
配給 コロンビア映画

公開
アメリカ合衆国 1979年12月8日  日本の旗 1980年4月5日

上映時間 105分  製作国 アメリカ合衆国

■キャスト

テッド・クレイマー ダスティン・ホフマン
ジョアンナ・クレイマー メリル・ストリープ
ビリー・クレイマー ジャスティン・ヘンリー
マーガレット・フェルプス ジェーン・アレクサンダー
ジョン・ショーネシー ハワード・ダフ
ジム・オコナー ジョージ・コー
フィリス・バーナード ジョベス・ウィリアムズ
グレッソン ビル・ムーア
スペンサー ジャック・ラメージ
パーティー出席者 ジョー・セネカ






名画

Posted by J.MAZDA