お薦め名画「戦場にかける橋」

2021年10月14日

映画銀幕パークジョージ松田です。

今回の御薦め名画は

戦場にかける橋」です。

1957年に公開されたイギリスアメリカ
合作映画で、60年以上前の映画なので
私も、名画座(再上映)で見た作品です。

まだ、世界の移動はがメインで
飛行機の長距離移動が出来ない頃なので
複数国の合作作品と言うのも、宣材になった時代です。

最近は複数国の合作作品と言うのは
もう、飛行機で数時間で世界が結ばれ
スタッフ俳優も、両親が違う国だったり
あまりどこのの作品と言うのは
意味が無くなっていますので・・・

内容的にも、解釈が難しい分部もありますが
映像的にもカラーで、映画としては
超大作で、1度見たら忘れられない音楽
凄いですが、エンターティメントとしても
よく出来た名作で、近年の映画ファンには

スターウォーズオビワン・ケニービ役の
アレック・ギネスの若い頃の姿を
ニコルソン大佐を通して見る事が出来る作品を書いてみます。

■クワイ河マーチ

見て無くても聴いた事があったり
口笛で吹いたりした事もある人が多いと思いますが

作中で使用される「クワイ河マーチ」は
世界中で演奏されたり、CMや番組などで
何十年経っても使用され、最も親しまれている
映画音楽として有名です。

親しまれた。と、過去形で無いのが凄いです(^^:

元々は、イギリスマーチ王と言われる
ケネス・ジョゼフ・アルフォード作曲の
ボギー大佐」を、映画の為に編曲した行進曲です。

その為に、年配の方は「クワイ河マーチ
では無くて「ボギー大佐」と言う方も居ます。

それは、日本では人気だった伊東ゆかり
レコードにし、LP版の時に「ボギー大佐
として出した事から、ラジオなどで流す時に
ボギー大佐」と言う事もあったので
2つのタイトルがあるように思っている方も居ます。

厳密には違いますが、まったく違う曲でも
無いと言うのが真実ですが・・・

何よりも、映画音楽として有名になり
観た人が、おそらく大袈裟でなく一生忘れない名曲なのは確かです。

■セッシュー・ハヤカワ(早川 雪洲)

この作品は、大きな作戦とか戦艦戦車
などが活躍する内容ではなく、1943年
タイビルマの国境付近の捕虜収容所が舞台で

日本軍の捕虜となったイギリス軍兵士
鉄道の橋を建設に動員しようとする日本人
大佐との対立と交流を通して描いた作品

映画ドラマ日本で製作した事が
ある人は「セュシュ」すると言えば
直ぐに解る業界用語がありますが

その業界用語の元が、当時の日本人での
ハリウッドスター早川雪洲です。

海外では、セッシュー・ハヤカワ
して有名で、千葉県で産まれ21歳渡米
ハリウッドスターダムにのし上がった
最初のアジア系俳優として、今でも
映画史に刻まれた俳優さんです。

若い頃は二枚目俳優として、まだ黄色人種
にも露骨な差別があった時代でも、多くの
アメリカ人女性を虜にしたセックスシンボル
とも言われる主演俳優で売れっ子俳優でした。

ただ、やはいアカデミー賞などには
日本人はノミネートされる時代では無く

戦場にかける橋は、彼が71歳でメインの
斉藤大佐を見事に演じ、ついに
アカデミー助演男優賞にノミネートされ
悲願が叶った作品でもあります。

当時の71歳と言うのは、今よりも
高齢者ですが、日本アメリカを船で
何度も行き来して、日本映画界にも
多くの、ハリウッドの映画技術
伝達した俳優でもあります。

その内の1つが、当時の日本人体格
身長は今よりも差が大きく、その身長差
埋める為に、カメラのフレームでは足元を
映さずに、に乗って相手と堂々と芝居
する様は、驚きながらも・・・彼の演技で
主演作がヒットする事からも、馬鹿にされず
彼が立ち位置に入ると、助監督
すかさず用意するようになります。

そのに乗る撮影を、日本では
セュシュ」すると言い、キスシーン
目線を合わす横位置の撮影に今でも使用される技法です。

■本当の本当の橋の名前

この映画のタイトルは、海外では

The Bridge on The River Kwai

と、言うように直訳すると

クワイ河の橋

と、言うので、実際のモデルになった
クワイ河橋」だと思っている人も多く
今でも、この映画の影響で橋を訪れる
観光客が絶えないのですが…

まず、本当のは映画のような
でも無く、橋脚も木製ではありません。

日本軍はこの橋を「メクロン河永久橋
と称していますが、原作者のフランス人
ピエール・ブールが、アバウトな調べ
や記憶で書いてしまったものを、脚本も
ベースにした為に、違う名前になっています。

本当の作品で舞台になる現実の橋
コンクリート橋脚を持つトラスの鉄橋
名前は「メクロン河永久橋」であり

英国兵捕虜は、捕虜なので当たり前ですが
設計になどは、まったく関与していません(^^:

ただ、映画を見て訪れる観光客やファンが
多いので、橋のたもとにある駅の名前
RIVER KWAI BRIDGE」としていますが
この日本軍が造った橋は、現実の名前で存在しています。

■まとめ

この映画は現実をベースにした原作
意図的に読み物として面白くする脚色
記憶違いや、当時の調べる手法から

現実と異なる部分があり、更に映画
脚本用に脚色されているので、現実とは
かなり異なる部分があるのは、日本の方が
今、見るには知ってみるべき映画です。

実際には、以外の鉄道全体も含め
日本軍指揮の下、多国籍部隊敷設され

ビルマ人が約90,000名、マライ人が約75,000名
イギリス人が約30,000名、オランダ人が約18,000名
オーストラリア人が約13,000名で
アメリカ人は、わずか700名ほどしか居ませんでした。

それは、イギリスがインドを侵略し
アジアに進軍していたので、アメリカ人
沢山居る場所ではありません(^^:

それに日本側約15,000名が、鉄道全体に
携わっていて、イギリスが主体になって
敷設しているわけがありません(^^:

また、橋の場所も映画ほどジャングルでは
無く農村地帯です。

今は観光地化した橋の周辺に、ひっそりと
日本軍鉄道隊の作った慰霊塔が在り
捕虜よりも南方各国労務者の方が多く亡く
なっているのが現実です。

戦争という破壊の中で、逆に鉄道を築くと
言う戦争映画が、戦後注目され1人の
日本人俳優も活躍しているので、映画としては
是非見て欲しい映画ですが、現実とは大きく
異なると理解して見て欲しいと思います。

戦場にかける橋 [Blu-ray]
HDデジタルリマスター版
時間: 162 分
詳しく見る。

■作品データ

監督 デヴィッド・リーン

脚本
カール・フォアマン
マイケル・ウィルソン

原作 ピエール・ブール『戦場にかける橋』(1952年)

製作 サム・スピーゲル

音楽 マルコム・アーノルド
主題歌 『クワイ河マーチ』
撮影 ジャック・ヒルデヤード
編集 ピーター・テイラー
製作会社 ホライズン・ピクチャーズ(en)
配給 コロムビア映画

公開
イギリス 1957年10月2日
アメリカ合衆国 1957年12月18日
日本 1957年12月22日

上映時間 161分

製作国 、イギリス・アメリカ合衆国

言語 英語・日本語・タイ語
製作費 300万ドル
興行収入 2720万ドル
配給収入 2億1249万円 日本

 

■キャスト

シアーズ中佐 ウィリアム・ホールデン
ニコルソン大佐 アレック・ギネス
ウォーデン少佐 ジャック・ホーキンス
軍医クリプトン ジェームズ・ドナルド
グリーン大佐 アンドレ・モレル
ジョイス ジェフリー・ホーン

斉藤大佐 早川雪洲
リーヴス大尉 ピーター・ウィリアムズ
ヒューズ少佐 ジョン・ボクサー
グローガン パーシー・ハーバート
ベイカー ハロルド・グッドウィン
兼松大尉 ヘンリー大川
三浦中尉 勝本圭一郎




 

名画

Posted by J.MAZDA