お薦め名画「ラ・ブーム」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
「ラ・ブーム」です。
ソフィー・マルソーのデビュー作で代表作の
フランス映画ラ・ブームについてです。
タイトルの説明を先に書いて置きますと
ラ・ブームのラ(La)は、英語で言う
THEみたいなモノですが、フランス語は
男女での違いがあるので、Laは女性です。
*男性はLe(ル)
ブームは、パーティの事です。
つまり女性のパーティと言うようなタイトルで
作品内容的には13歳から14歳になる誕生パーティの事です。
■唇よ燃えろ!?
1980年にフランスで公開されたラ・ブームは
大ヒットになり、世界中でもヒットしていきます。
この頃の日本では、フランス映画やイタリア映画は
あまり入ってくる事も無く、見る機会も少なく
なっていたので、ハリウッド映画以上に日本での公開は遅く
1982年3月6日に、世界でのヒットや評判から
日本でも公開される事になります。
フランスは12月公開なので1年4ヵ月後の公開でした。
その時の日本のキャッチコピーが
「唇よ燃えろ!」でした。
今、聴いても…え?と言う感じですが
当時も、何?と言う感じで意味不明に近い
コピーでした(^^:
しかも、後々の邦画タイトルからしたら
信じられませんが、ソフィー・マルソーと言う
文字は、大きく扱ってなくて…
この映画のヒットの要因を、まだ解ってなかった跡と言えます。
■愛のファンタジーReality
ラ・ブームと言う映画の魅力の半分は
ソフィー・マルソーですが、もう半分は
リチャード・サンダーソンが歌う
Realityで、邦題を愛のファンタジーと
付けた事は、今では、やや・・・ですが(^^:
当時は「唇よ燃えろ!」よりも遥かに良く
ジャケットは、リチャード・サンダーソン
では無く、ソフィー・マルソーを使った事で
3月の公開から評判になり、映画の公開が
B級映画館になっても、レコードが売れ続け
シングルは15万枚、LPレコードも10万枚
さらに、クリアピンクのハート型のLP
レコードも15万枚も売れると言う快挙が起きます。
コレは、映画の主題歌としても異例で
フランス映画となると、更に希少で
知って居る歌手やアイドルが、コンサートや
テレビ、ラジオで宣伝するのとは違う
レコード会社にしたら、驚くくらいの
コスパのいい現象でした。
ラ・ブームを見た後、数日~は、このメロディが
頭から離れないくらいで、歌詞もメチャクチャな
適当な歌詞で、クチずさむ人がたくさんいました(^^:
今でも、見返すと・・・しばらく
メロディが残る名曲です。
■ブッシュマン対ソフィー・マルソー
当時の日本は、南アフリカ共和国の
コメディ映画ブッシュマンが2月に公開され
大ブームで、日本での配給収入で23億7000万円と
映画としても凄いのですが、主演のニカウさんが
大人気になり、テレビ、雑誌を賑わす大ブームに
なり、コーラの空瓶すら人気になるくらいで
翌年ブッシュマンことニカウさんを日本に呼ぶ
くらいの人気になります。
*ミラクル・ワールド ブッシュマンは
現在はコイサンマンと言うタイトルに変更されています。
そんな映画の翌月に公開されたのが、フランスの
少女ソフィー・マルソーの映画でした。
まったく、異なる対局のような存在の
2人だったのが良かったのか?
重なる事がなく、どちらもヒットします。
ですが、ブッシュマンはブームでしたけども
ソフィー・マルソーは、ラ・ブームの
世界的な大ヒットから、当然のごとく
ラ・ブーム2が製作され、公開されると
またも大ヒットし・・・
日本の配給会社は、ラ・ブームで理解不足
だった、ソフィー・マルソーを前面に出し
過ぎるくらい出します。
ソフィー・マルソーの邦題は、海外の映画
ファンが見たら驚くくらい、頭に
ソフィー・マルソーの○○○と言う
タイトルを付ける戦略を取り
タイトルに入らない場合も、ポスターや
チラシでは、ソフィー・マルソーの名前を
前面に押し出します。
コレほどまでに、1人の女優を長く前面に
押し出す営業は、ソフィー・マルソー以外に
しらないくらいなので、魅力がある女優なんだと思いますが
本人の13歳からの努力は、計り知れない
モノがあると思います。
今でもフランスでの女優TOP10に入る程
人気も衰えていません。
ブッシュマンは忘れさられて行きましたけども
二カウさんは、元々俳優では無く、ギャラが牛
だったと言う事すら話題だった方なので(^^:
ただ当時の日本では大きな話題の2作品でした。
■まとめ
この映画は、もう1つ日本の若者には
欠かせないアイテム人気を加速させる
小道具が登場していて、逆輸入的な
話題に成りました。
それが、外国の大ヒット映画に
1979年の夏に発売され、まだ高額で
大人は買えても、若者には憧れのアイテム
SONYのウォークマンが大事な
アイテムとして登場します。
マチューが、主人公ソフィー・マルソーの
耳にヘッドホンをかけるシーンが
大きな話題になり、SONYは意外な
超強力な宣伝効果を得る事になります。
これは、当時の若者には日本のSONY
の商品が映る嬉しさと、若者が持ってる
事や、フランスでも使われているなど
など、いろいろな驚きを与え
音楽を外に持ち出すと言う文化は
今では、スマホで簡単に出来ますが
このシーンをキッカケに世界中で
知った人も多く、あの小型プレーヤーや
小さなヘッドホンは何だ?と思う人から
日本のSONYを知る人も多く居ました。
このソフィー・マルソーのシーンは
雑誌にも写真が使われ、映画を見て無い
人達にも知られ
急速に、日本の若者がウォークマンを
持つようになり、電車の中で聴く
シャカシャカ音が社会問題にもなりました。
そんなシーンや13~14歳のソフィー・マルソーや
愛のファンタジー(Reality)を、知らない
世代の方にも、是非1度は見て欲しい映画
ですし、当時見てから、長くみてない方にも
懐かしいメロディの映画を、再見して欲しい映画です。
![]() JAN: 4006680072944 ディスク枚数: 2 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 クロード・ピノトー
脚本
ダニエル・トンプソン (en fr)
クロード・ピノトー製作 アラン・ポワレ (en fr)
出演者 ソフィー・マルソー
音楽 ウラジミール・コスマ (en fr)
撮影 エドモン・セシャン配給
フランス ゴーモン
日本 松竹富士公開
フランス 1980年12月17日
日本 1982年3月6日上映時間 110分
製作国 フランス
言語 フランス語興行収入 フランス 437万人~450万人
■キャスト
ソフィー・マルソー ヴィック・ベレトン
クロード・ブラッスール フランソワ・ベレトン
ブリジット・フォッセー フランソワーズ・ベレトン
ドゥニーズ・グレイ プペット・ヴァラディエ
アレクサンドル・スターリング マチュー
ベルナール・ジラルドー エリック・レマン
シェイラ・オコナー ペネロープ・フォンタネ
アレクサンドラ・ゴナン サマンタ・フォンタネ
ジャン=フィリップ・レオナール ステファン
リシャール・ボーランジェ アントワーヌ