お薦め名画「最強のふたり」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
最強のふたり
です。
この映画は、近年少し珍しくなった
フランス映画です。
しかも、基本的には実話の映画化と
言う形の映画で
体が不自由な男性と、その介護人の
貧困層の移民の黒人の若者、2人が
主役なのですが、暗い内容ではなく
コミカルで、微笑ましくもあり
笑ってしまうような、良い意味で?
不謹慎な部分もありながら
心温まり、考えさせられる作品でも
あるので、本国ではハリー・ポッターを
超える観客動員を達成してしまいました。
そんな 2011年(日本2012年)の
映画を書いて見たいと思います。
■実話と映画
映画「最強のふたり」は、実在の人物の
フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴと
その介護人アブデル・ヤスミン・セローを
モデルにして、製作されています。
ですが、そのままでは無くて
実際の話との相違点は、意図的に設け
られています。
映画の冒頭も、あれっ?
ワイルドスピードのスクリーンじゃ
ないよな?と思うほどの*スーパーカーと
パトカーのチェイスで始まります。
作中で雇ったのも、ドリスという黒人
ですけども、本当はアルジェリア出身の
アブデルという青年(24歳)でした。
映画ではフィリップの妻ベアトリスは
既に亡くなっていますけども
実際に亡くなったのは、アブデルが
雇われてから4年後でした。
映画では、短い期間のような印象ですが
実際には10年間にわたって面倒を見ています。
*マセラティ クアトロポルテ4.2リッターV8
■映画の映画化
フィリップは、1951年生まれで1993年に
事故で頸髄損傷となってしまいます。
2001年に、この映画の原作になる自身のこと
と、介護人アブデルとのことを書いた
Le Second Souffle(第二の呼吸) を出版します。
すると2002年に、フィリップとアブデルは
フランスのテレビ番組も取り上げて多く
知られると、その番組の司会者ミレイユ
は、この本の二人に興味を持って
ドキュメンタリー映画「 À la vie, à la mort 」
を2003年に製作し公開します。
すると今度は、そのドキュメンタリーを
エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュ
が、見た事で、更なる映画化を考えます。
フィリップに、更に話を聞き、映画の脚本を
書き上げて、今回の「最強のふたり」という
映画が誕生します。
■主な受賞・ノミネート
映画「最強のふたり」は、2011年10月23日
第24回東京国際映画祭コンペティション部門
で上映され
本国フランスでは、2011年11月2日に公開
週間観客動員数が初週から10週連続1位に
なる快挙を達成すると
2011年のフランスで公開された映画の
観客動員数も1位になります。
2位は Rien à déclarer
3位はハリー・ポッターと死の秘宝 PART2
で、ハリー・ポッターPART2の倍以上の
観客動員数なので、いかに凄い人気だった
かが解ると思います。
その後も、この2人の出会いの物語は
舞台化され、さらに多くの人に知られる
ようになります。
■まとめ
「最強のふたり」を見ると、まったく
説教だとか、涙を誘うような内容ではなく
逆に、良い意味で「ふざけてる」映画です。
その為、観客の固定概念が壊れるか…
グラグラ動きます。
あなたの中の正義とか、ただしい事
迷惑をかける事と、楽しさ
迷惑をかけない範囲の悪事
人生と、楽しさ、生きる事を、映画が
ではなくて、見ている観客が考えてしまいます。
介護人の黒人のドリスは、育ちもわるく
言葉使いも、礼儀やマナーも、よくありません。
でも、フィリップは彼を雇います。
それは、彼が法律ではなく、大事な
事に線引きして生きていて
お金がなくても自由に楽しく生きる
術を知っているからで、お金があっても
体が不自由なフィリップは、それ以外も
不自由にしてしまっていた事に気ずいて
いく様子は、誰もが既に其の状態に
少なからずあるからなので
是非、未見の方は、この映画で自身の
内面を映して見て観てください。
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![]() 時間 1 時間 53 分 ASIN : B07KM16SYL 詳しく見る。 |
■作品データ
監督
エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ脚本
エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ製作
ニコラ・デュヴァル・アダソフスキ
ヤン・ゼノウ
ローラン・ゼイトゥン音楽 ルドヴィコ・エイナウディ
撮影 マチュー・ヴァドピエ
編集 ドリアン・リガル=アンスー
製作会社 Quad Productions
配給
フランス ゴーモン
日本 ギャガ公開
フランス 2011年11月2日
日本 2012年9月1日上映時間 112分
製作国 フランス
製作費 950万ユーロ
興行収入
3.46億ユーロ(ヨーロッパ)
16.5億円(日本)
■キャスト
フィリップ フランソワ・クリュゼ
ドリス オマール・シー
イヴォンヌ アンヌ・ル・ニ
マガリー オドレイ・フルーロ
マルセル クロティルド・モレ
バスティアン トマ・ソリヴェレ
アルベール クリスティアン・アメリ
アントニー グレゴリー・オースターマン
ミナ アブサ・ダイヤトーン・トゥーレ
アダマ シリル・マンディ
エレノア ドロテ・ブリエール・メリット