手動の自動運転撮影
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回は
「手動の自動運転撮影」
についてです。
何それ? て、ことですよね(^^:
100聞は一見に・・・なので
映画やドラマなどで、上のように
クルマで移動しながら会話するような
シーンは、誰でも見た事があると思います。
その撮影方法についてです。
■遅れるカーブ
昭和の時代は、俳優さんが自身で運転して
それを撮影するのが、当たり前だったので
事務所などは、役を貰う為に運転免許を
俳優に所得させていましたが
運転と、芝居、台詞を同時に行う事から
事故が起きたりしたので、平成では
下のような「牽引」と言う撮影システムになりました。
撮影するクルマを低いキャリアに乗せ
前の引っ張るクルマの後方ハッチを開けて
その前のクルマの中からカメラマンは撮影します。
なので実際に走行しているのは、黄緑の
タイヤだけで青いタイヤは固定です。
黄色の部分はライトです。
ですが、牽引で逆に難しくなるのが
運転している(ように見える)俳優が
ステアリングをいくら回しても
クルマは方向を変えませんので
前の引っ張る牽引車が、カーブして…
しばらくすると、俳優さんのクルマが
カーブすると言う背景との関係差が出来てしまいます。
その「差」も、スピードと角度で異なり
90度曲がって居る画面なのに、少ししか
ステアリングは廻していないと・・・NGになります。
なので、クルマのシーンが場面転換の
意味しか内容な場合のテレビドラマでは
撮影時間が無いので、ストレートの走行
しか撮影しない事が多いです。
また、意外にあるのが急ブレーキで
止まるシーンなんですが、コレは
前の牽引車がブレーキを踏んで
少し遅れて、第2の衝撃が俳優さんの乗る
クルマに伝わるので、その第2の衝撃に
合わせて芝居する事になるのですけども
それも、俳優さん自身が運転する手動
とは違い、前の牽引車のドライバーが
操作してくれるブレーキを、ある意味読む必要が出て来ます。
安全では、あるのかもですが…
タイミングと言う意味では、手動より
難しくなった部分も多く、運転技術
よりも、カンが良い俳優さんの時は早く終わります(^^:
■エアコンが使えない
台詞が同録なので、俳優さんが乗る
クルマの窓を閉めないといけないのと
エンジンをかけると、クルマに乗る方は
解かると思いますけども
水温が上がると、サーモスタットが開き
ラジエーターファンが、ブォー!と回り出すので
ノイズになるのと共に、運転していないのが
音で解かってしまうので、どんなに暑くても
窓を閉めて、汗を流さずにエアコンが
入ってるように、涼しい芝居をしなければいけません。
映らない場所には、アイスノンとか
氷を入れた袋などを置いて貰ったりしますけども・・・
カーブのタイミングが、なかなか
合わない場合などは、可哀想になります。
また、冬の撮影も暖房を入れられないので
下半身はホカロンだらけで、真面目に
クールな台詞を言っていて、OKの後に
カッコイイ俳優さんや、美人の女優さんが
ファンには見せれない下半身で、降りて
くると、ちょと笑ってしまいます。
勿論、現場はどれだけ頑張っているかを
知って居るので、良い意味でなごむのですが(^^:
もう1つ困るのが、自分で運転するのは
何ともないのに、自動?で動くクルマに
乗っているだけだと、酔う俳優さんが居ます。
女優さんに多い気がしますが…
意外に、このクルマ酔い?でNGになったり
する事も多いです。
これは、クルマのタイミングも
自分以外で、台詞のやり取りの間も
相手の芝居とのやり取りなので
その両方に集中してしまうので
機械的な部分を論理的に判断しにくいと
酔ってしまうらしく、仕方ないのかもですが
休憩すると、かなり時間を消費します(^^:
■スーパーカーの速度
スーパーカーや、外車などの車高が低い
クルマの場合は、低い撮影用のキャリアでも
背景との関係の高さが合わなくなります。
そのような場合は、前のバンパーを外して
ニュートラルで、クルマの4輪で牽引する事があります。
また、速度を速く見せる為には
フィルムと、VTR、HDDなどで違いますが
一般的には、DVDやブルーレイの●倍速
再生で見るような感じで、自然にも見えるように撮影します。
そのキーになるのが、路面の微妙な凹凸
の「揺れ」です。
この揺れが不自然だと、あれ早送りぽい?と
見てる方に思われてしまいます。
なので、なるべくフラットな道を選んで
ガードレールなどが無い道などを使用します。
ガードレールなどの、水平(に見える)対象
があると、揺れを微妙に人間の目は感知
するので、違和感を覚えます。
スーパーカーなので、ベターと路面に
貼りついたような走行になるので・・・
オーナーさんや、よく見てる人以外は
やっぱりスーパーカーだな~と、その速度に
関心してもらえれば・・・成功です(^^:
■バイクは三輪車?
2輪のバイクは、三輪車にします。
百聞は・・・
前タイヤを少し上げて2輪を着けて
後輪をニュートラルで引っ張ります。
多いのは、俳優さんが1人で運転している
芝居で、無線で話す芝居や
前後に2人の俳優さんが乗って、後ろから
顔を肩越しに出して会話するのですが
バイクは、逆に「揺れ」が必要で
そのまま牽引すると、意外に揺れずに
撮影画面では、なんだか不自然に
固定されたモノに乗ってるように
見えてしまいます。
そこで、逆にカメラ側を完全に固定
せずに、古タイヤなどの上に三脚を
固定して走ると、前後左右、上下に
良い感じに揺れるので、バイクらしく見えます。
この方法は、ヘリやセスナなどの
飛行機に乗っている設定の時にも
地上でアオの空抜けで古タイヤからの撮影が活躍します。
カッコよくヘリで活躍する2枚目の
俳優さんを、古タイヤで撮っている
のも変な感じがするのですけども…(^^:
バイクのカーブは、傾斜できる
機器を使う事もありますが、ドラマは
略ヘルメットで隠せるので、スタントマン
の方で、俳優さんと同じ体形の方に御願いする事が多いです。
■まとめ
俳優さんの手動から、牽引で
乗っているだけのオートになり
最近は、背景をCGにするように移行してますが
CGは90年代前半は、お金が掛かるから
CG無しだった時代から、予算が無いので
CGと言うくらい、処理速度が上がり
スマホでも合成出来るくらい、存在が逆転してますので
なかなか、まだCGで出来ない理由として
クルマの走行シーンは、背景が動く事と
カーブしたりすると、太陽などの光源の
方向が変るので、CGの処理も時間と予算が
まだまだ掛かる場面なので
ドラマは時間が無く、まだ牽引が主で
映画は予算が無く、まだ牽引が主です。
唯一CMは、予算も時間もあるので
時々驚くような、クルマなどの移動背景の
CGシーンを再現していますので…
もう何年かしたら、俳優さんもエアコンの
効いたスタジオのグリーンバックで
クルマに乗ればいいだけの時代が来ると思います。
それまでは、難しい、悪条件の中で
芝居をしている俳優さんや
まっすぐだけだから、時間が無いのかな?
など、脚本で工夫しているシーンなんだ
などの見方をしてみると面白いかと思います。
ただ、カーアクションは迫力が必要なので
やはり生で走らせるこ事が、一番リアル
なのは変わらないと思いますけども
新しいワイルドスピードなどは…
もうリアルを超えてるかもしれません(^^:
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