お薦め名画「メトロポリス」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
「メトロポリス」です。
メトロポリスは、1927年にドイツで製作
されたモノクロサイレント映画で
SF映画の古典とも言われる映画です。
幾つかのバージョンがありますけども
1927年のを見ていて覚えてるとしたら
100歳前後なので(^^:
基本的には1984年に公開された
ジョルジオ・モロダー版をメインに
内容については書いて行きます。
■超(長)大作SF映画
メトロポリスは、複数のバージョンが
存在する大元の要因は、最初に完成させた
時間が、前半3時間30分、後半3時間30分と
言う1部、2部形式で、7時間もの超長い長編として上映された為に
商業映画の「時間」を大きく上廻り
アメリカの初公開には114分、日本では104分
にまで短縮されています。
当時の感覚では、映画の時間がどれくらい
と言うような、ハリウッド映画の商業
映画の基準(約2時間)が、観客側にも無く
人が動いている動画を見るのも、まだ珍しい
時代なのと、編集技術と言うモノも
まだまだ確率されていない事や、サイレント
なので、ナレーションや言葉、もっと言えば
「色」で解説したり、解りやすく出来る
分部も在るので、モノクロサイレントと言う
時代的に、長くなってしまっている部分も
在るのは解ります。
でも…今の感覚を持っていると…
7時間は、メチャクチャ長いですよね(^^:
■C3-POとマリア
メトロポリスに登場する人造人間・・・
当時は自動人間とも訳されていますが(^^:
人間型のロボット、アンドロイドの
マリアが登場し、SF映画の象徴としても
メトロポリスの作品紹介に欠かせない
キャラで、そのデザインは後々の
幻の映画となり見る事が不可能に近い
時代に、ショ―ジ・ルーカスが
男性型のドロイドC3-POのモーチーフに
しています。
アンドロイドマリアは、白黒ですけども
シルバーだった事から、C3-POはゴールド
で、細部にもマリアとよく似た部分を
発見する事が出来ます。
ただ、戦前のドイツでもアンドロイドは
ロボットとして珍しいが先行する
存在で、未来科学の象徴的で
産業用ロボットが発展する現在とは異なり
作中では、多くの人間の労働者が未来でも
そのまま工場で労働している現実との
矛盾が、今見るとあるので不思議な存在の
アンドロイドになっています。
■ジョルジオ・モロダー
戦前の長編映画7時間版や他も、戦争で
オリジナルが散乱し幻の作品となって
しまい、写真などで語られるSF映画の
古典的名作でしたが、映画監督や
映画プロデューサーでは無く
イタリアの音楽プロデューサーで作曲家
や歌手でもある、ジョルジオ・モロダーが
世界中で、2時間程に短縮され上映した
プリントフィルムが、戦火を逃れて残って
いる散らばったフィルムを、持って居る
映画会社や映画館、映画コレクターなどから
集めて、何とか繋ぎ合わせ1本の作品として
自身で音楽を着けて1984年に公開し
戦後の映画ファンは、幻から現実に目に
する事が出来るようになります。
ジョルジオ・モロダーは、ドイツ人でも無く
この作品の熱狂的なファンとしての情熱で
フィルムを購入し続け完成させた労力は
もっと評価され、知られるべき事だと思います。
●バージョン
1927年・オリジナル 約7時間
—-第二次世界大戦-—–
1984年・ジョルジオ・モロダー版 82分
2002年・1984年版新発見ィルムを追加編集した123分
2008年・2010年・2012年と、発見されたフィルムが
足されたバージョンが存在しますが、当時の16mm
などからの復元なので、画質も一定していません。
■まとめ
アンドロイド・マリアと言う名前も
実際には、後々にSFファンが語る中で
呼び方が無いので、言っているだけで
作中で「アンドロイド・マリア」と
言う(文字)事はありません。
ですが、50年以上経ってもフィギュア
やコスプレされたりするのも
C3-POのモチーフと語られ
またスターウォーズ公開1977年後に
SFへの関心度や、SF映画の地位が
向上した事からも、メトロポリスは
復活していますので
C3-POの設定とは別に、右足が初登場の
SW・Ⅳではシルバーなのは、マリアに
リスペクトした部分なのでは?と
ファンの間で語られます。
1984年の公開も、それ程大きな劇場では
無いですが、日本でも普通に公開され
スターウォーズからのSFブームもあり
SFファンや特撮ファン、映画ファンが
劇場に足を運びました。
ジョルジオ・モロダーの音楽も、ドルビーで
複数人が1フレームで話す無声映画の
字幕文字も、俳優の横に出したり
字幕に色を着けるなどの工夫で解りやすく
していた事から、下手すると無声映画と
言うのを忘れて、映画館を出て来た事を
覚えている程、苦などなく、レトロな
未来を描いた作品として楽しく見れました。
今、見るとレトロ感も1984年に見るのとは
違って見れると思いますが
SFファンや、映画ファンで未見の方は
是非、1度は見ておいて損はないSF古典の名作です。
![]() Blu-ray 時間: 148 分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 フリッツ・ラング
脚本
テア・フォン・ハルボウ
フリッツ・ラング製作 エリッヒ・ポマー(ドイツ語版)
音楽 ゴットフリート・フッペルツ(ドイツ語版)
撮影 カール・フロイント
ギュンター・リッタウ(ドイツ語版)編集 レイ・ラヴジョイ(復刻版)
製作会社 UFA
配給
ドイツ国 UFA
アメリカ合衆国 パラマウント映画
日本 松竹座=東和商事公開
ドイツ国 1927年1月10日
アメリカ合衆国 1927年3月6日
日本 1929年4月3日上映時間
ドイツ国 210分(プレミア公開時)
アメリカ合衆国の旗 114分(初公開時)
日本の旗 104分(初公開時)
82分(ジョルジオ・モロダー版)123分(2002年版)
150分(2010年版)製作国 ドイツの旗 ドイツ国
■キャスト
ブリギッテ・ヘルム:マリア
アルフレート・アーベル支配的権力者フレーダーセン
グスタフ・フレーリッヒ フレーダー
ルドルフ・クライン=ロッゲ 発明家ロトワング