お薦め名画「未知との遭遇」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
「未知との遭遇・(特別編)」です。
未知との遭遇は、スティーブン・スピルバーグが
ジョーズの後に送り出したSF映画で
1977年に公開された、当時としては意外な
リアル性を持つSF映画として、注目され
話題になった名画です。
■逆転のSF映画
この未知との遭遇が公開される1977年頃は
アメリカと日本の公開日の差が大きかった時代だったので…
此処に、2人の天才アメリカ人監督の作品が
日本では逆転してしまう事態が起きてしまいます。
ジョーズのヒットで知られるスピルバーグの
未知との遭遇で
アメリカでは
スターウォーズ 1977年5月25日
未知との遭遇 1977年11月16日
と、スターウォーズの約半年後に
未知との遭遇は公開されています。
ですが、日本では
未知との遭遇 1978年2月25日
スターウォーズ 1978年6月24日(*先行上映日)
未知との遭遇が、先に公開され
実質スターウォーズが公開されたのは
7月に入ってなので、略公開差が
逆転してしまっています。
コレは、スピルバーグにはショーズと
言う大ヒット作が在った事が大きい
反面、サスペンスでは無くてSFだった
事から、新人の作品ジャンル選択に
疑問を持った遅れもありました。
ですが、未知との遭遇の光として
描いたUFOの映像は、当時斬新で
この映像を売りに、プロモーションが
展開され、なんとか未知との遭遇を
売り込む事に力を入れていました。
ですが、その陰でアメリカで
地響きのように起きている大きな
現象から、長蛇の列を築いていた
SF映画スターウォーズへの反応には
映画ファンの方が早く反応し、1歩も2歩も
遅れを取る事になってしまいます。
タラレバですが、未知との遭遇が
もう1年早く公開されていれば
スターウォーズの日本上陸は
少しでも、早くなっていた気がします。
■円盤からUFOへ
未知との遭遇の当時は、UFOと
言う言葉はありましたが、まだ
UFOて何?>円盤の事と説明を求める世代も多く
イメージも、もはやコント的な
丸い皿型が回転しているイメージ
が、主だった時代なので(^^:
スピルバーグの描いた、多色の光が
多様に光動き回り、低く飛ぶ
UFOの描写に、誰もが驚きました。
此れに対して、円盤と言うワードは
使われる事が無く、宣伝もUFOが略メインになり
特撮ではなく、視覚効果とか合成と
言うワードが使われ、まだSFXや
VFXなどのワードは、ありませんでした。
また、前項のようにスターウォーズの
前であることから、視覚効果はILMが
担当出来るはずもなく
2001年宇宙の旅のダグラス・トランブルのチームが担当しています。
■宇宙人の概念
1977年の宇宙人が地球に来る理由は
略、侵略であったので、コンタクトを
取る事をメインにした作品には
戸惑いと、派手さが無い事に
宣伝としても、観客も手探りで…
新ジャンルとも言えるような作品でした。
勿論E.Tが登場するのは、まだまだ
先の5年後です。
ただ、未知との遭遇の世界のリアルは
本当に、宇宙人との初コンタクトは
こうかもしれない?と言うSF性を
感じさせる事に成功していて
後のスティーブン・スピルバーグの
代表作E.Tの前に、無くてはならない
内容の映画だったとも思います。
■宇宙コミユニュケ―ション
スティーブン・スピルバーグは
この作品では、音楽のメロディと
光りで、宇宙人とコンタクトする
コミユニュケ―ションを見せます。
この部分が、未知との遭遇の最も
当時リアルに感じさせる部分で
過去のSF・宇宙人と異なる部分で
それまでは、進んだ科学の宇宙人が
翻訳機能を持って居て、地球の言葉
で話すとか、作品的には説明はゼロで
普通に会話している事が大半でした。
この部分は、スターウォーズでは
翻訳ドロイドのC3-POが、通訳
する事で、観客に言葉を訳すと言う
方式を採用していて
宇宙的なコミユニュケ―ションと
言う部分にも、リアリティを提示した2作品でした。
■まとめ
未知との遭遇は、1980年に特別篇と
して公開されています。
簡単に言えばディレクターズ・カット版です。
解説ではラストの宇宙人が足されている
などの超ザックリな解説もありますが
ロイ一家の導入シーンなど新たに撮影された
部分も多く、追加したバージョンと思われ
がちですが、全シーンが細かく見直され
オリジナルよりも、実は3分短い132分が
特別篇になっています。
どちらかを、見るなら特別篇がお薦めですが
ロイがデビルズタワーの模型を作るシーンが
カットされたなど、ファンからの声を取り入れ
20年後にファイナル・カット版が製作され
最長の137分になっていますが、分的には
3分短いか、2分多いだけなのですが、印象は
けっこう異なります。
なので、好きな方は、それぞれのバージョンを
是非チェックしてみて欲しい名画です。
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■作品データ
監督 スティーヴン・スピルバーグ
脚本 スティーヴン・スピルバーグ
製作 ジュリア・フィリップス
マイケル・フィリップス音楽 ジョン・ウィリアムズ
撮影 ヴィルモス・ジグモンド
ラズロ・コヴァックス
編集 マイケル・カーン
配給 コロンビア映画
公開 アメリカ合衆国の旗 1977年11月16日
日本の旗 1978年2月25日
上映時間 135分(オリジナル劇場版)製作国 アメリカ合衆国
製作費 $20,000,000
興行収入$303,788,635
配給収入日本 32億9000万円■キャスト
ロイ・ニアリー リチャード・ドレイファス
クロード・ラコーム フランソワ・トリュフォー
ロニー・ニアリー テリー・ガージリアン・ガイラー メリンダ・ディロン
デヴィッド・ロフリン ボブ・バラバン
バリー・ガイラー ケイリー・ガフィー
ロバート ランス・ヘンリクセンブラッド・ニアリー ショーン・ビショップ
トビー・ニアリー ジャスティン・ドレイファス
チームリーダー メリル・コナリー
プロジェクトリーダー J・パトリック・マクナマラ
ワイルドビル ウォーレン・J・ケマーリング
ベンチリー ジョージ・ディセンツォ
ハリス夫人 メアリー・ギャフリー