お薦め名画「スター・ウォーズ日本語版」
今回の御薦め名画は
「スター・ウォーズ日本語版」です。
日本語版?と、不思議に思う方も
居ると思いますが・・・
今は、吹替えか、字幕かは、シネコンに
入る時に選べば済む事が常識ですが
スター・ウォーズが公開された70年代や
80年代は、洋画=字幕が当たり前の時代でした。
その頃に、起きた異例な公開の頃を書いて見ます。
■洋画の邦画系
スター・ウォーズEP4は、アメリカの
1977年5月25日の公開から遅れる事
約1年後の1978年6月24日に、*日劇や
新宿プラザ、渋谷東宝など少数の劇場で
1週だけ先行して上映され
1978年7月1日に、東宝洋画系をメインに
ロードショー公開されます。
*日劇・現在の有楽町マリオンの前身
まだ日本の映画館では70mm上映が
出来る映画館が少なく、関東でも
10館も無かったと思います。
その為に、70mmで見た人と35mmに
落とした画像で見た人が居ましたが
映画マニアで無いと、その違いも
解からないような時代でした。
また音響も*ドルビー・システムも
スター・ウォーズが、初めての映画なので
先行上映出来た劇場以外は、本当の
スター・ウォーズの音では無い音響で
見る事になっています。
*ドルビー・システム、現・ドルビーステレオの事。
この、当時はマニアックな技術的な
進化から、映画の料金が1300円から
1500円に値上がりしたのも、また
スター・ウォーズからでしたが
値上がりの理由に70mmとドルビー
サウンドシステムの事を言われると
殆どの映画ファンや、一般の方も
納得せざるえない状態になりました。
もちろん、全て字幕の公開です。
それから2年後に・・・続編
帝国の逆襲が、アメリカで1980年5月21日
に公開され、日本では1980年6月28日と
約1ヵ月の公開で、1年の差が11ヵ月短縮されます。
それから、更に2年後の
1982年5月15日に
スター・ウォーズ日本語版が公開されます。
今では、シネコンの入口で数秒で
選ぶ事が出来る事が、4年後に初めて
洋画が映画館で日本語で見れる時が来ました。
それまでは、テレビで映画が放送
される時には、まだテレビの画面サイズも
小さかった時代なのもあり、全て
日本語にアフレコされて放送されるしか
ありませんでした。
テレビでの公開は、権利や予算などの関係で
バラつきはありますが、スター・ウォーズは
まだ、4年経ってもテレビでも放送されていない映画でした。
その為、4年前の映画を公開時の
東宝(洋画系)では無くて、松竹の邦画系で公開される事になります。
勿論、ビデオなどのソフトもありません。
■同時上映
松竹もゴールデンウィークの後の
テレビで言う数字が取れない時間帯に
位置する月日に、劇場を使う事にしてますが
4年前の映画で、大ヒット作ですが
帝国の逆襲の後の公開なので
SF好きや、ルーカスのファンなどを
呼び込む保険として
ジョージ・ルーカスの初期作品
電子的迷宮/THX 1138 4EBを、同時上映と
して付ける事にし実現します。
今では、信じられないかもですが
スター・ウォーズの吹替レコードの
売れ行きが好調だった事からも公開されますが・・・
レコードで音と声だけを聴く映画が
売れる程、ビデオも無い時代の
映画ファンが飢えていた証です。
ただ、私を含めスター・ウォーズを
見に来ているファンには、1回は
THX 1138を見てもいいですが・・・
何度も見るには厳しい映画が間に
入るので、1日劇場に居て
スター・ウォーズを見たいファンには
やや不評な同時上映でした(^^:
■エピソード4・新たなる希望の誕生!
スター・ウォーズ エピソード4・新たなる希望
と、言うのが、今のエピソード4の
当たり前のタイトルですけども
実は、日本語版の前は、スター・ウォーズは
スター・ウォーズでした(^^:
帝国の逆襲が、公開され
スター・ウォーズと、帝国の逆襲と
分けて言われただけでした。
ですが、この年の1982年1月11日に
第三弾の*ジェダイの復讐がクランクインし
小出しに、宣伝用にキャラや設定などが
映画ファンの目や耳に入るようになって来て
初めて、世界の人がルーカスがやろうと
している、映画の2や続編的なモノから
本格的に、シリーズとして内容やキャラ
設定が続く、映画としてもシリーズを
意識するようになります。
そこで、この日本語版の公開に合わせて
日本の映画雑誌などが、スター・ウォーズに
エピソード4新たなる希望
と、言う日本用のサブタイトルを
決定し、今に続く事になります。
*ジェダイの復讐の邦題がジェダイの帰還に
変更されるのは2004年。
■アフレコキャスト
ルークは、当時の奥田瑛二が吹き替え
ハン・ソロは、当時も「?」でしたが
森本レオさんが吹き替え
レイアは、当時人気の森田理恵
ダース・ベイダー を、南原宏治
オビ=ワン・ケノービは、河原崎國太郎
でしたが・・・
もっとも劇場で、違和感を感じたのは
C-3POの高山栄さんでした。
これは声とかの問題では無くて
ドロイドが日本語を喋るのが・・・
人間はテレビの洋画で慣れてますが
今まで、映画の3POを見て来たのと
R2-D2の言葉を訳すので、日本語が
合わないキャラでした(^^:
また、初のテレビ放送も
ルークが渡辺徹、ハン・ソロを松崎しげる
レイアは、大場久美子が吹き替えして
ファン以外からもクレームの嵐で
ネットの無い時代に、日本中でブーイングが
聞こえた程です(^^:
スター・ウォーズの凄さを解らない人が
どちらも、キャストしたのか話題作りが
必用だからか…
成功とはいえない吹き替えでした。
■まとめ
この映画は、正式な題名が
「スター・ウォーズ日本語版」
で、スター・ウォーズの日本語版
ではありません。
現在は、2006年に発売された
オリジナルバージョンの
DVD単品版の特典ディスクに
副音声として収録されていますが
よほど興味のある方は、中古などで
探してみてください。
今は、Blu-rayで吹き替えも楽しめる
ので、アクションに集中して観たい
場合などは、セレクトして楽しんで見てみて下さい。
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■作品データ
製作 ゲイリー・カーツ
製作総指揮 ジョージ・ルーカス
音楽 ジョン・ウィリアムズ
撮影 ギルバート・テイラー編集
ポール・ハーシュ
マーシア・ルーカス
リチャード・チュウ製作会社 ルーカスフィルム
配給 20世紀フォックス公開 オリジナル版
アメリカ合衆国 1977年5月25日
日本 1978年6月24日(先行上映)
日本 1978年7月1日日本語版 1982年5月15日
上映時間 121分
製作国 アメリカ合衆国
製作費 $11,000,000
興行収入$775,398,007
配給収入43億8千万円 日本
■キャスト・声優
ルーク・スカイウォーカー マーク・ハミル 奥田瑛二
ハン・ソロ ハリソン・フォード 森本レオ
レイア・オーガナ キャリー・フィッシャー 森田理恵
ダース・ベイダー ジェームズ・アール・ジョーンズ(声) 南原宏治
オビ=ワン・ケノービ アレック・ギネス 河原崎國太郎
C-3PO アンソニー・ダニエルズ 高山栄