映画の○○委員会とは?
映画銀幕パークのジョージ・松田です。
映画のクレジットやパンフレットなどで
「製作・○○委員会」
「製作・○○プロジェクト」
と、言うような文字が目に入った事があると思います。
なんとなく…解るような?
なんとなく気にしてたけど…
と、いう映画ファンが多いようなので
この「製作」について解説してみます。
製作と制作の違い?
実は、映画には専門用語?ならず
映画専用文字?とも言える
製作と制作
の文字を使い分けている業界です。
製作とは、製作プロダクションや
主に資金的な意味に使われます。
なので
「製作・○○委員会」と言うのは
複数企業の出資者の集合体名の事です。
映画は民放コマーシャルのように
CMが流れるのでは無いので
映画の映像内に、企業の看板や商品が
映ったり、映像には出なくても
企業の商品パッケージやテレビCMに
映画の俳優、キャラ、イメージなどが
使えるなどで出資してもらう事が
多いデス。
出資者は、主に
テレビドラマからの映画化や、映画の後や同時に
・ドラマ化する場合に多いテレビ局
・公開後の権利から映像ソフト会社
・原作漫画や小説などから、出版社
・特撮やアニメなどは、玩具会社
広告代理店の場合は、各会社への仲介
が多く、既にメインキャストがCMを
しているメーカーや、衣装、登場する
自動車などタイアップに近い部分もありますが
基本的に出資は、タイアップ程の
メリットは無く、クレジットのみが大半です。
制作とは?撮影現場の分類
では、制作とは何かと言うと?
撮影現場のスタッフは、一般の人には
スタッフは、スタッフに見えると思いますが
現場ではスタッフは2分されていて
技術(班)と、制作(班)に分かれて居ます。
技術と言うのは、撮影部、照明部
録音部、美術部、や、アクションや
特撮などは火薬などを扱う操演部など
実際に画を作るスタッフを「技術」と言います。
制作はと言うと、監督、助監督
セカンド~、プロデューサー
アシスタントプロデューサーなどの
スタッフを、「制作」スタッフと言います。
ロケの許可を取ったり、スタッフや
俳優の弁当の手配、時には交通整理や
野次馬の対処、消防車や医師を
スタンバイするなど
直接「画」には映らない事で、映画を作る
スタッフを主に「制作」と言います。
なので、ロケ中に本物の警官が許可証
見せてくださいなどと、撮影クルーに
言って来たりしますが
制作は「あっちです」と言うと
許可証を見て解るような人は、制作スタッフ側に行きます。
映画会社と製作会社の違い?
「製作・○○委員会」て?
映画って映画会社が作ってるんじゃないの?
と、いう方も居ますよね。
そういう映画もあります。
残念ながら、今は…少ないですが。
これは「配給」を誤解している場合が大半です。
配給とは
例えば、東映アニメーションのアニメ
番組を、テレビのTBSや日テレ
フジテレビ、テレビ朝日などで放送したとします。
その場合
製作が>東映アニメーションで
放送局が>配給と言う事になります。
テレビも、その放送局自体が作る番組
もあれば
製作会社、石原プロや、木下プロ
円谷プロなどが製作して、局に納品するように
映画も、映画会社が自ら作る場合と
製作会社が配給会社のスクリーンを
使って公開する2タイプが存在しています。
もっとも解りやすい例としては、洋画
は、日本の映画会社は配給しているだけです。
○○委員会て、いつから?
「製作・○○委員会」のような
クレジットは、昔の映画を見ても出て来ません。
昔は日本の映画は、撮影所が俳優を
抱えて、1つの会社のように、存在し
ていたので、他社の俳優や、監督など
が、自由に行き来する事もありませんでした。
簡単に言えば、野球やサッカーチーム
と同じで、例外的に移籍やレンタルは
在っても、基本は1つのチーム(撮影所)に収まるように
東宝なら東宝、東映なら東映でしか
撮影出来ず出演も出来なかった体制でした。
「製作・○○委員会」のような
出資するスポンサー型式は1980年代に
なって出て来て、増えて行ったシステムです。
○○委員会のメリット・デメリット
○○委員会は、複数のスポンサーから
の資金で、映画が作れる可能性が広がる事が最大のメリットです。
ですが、デメリットは本来の核である
「創造」した製作が、資金を多くは出せない=出して無いので
キャラモノなどの権利や、玩具や
グッズなどの二次使用権利を、多く
出資した企業や、企業家が確保してし
まう事が多く、創造元の製作会社は
あまり経営的に、よくなる事が少ないので
また、○○委員会 で、次回作を
作る事を繰り返す場合が多く
下手すると元の製作会社は赤字になる事もあります。
特にアニメーションは、多くの
スタッフを使う事から、経営や
アニメーターの待遇改善に映画のヒットが関係無いような状態になってしまいます。
まとめ
ただ、○○委員会の
メリット・デメリットを解った上でも、映画にしたい。
映像化したいと言う情熱が、無ければ
資金やスタッフを集める事は出来ないので
○○委員会のクレジットを見たら
実際に「制作」されるまでに、多くの
情熱と努力で、資金を集め「映像化」
した作品なんだと、少し思って貰えたら
製作スタッフは幸いだと思います。