製作とプロデューサーの違いとは?

2021年10月18日

映画銀幕パークジョージ・松田です。

今回は「製作とプロデューサーの違いとは?
についてです。

次のような質問頂きました。

監督の中に、製作とプロデューサーを
分けて記載していますが、違いはあるのでしょうか?

なるほど、確かに単語の直訳としては

製作プロデューサーは、同じと訳されていたりもしますね。

この「訳」的な部分を先に回答すると
これは、単語本来の意味と、映画業界
現実の仕事内容のズレです(^^:

例えば、普通の人も

「今日、携帯家に忘れてきちゃた。」
とか普通に使いますよね。

あるいは

メールしといて!」

など

でも、単語的な意味だと

携帯を忘れて来るなんて、意味不明です。

コレは、携帯電話を「携帯」と略している
のを御互い理解しているから成立していて

訳的に、携帯と言っても英語圏の人には
何???て、ことですよね。(^^:

モバイルフォン=携帯 では無いですよね。

メールも、日本は電子メール
メールと言い、紙の手紙を「手紙」と言いますが

英語では、手紙が=メールです。(^^:

このように、製作=プロデューサー
「直訳的」に疑問を持つのは解ります。

原因としては、訳と約(業界的)のズレ(理解)です。

■3つの製作段階を理解しよう。

では、その業界的な意味を解説する
前提として、映画製作には、大きく分けて
3つの段階ある事を説明しておきます。

全ての解説の基礎なので以下の3つ理解してください。

其の1・プリ・プロダクション

企画から~台本・シナリオ、キャストなどの準備段階

其の2・プロダクション

撮影準備から~撮影の終わりまで。
クランクインからクランクアウトですね。

○○プロダクションと言うのは、映像製作会社と言う事で
現実的には、企画や台本のセクションも在るプロも在りますが

ようするに、製作資金は映画会社や代理店、テレビ局が出して
上映(公開)や、放送も、映画会社(配給会社)や
テレビ局が行う、またはソフトの販売も販売する別会社
すると言う意味で、○○プロダクションと言う会社名にしています。

其の3・ポストプロダクション

編集や音入れ、ダビングなどのクランクアウトから完成まで。

これも、2のプロダクションにセクションを持つとこも
無くは無いですが、予算的に言うと「其の3」予算
目安が着く段階で、其の1は有名脚本家や俳優で、予算
大きく変わり、台本も国内が舞台なのと、海外ロケでは
予算は変わります。

其の2も、撮影日数やスタジオの大きさ・数
スタッフやカメラの数などで、大きく予算が動く段階で1.23は予算で異なります。

この3つの段階がある事を、まず覚えてください。

■プロダクションとプロデューサーの関係と役割は?

例外は沢山あるので、スタンダードな関係として
書きますと、プロダクション(会社)は
プロデューサーを、立てます(雇います)ので
上下関係で言えば、プロダクション会社
プロデューサー部長です。

で、会社は、其の1其の2予算管理が必要なので
部長>プロデューサーに総予算○○円で、と伝えると
その調整を、其の1と2の段階で予算内に入れるようにするのが仕事です。

一般的には、俳優のキャストなどが仕事と思われて
監督より上みたいに思われますが、それは一部分・一面で

キャスティングは、映画の成功と共に予算を
大きく左右するので、そう思われがちですが
トータル的には、予算的に製作を管理するがメインです。

また、逆に其の3には、プロダクションや会社側は
日本の場合は、予算が大きく左右しないので
プロデューサーは、時々宣伝活動までお休の方も居ますが

殆どは、其の2で御役御免になり>別の映画の其の1に入ります。

プロダクションの場合は、これをラインプロデューサー
などと言う場合も在りますが、詳しくは次の種類にて書きます。

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■プロデューサーの種類

普通のプロデューサーの頭に何か付く
肩書も見た事や、聞いた事があると思います。

 

1.ゼネラルプロデューサー(GP)

2.アシスタントプロデューサー(AP)

3.エグゼクティブプロデューサー(EP)

4.ラインプロデューサー

1と3は、よく映画ファンなら見聞きすると思います。

●ゼネラルプロデューサー

これは、製作総指揮と同じでプロデューサー以上に
ある意味、全体に権力を持っていると言う感じです。

●アシスタントプロデューサー

これは、字のままでプロデューサーの
アシスタントですが、漢字だと製作進行と略同じです。

●エグゼクティブプロデューサー

これは、特撮だとか、CG、アクションなど
○○組の中でも、セクションが分かれるような
映画や作品での製作現場での権限を持ったプロデューサーです。

例えば、俳優や特撮監督、監督
スポンサーが、別々の意見を言う場合などが
多種セクションの映画には、発生するので
その時に、Aを採用、またはB、Cは却下などジャッジする立場です。

漢字だと「監修」が略同じ意味です。

例えば、ウオルトディズニー
ウルトラマンでの円谷英二などが
YESと言えば、スタッフが反論せずに
この人が言うなら、そうしようと言うくらいの方です。

●ラインプロデューサー

これは、上の項目で書いたように
其の1と2予算的なコントロールを任されたプロデューサーです。

其の3には、事実上居ないプロデューサーですね。(^^:

■製作と製作主任、製作進行と製作総指揮

では、よく目にする似た「製作」の入った
ポジションは?と思う方も居ると思います。

日本の場合の「製作」は、製作担当と言われ
プロデューサーの下に位置します。

つまり、横文字ならAP(アシスタントプロデューサー)です。

なので助監督がチーフからセカンド、サードと
複数居るような大作映画では

このAPも多く居ます。

ですから、チーフを製作主任と言う場合が大半で
製作進行は、時間だったり、セクション事に配置されたAPさんです。

ですが、製作総指揮は、まったく別で
ゼネラルプロデューサーと同じく
作品の全てに置いての権限を持っている
監督や、プロデューサーよりも上と言う感じのポジションになります。

■ハリウッド映画のプロデューサーとは?

海外に多く、特にハリウッド映画では
監督製作を両方1人が行う方が多いです。

これは、ハリウッドは監督に編集権利が無い!

此れにつきます。

日本は、監督脚本は1人でと言う形が多く
編集は監督が、やる(指示する)のが
当たり前なので「監督製作」と言う方は、あまり居ません。

ハリウッドの監督は、まんまディレクター
本来の漢字表記のニュアンスは

演出」なんです。

なので、自分で撮影した映像(フィルム)を
別の人(制作)が、編集してしまうのが
嫌な監督は「監督製作」を選ぶ人が多いですが
新人では、なかなか難しいのが現状です。

■まとめ

以上のように、ハリウッドの場合少し仕事内容が
文字表記の意味では、日本とは異なります。

体制や予算が大きいので、製作システムとしては
ベストなのかもしれませんけども

監督=その作品、と言う意味では
日本映画のように編集権利まで在る事を
望むと言うのが、アーティスト心理なんだと思います。

一方で、商業映画は予算(時間)の管理
重要な柱なので、欠かす事は出来ませから

その国(規模)に、合わせた管理体制から
クレジット表記が異なって存在しています。

日本の場合のプロダクション製作の場合は
プロデューサーは、其の1.2ラインプロデューサーです。

それ以外は、其の1~3製作総指揮的な意味のプロデューサーです。

海外の場合は、大半が製作とは編集権利が主で
プロデューサーは、ラインプロデューサー率が高い内容です。

ただ、どちらも個人で違い、現場に1回
来ないプロデューサーも居れば、毎日来て
クチを出すプロデューサーも居るので
その違いまでは、クレジットされません(^^: