お薦め名画「ランボ―怒りの脱出」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
ランボー怒りの脱出
です。
スタローンの肉体やアクションが
ピークの時の作品で、後に大ヒット作を
連発するジェームズ・キャメロンが
脚本的にはターミネーターの前に
書いた大ヒット作の様子を当時の事を交えて書いてみます。
■ランボ―2では無い2作目?
この映画のタイトルは、複雑で・・・
ランボー怒りの脱出
ランボーⅡ怒りの脱出
ランボーⅡ
ランボーファーストブラッドⅡ
と、どれも間違いでは無く
現在では、公開時の
「ランボー怒りの脱出」を
使う事が少なく…略無く
ランボーⅡで、アメリカでも
日本でも通じてしまい、使用される%が高い作品です。
そもそも、ランボーの1作目が
公開されたのは、日本だけでした。
と、言うと変なのですけども(^^:
1作目のタイトルは「ファーストブラッド」
と、アメリカで言い、邦題が「ランボー」でした。
つまり2作目の時に、本国アメリカが
日本のタイトルを採用した為に
ランボー・怒りの脱出
と、言うタイトルに変更したのが本作です。
ですので、公開当時は製作国的には
ランボ―がタイトルに入る作品としては
1作目になるので、3作目が登場した時に
ランボ―Ⅱと入る可能性があった事から
公開当時は、ランボーⅡとは表記するのを
日本では辞めていました。
ですが、3年後に3作目が公開されると
RamboIII
と、言うタイトルになった為に
1988年からは、この2作目をランボーⅡと
言ったり、映画誌などに記載されるように
なったので、現在はランボー2で両国で通じます。
アメリカ的には
1・First Blood
2・RAMBO First Blood
3・RAMBO III
と、言う感じで
日本の方1982年と、早くからランボ―だった
シリーズで、アメリカ的には変更された
シリーズと言う作品になっています。
英語題名にランボーが使われたのは本作からである。
■シリーズ最大のヒット作のねじれ
1作目は少し暗いベトナム戦争の影が濃い作品
でしたけども、2作目は脚本にジェームズ・キャメロンが入り
娯楽要素の高い作品に変化しています。
そのテンポ、展開、見せ方などから
シリーズ最大のヒットを記録したのが
ランボ―2です。
ですが…1作目の続編として見た人には
その娯楽への変更が、ややネックになって
続編として受け入れるのに苦労した人も居ました。
その為に、この年のゴールデンラズベリー賞
で最低作品賞を受賞します。
ですが、娯楽として面白いと前作の倍以上の
興収成績をあげる大ヒットになります。
こういう上なのか下なのか解らない評価を
するところも、アメリカらしいのですが
同時に、大ヒット映画で最もノッている
スタローンの作品からも、注目が凄く
ゴールデンラズベリー賞
と、言うマイナスな賞を楽しむ文化がある事を
世界や日本が知るキッカケになった作品で
ゴールデンラズベリー賞自体が、この作品で
有名にしてもらった作品で、感謝しないと
いけない作品になってしまいました。
この上だか下だか解らない、大ヒット作は
シルヴェスター・スタローンのモノマネを
する人が増え、日本でもモノマネする芸人が
出た程で、アメリカではテレビ番組や
ドラマ、映画の中でも、ランボーの真似をしたり
パロディーのシーンが多く撮影され
けなしつつも…どこか楽しんでリスペクト
される、本当にアメリカに愛されるキャラに
ランボ―が成った現象が起きました。
■ジェームズ・キャメロンとターミネーター
ランボー1作目の後に、2作目の脚本を
まだ、無名に近いジェームズ・キャメロンに
プロデューサーのマリオ・カサールと
アンドリュー・G・ヴァイナは書かせています。
キャメロンは、初監督作品殺人魚フライングキラー
を撮り終えて、ターミネーター制作資金
を模索していたので、コレを受けています。
結果的に言えば、公開順は脚本や準備など
から異なりますが、ランボ―が無ければ
ターミネーターは生まれて無かったかも
しれない関係でした。
ただ、シリーズと言う事からもスタローンが
この脚本に、ランボ―のキャラ的な要素を
加減して、脚本が完成しています。
冒頭ランボーは刑務所にいるのも、キャメロン
は精神病院にいると書いていますが、この案を
ターミネーター2で使っています。
もし、スタローンがOKしていたら・・・
ターミネーター2が、変わっていた関係にあります。
もっとも大きな変更点は、ランボ―に
バットマンにロビンという相棒が居る
ように、ブリューワーという、お喋りな
マッチョのキャラを書いていて
このキャストを、スタローンが1983年に
サタデー・ナイト・フィーバーの続編として
監督・脚本したステイン・アライブの主演
ジョン・トラボルタを予定していました。
これも・・・タラレバでは解らないですが
孤高の戦士ランボーに変更して、相棒無しに
したのは、正解だったと思います。
全体的には、ジェームズ・キャメロンの
娯楽大作に変更した、展開は大ヒットした
事からも、大正解でジェームズ・キャメロンは
ターミネーターに続き、ハリウッドに
欠かせない映画人に育っていきました。
■まとめ
1985年の夏の大作として何故か?
ランボ―2は、アニメのルパン三世
バビロンの黄金伝説と、セットで売り込んでいました。
ルパンの方が1ヵ月程早い公開なのですが
なぜか2つを並べて宣伝していました。
7月には、邦画のビルマの竪琴を
フジテレビが製作し東宝が配給した
作品がヒットしていて、戦争を背景に
していても真逆な作品のランボー2でしたが
公開すると、そのストーリーの
面白さで評判をよび大ヒット!
配給収入25億円を達成してしまいました。
いろいろ関連や、こじれた作品ですが
内容は、シンプルな脱出劇で解りやすく
ランボ―がヒーローとして描かれた
快作で、グリコ・森永事件やロス疑惑など
暗いニュースが多い中に、日航機便墜落事故
など現実が重い時に、94分楽しめる映画が
日本でも受けたのだと思います。
今でも、この作品はスタローンの肉体や
アクションの最高潮の時で、キャメロンの
才能が花開いた作品として楽しめる作品で
この2作目のヒットが無ければ、後の
エクスペンダブルズシリーズも、無かった
かもしれない作品なので、未見の方は是非見て観てください。
![]() JAN: 4988102212575 時間: 96 分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 ジョージ・P・コスマトス
原案 ケヴィン・ジャール
原作 ディヴィッド・マレル
製作 バズ・フェイシャンズ
製作総指揮 マリオ・カサール
アンドリュー・G・ヴァイナ音楽 ジェリー・ゴールドスミス
主題歌 「Peace in Our Life」
フランク・スタローン
撮影 ジャック・カーディフ
編集 マーク・ゴールドブラット
マーク・ヘルフリッチ
製作会社 カロルコ・ピクチャーズ配給
アメリカ合衆国 トライスター
日本 東宝東和公開
アメリカ合衆国 1985年5月22日
日本 1985年8月3日上映時間 94分
製作国 アメリカ合衆国製作費 $44,000,000
興行収入
$150,415,432アメリカ合衆国カナダ
$300,400,432[1] 世界
配給収入 25億円 日本
■キャスト
ジョン・ランボー シルヴェスター・スタローン
サミュエル・トラウトマン大佐 リチャード・クレンナ
マードック司令官 チャールズ・ネイピア
ポドフスキー中佐 スティーヴン・バーコフコー・バオ ジュリア・ニクソン
エリクソン マーティン・コーヴ
バンクス アンディ・ウッド
タイ軍曹 ジョージ・チェン
ヴィン大尉 ウィリアム・ジェント
キン大佐 ダナ・リー
ユーシン軍曹 ボージョ・ゴーリク
ライファー スティーブ・ウィリアムス
刑務官 トニー・ミュナフォ