お薦め名画「ロッキー3」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
「ロッキー3」です。
ロッキー2では無くて、ロッキー3です。
シルベスタースタローンを知らない
映画ファンは居ないと思いますし
一般的にも多く知られる俳優で監督ですが
ロッキー1は、ロッキーバルボアの
起死回生作品でしたけども
このロッキー3は、シルベスタースタローン
自身の起死回生作品になった勝負の作品でした。
日本では500円札が500円玉に入れ替わる頃
3年のブランクから公開された、ロッキー3の頃を書いてみたいと思います。
■リアル起死回生
スタローンは、ロッキー1(1976年)
のヒットの後、自身の脚本で2年後に
フィスト(1978年)を公開し、自身で
脚本と監督したパラダイス・アレイも同年に公開しますが…
フィストはロッキーの5分の1
パラダイス・アレイは、それ以下と言う
興行収入で、続編のロッキー2を公開しますが…
ロッキーの7倍近い製作費を使い
ロッキーより1桁少ないと言う興行不発は
スタローンにとっては致命的なWパンチでした。
普通の俳優や映画人だと、略このまま
フェードアウトするのが普通です。
ですが、このロッキー2の失敗の挽回に選んだのが・・・ロッキー3でした。
もう、このロッキー3が失敗したら
少なくとも、今のシルベスタースタローンは
居ないと言える程の勝負の1本になります。
本当全てを、この作品に賭ける事に決め・・・
3年の時間と、ロッキー2の製作費760万$に
対して、2倍以上の予算1600万$で人生の勝負に出ます。
ロッキー3は、まだ続編のイメージや
映画のシリーズ化と言うものが
一般的に良いイメージが無い…つまり
パート1よりも、つまらないと言う概念で見られてる時代なので
正直、またロッキーやるの?と言う感じが公開前の雰囲気でした。
なので、あまり大きな劇場で公開され
なかったり、されても2週間くらいで
近くの同系列の小さい劇場に変更になりました。
ですが、配給側の公開策に反して
公開されると、ロッキー3は評判になり・・・
しだいに、小さな劇場には列が出来てしまい
週末などは大劇場と両方で公開する
など変った上映になるくらいで
見事に鍛え上げた肉体と共に、内容で
みごと、ロッキー1を超える大ヒットに導きます。
■奇跡のスローモーション
ロッキー1は内容的に、マッチした肉体
でしたけども、ロッキー2とロッキー3の
スタローンの体を見れば、一目瞭然で
圧倒的に鍛え上げられた体で
スタローンが必死で、この映画に賭ける本気度が解ります。
特に、アポロと砂浜を走るシーンは
砂浜を走る人を、スローで撮影した事が
ある人は解ると思いますが・・・
例えばプリンを皿の上に置いて皿を
揺すれば、揺れますが
その柔らかいプリンの上に、もう1つ
プリンを置いたら、上のプリンは
さらに揺れますよね。
それと同じように、砂の上を走る人を
撮影すると、予想以上に体の肉は揺れ
るのですが、スタローンは其れを知って
いて、撮ったのだと思いますけども
このシーンのスタローンは、頬が少し
揺れる程度で、殆ど「肉」が揺れずに
走る姿を披露し、アスリートやボクサー
もだと思いますが、カメラマンも
このシーンには驚いた人が多いと思います。
もう1度鍛え直して挑む、スタローンと
ロッキーバルボアが、1つになった記録のようでもあります。
スタローンのこの時の体脂肪率は
今ほどの正確な計測器は無いのですが2.8%を切っていたと言われます。
■ロッキーブロンズ像
スタローンも、ロッキーも返り咲く
象徴として、監督スタローンが用意
したシーンは、フィラデルフィアの
美術館正面玄関前の階段に置かれた
ロッキーのブロンズ像のシーンでした。
今でも、本当にブロンズ像が置かれ
多くの観光客が訪れますが・・・
意外にも、後のスタローンやロッキー
の活躍やヒットから設置されたと思っている人も多くいます(^^:
ですが、ブロンズ像はロッキー3の
シーンの為に、スタローンが依頼し
彫刻家のA.トーマス・ショーンバーグに
よって作られています。
撮影後に、ブロンズ像を美術館に
寄贈しようとしますが・・・
まだ、ロッキー3公開前なので美術館は、コレを拒否します。
しかし、・・・・ロッキー3が
公開され、スタローンの本気と
このシーンを見た観客は…
この美術館の対応に反発し、市民が
憤慨して、屋内競技場のワコビア
スペクトラムの正面に設置される事で決着します。
ですが、ロッキーは、ロッキー3で
終わらずにロッキー4、ロッキー5と
続く中で、世界がシリーズとして
映画史に残る名作と認めざる得ない作品に育った為に
ロッキー5の撮影で、フィラデルフィア
美術館正面階段に戻され…撮影終了後には
美術館は、その像をどけようとしませんでした。
■まとめ
ロッキーシリーズは、映画なので
ボクシングシーンは、映画の中でも
ラウンドが略して上映されますので
全てのラウンドを、撮影する事は基本ありません。
ですが、このロッキー3だけは試合の
すべてのラウンドを撮影しています。
その為に、スタローン監督は試合だけで
10日間も時間を使って、フィルムを廻し続けています。
勿論、本当の試合では無い分部も
ありますけども、逆に本当の試合よりも
体力を使うので、普通のボクサーが
10日も行う事は無理だと思いますが
スタローンは主演と、監督として
共演者やスタッフに指示し続けた
撮影は、本当に命がけだったと言います。
もう1つ。、この映画を大ヒットさせた
要因は、音楽にサバイバーを起用した事で
アイ・オブ・ザ・タイガーは、この
映画を見た観客がレコードを買い求め
全英・全豪でも1位の売り上げを記録し
グラミー賞の最優秀ロック・パフォーマンス
部門を受賞する程の大ヒットになります。
私も1枚買いました(^^:
この映画に出ている日本でも当時
大人気のプロレスラーハルク・ホーガンも
自身の入場曲に、アイ・オブ・ザ・タイガーに変更
今でも多くの、バラエティ番組などで
頑張る時、勝負に出る時などに
ディレクターが、選ぶ曲として
流れてくる程に、強烈なインパクトを
観客に与える事に成功しています。
そんなサバイバーの曲と共に、1人の
俳優で映画人が、命がけで撮影した
ロッキー3は、是非未見の方は見てみてください。
見終ると、見の周りに黄色い物が増えるかもですけども☆
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■作品データ
監督 シルヴェスター・スタローン
脚本 シルヴェスター・スタローン
製作 アーウィン・ウィンクラー
ロバート・チャートフ音楽 ビル・コンティ
撮影 ビル・バトラー
編集 ドン・ジマーマン
マーク・ワーナー
製作会社チャートフ/ウィンクラー・プロダクション
ユナイテッド・アーティスツ配給
アメリカ合衆国 MGM/UA Entertainment Co.
日本 UIP公開
アメリカ合衆国 1982年5月28日
日本 1982年7月3日上映時間 99分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 1600万$興行収入 アメリカ合衆国 $125,049,125
世界 $270,000,000
配給収入 日本 16億7000万円
■キャスト
ロッキー・バルボア シルヴェスター・スタローン
エイドリアン タリア・シャイア
ポーリー バート・ヤング
アポロ・クリード カール・ウェザース
ミッキー バージェス・メレディスクラバー・ラング ミスター・T
サンダー・リップス ハルク・ホーガン
デューク トニー・バートン
ロッキー・ジュニア イアン・フリード