お薦め名画「ロッキー4」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
ロッキー4
です。
ロッキーシリーズ最高の大ヒットを記録した
シリーズの最高峰の作品です。
*米ソ冷戦時代と言われた時代の
中で製作された、ボクシング映画で
ありつつも、当時のグローバルな
視点で描かれた作品に、世界中が
注目した当時の様子も交えて書いてみます。
*現・アメリカとロシア
■アメリカ映画鑑賞方
ロッキー3は、アメリカの公開と
日本の公開時期の差は、
アメリカ合衆国 1982年5月28日
日本 1982年7月3日
と、約1ヵ月強(6月分+)くらいでの
配給に成功していますが・・・
このロッキー4で、大失敗しています。
ロッキー3が最高峰と見たのか?
ロッキー4は
アメリカ合衆国 1985年11月27日
日本 1986年6月7日
半年以上の差による公開になってしまいました。
私は、アメリカでも日本でも
見ましたが、世界中で大ヒットして
行く中で、日本の遅れは・・・
もどかしいだけでした。
前評判からの盛り上がりは凄く
ニューヨークのマンハッタンの映画館で
見ましたけども、私も…超一級の
アメリカ映画の配収に全力な姿は
これ以上のものは見た事が無いです・・・
まだ、シネコン時代では無く1つのビルの
映画館1~5階までが、全てロッキー4で
1階の映画館前に並ぶ列も、15~20分待ちで
続々と、終わった映画館の階に
吸い込まれて行く方式を取っていて
次の上映まで2時間以上待つような
日本の当時の映画館とは、本当に桁違いでした。
しかも、その15~20分の待ちの時間の列では
何をするかと言うと、ロッキーコールの練習です!
野球の応援で応援団長的な人が、応援を
指揮するように、熱心なロッキーファンが
先導してロッキーコールを練習します。
みんな楽しそうで熱狂し、車輌の路上に
ハミ出たりする者もいるのですが
*白馬の警官隊が、2名ほど来て出た人を
注意するのかと思うと、車の方を車線変更
させて、ロッキーファンに楽しんで♪と
声をかけて、白馬で去っていきます。
日本との違いは、こんなとこにも見られます。
*タイムズスクエア周辺の警官は、馬に乗って
移動している機動力(渋滞時)を持った警官がいます。
映画館のスクリーンサイズも、当時の日本の
70ミリは、35ミリフィルムを横にしただけの
ある意味、嘘の70ミリでしたが
アメリカの70ミリは、本当にカメラから
映写機、スクリーンまでが倍のサイズで
その上、ロッキー4に与えられた劇場は
最大級の最新の劇場なので、そのサイズと
設備に劇場に入っただけで圧倒されました。
意外に?日本に来そうな映画は、あまり海外で
見ないので、超メジャー映画は飛行機の中くらいでした(^^:
もちろん、毎度驚くポップコーンのバケツの
サイズと量の凄さと、コーラのサイズと甘さ
もありますが・・・
何より、上映が始まると、ロッキーが登場
するだけで、もの凄い観客の声援が飛びます!
日本のおとなしく見る観賞も嫌いでは無いですが
アクション映画は、やはりアメリカのように
声出しで見るのが好きです。
日本でも少しは、そういう上映も限定で行われ
て来ていましたが、今は…またコロナで途絶えて
しまっていますが、作品内容で分けた観賞が
出来るようになるといいと個人的には思います。
音が渦をまくと言うのは、実感した事が
なかったのですが、ロッキーバルボアの
コールで、巻き上がる歓声は見えないですが
渦を巻いている中にいました。
勿論、試合が始ると、凄い歓声が増し
トレーニングシーンで、ロッキーがソ連の
ベンツを引き離すと、「YES!!!」と
一斉に声が上がり、立ち上がる人が居るくらいで
ロッキーが試合で打たれると
前の席の黒人のふとったおばさんが凄い顔で
振り向いて来ます!
まるで息子が殴られtような顔ですが
直ぐに前を向いて~
「Counterattack!!!」(反撃しなさい)とか
怒鳴っています。
ドラゴのブラックぎみなプレイには
大ブーイングで、NO!!!!の声で
床が揺れてる気がするくらいです。
ロッキーが、反撃に転じると今度は後ろから
いろいろなモノが飛んで来ます!
ポップコーンや、紙コップなどが宙を舞う中
大声援で、スクリーン手前側が試合会場の1面に変化します。
終わると、涙してハグする人や
ハイタッチする人、誰だか知らない人とも
握手やハイタッチしながら、1階まで降りました。
半年後に、日本でもおとなしく同じ映画を
2倍近い料金で見ましたが、同じ映画
なんですけども、同じ映画とは思えない
くらいの大きな違いがあった「観戦映画」でした。
■映画サウンドトラック
ただ、おとなしく見た日本人にも
ロッキーの熱い戦いは伝わり
ロッキー4の映画のサウンドトラックは
公開から1ヵ月経った7月7日付から
オリコン洋楽アルバムチャート全体の中で
で4週連続1位を獲得する大ヒットを記録します!
この記録からも、日本のロッキー3から
ロッキー4への配給「差」は、失敗だったと感じます。
大ヒットシリーズの中の最大ヒット作
なんですから、あたりまえなんですが・・・
この映画のサントラの曲は、30年以上
経った今でも多くのアスリートの
入場曲や、練習などに使用されたり
テレビなどでも使用され続けています。
シルヴェスター・スタローンの
肉体も最高潮の時だった事からも
多くのジムや、トレーニングの時に
流す曲としても使用されていますし
当時買ったアルバムを手放す人も少なく
映画と共に愛され続けています。
私のCDラックにも、スマホにも入って
いるのに収まっている1枚です。
■国民的ヒーロー
スポーツ選手などが、国旗を纏う
と言う行為は、無かったわけでは無い
ですけども、このロッキー4での
アメリカの国旗を纏うシーンは
強烈なインパクトがあり
1ボクサー対1ボクサーの対決
なのですが、戦争では無く
スポーツでの対決を、見せてくれた
事には、様々な事を当時の人は思い考えました。
当時のアメリカの大統領
ロナルド・レーガンは
シルヴェスター・スタローンを
ホワイトハウスに招いて
本作を上映し観賞した事も
世界のニュースになった作品です。
大統領も、その内容を絶賛した事で
更に観客が増え続けた・・・
異例中の異例の作品です。
一方で、芸術的観点では、批判する
人もいましたが、批判しつつ・・・
面白いと言う人が多く(^^:
最低の映画を選ぶゴールデンラズベリー賞
で、10部門中8部門にノミネートされ
5部門を受賞するという記録も
持っていますけども、こういう見方も
否定しないのも、アメリカです。
アメリカでCMを見ると毎回、日本と
違う、ライバル会社との比較に
笑ってしまいますが・・・
有名なコーラの2台メーカーの
トラックが競争して、1社が勝って
1台は谷底に落ちてしまうなどが
露骨に、そのままのカラ―とロゴで
表現されたりまします。
日本は、せいぜい自社の前製品との
比較くらいで、ライバル社の製品を
出す事はありえませんが
ライバルを完全に明確にして
強さをアピールするのはアメリカンスタイルです。
■まとめ
日本では、この映画の予告に
2つのお互いの国の連想させる
グローブがぶつかり爆発させる
予告が流れていましたが
逆に、これはアメリカには無い
予告で、実在の国なので・・・
ある意味、流せない予告です。
この映画のアメリカ公開後、日本公開
の2ヵ月前に、ソ連では
チェルノブイリ原子力発電所事故が起き
ソ連海軍の戦略原子力潜水艦K-219が
原子炉の暴走事故を起こし
アイスランドのレイキャビクで
レーガン大統領とゴルバチョフ書記長
による米ソ首脳会談が開催され
冷戦終結に本当に向かって行きました。
この映画は、ボクシング映画ですけども
当時の冷戦の背景を少し思い浮かべ
見てみると、違った側面が見えるかも
しれませんので、未見の方は是非見てみてください。
![]() JAN: 4988142357410 時間 91分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 シルヴェスター・スタローン
脚本 シルヴェスター・スタローン製作
アーウィン・ウィンクラー
ロバート・チャートフ音楽 ヴィンス・ディコーラ
撮影 ビル・バトラー編集
ジョン・W・ホイーラー
ドン・ジマーマン配給メトロ・ゴールドウィン・メイヤー/UA=UIP
公開
アメリカ合衆国 1985年11月27日
日本 1986年6月7日上映時間 91分
製作国 アメリカ合衆国
製作費 3400万$
興行収入
$127,873,716アメリカ合衆国
$300,473,716世界配給収入 日本 29億8000万円
■キャスト
ロッキー・バルボア シルヴェスター・スタローン
エイドリアン タリア・シャイア
ポーリー バート・ヤング
アポロ・クリード カール・ウェザース
イワン・ドラゴ ドルフ・ラングレンルドミラ・ドラゴ ブリジット・ニールセン
デューク トニー・バートン
ロッキー・ジュニア ロッキー・クラコフ
ニコライ・コロフ マイケル・パタキ
ジェームス・ブラウン