お薦め名画「ロジャー・ラビット」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
ロジャー・ラビット
です。
ロジャー・ラビットは、1988年の作品で
実写俳優とアニメーションを合成する
形式の作品としては、当時は過去の同形式から間が空いていて
少し古臭い手法のようにも思えたり
逆に、新しくも思える少し不思議な
手法の映画として公開された作品でした。
まだジュラシック・パーク1990年の
前なので、CGと言うのは使えるレベルでは
確率されていないのと、当時のコンピューター
では、時間(予算)が凄く掛かるものなので
CGが使えないでの形式の最後の大作だと思います。
そんな変わったロジャー・ラビットを
当時の技術で、ロバート・ゼメキスと
スティーヴン・スピルバーグが映画化した
様子も交えて書いて見ます。
■実写にアニメーションを合成
ロジャー・ラビットは、まず最初に
俳優さんがセットなど実写の背景で
演じた映像に、後からアニメが合成され
完成させる順序で製作されました。
その為に、監督やカメラマン、俳優は
想像で、そこにアニメキャラが居る
イマジネーションをフルに使い演じて
撮影しなければいけませんでした。
映画の画面は、2Dの平面ですが撮影現場は
立体ですから・・・その想像は、2Dアニメが
合成される事をイメージするのが難しいと思います。
私も子供番組で、実写の俳優さんと
野菜や電化製品などの模型を合成した
事がありますが・・・サイズや動きを
想像する事は、絵コンテでは計り知れないものがありました。
この年、ドラゴンクエストIIIが販売され
まだまだ、プレイ画面は平面的で
キャラは画面側(プレイヤー側)を見ながら
歩き、90度に曲がり、バトル画面も
特に立体的では無い頃なので
立体的なイメージ力は、一般の観客も
弱い時代だったので、ロジャー・ラビットの
予告映像を見た最初の印象は、アニメや
アニメとのマッチング(影など)に凄い
立体感を感じれた時代です。
また、アニメキャラが実写の物を持つ
ようなシーンは、アナログで釣り糸や
パペットを操り演じる人形プロのパペッター
に頼んで動かしたり、専用のロボットなどが作られています。
■幻のスーパーマンやアニメスター
このロジャー・ラビットには
ディズニーも製作に入って居る事から
ミッキー・マウス、白雪姫、ダンボな
ディズニー・キャラクターや
バッグス・バニー、ウッドペッカー
ベティ・ブープなどの誰もが知る
アニメ界のスターキャラが登場しています。
ですが、諸々の事情から脚本の段階では
登場しているマイティマウスや、アニメの
スーパーマン、トムとジェリーや、ポパイは
残念ですが、そのシーンごと無くなってしまっています。
逆に、ロジャー・ラビットの設定は
1947年のハリウッドなので
ロードランナーやワイリー・コヨーテ
ティンカー・ベル等、1947年には
まだ、誕生していないキャラも登場
していますがそこの部分は1988年の
映画として描かれていて、詳しい
アニメファンには、違和感かもしれませんが
時代錯誤は特に問題にせずに、登場している
事を楽しんで見るのが、ロジャー・ラビットの
見方かもしれません。
■ディズニーと時代
ディズニーランドにアトラクションが
あるので、ディズニーの作品として
CGアニメなどが当たり前の近年に見る
方も多いと思いますが
主人公のボブ・ホスキンス演じる
私立探偵バリアントは、中年男で
ディズニーの主役には・・・やや遠いです(^^:
ロジャーも、良い子では無く…
けっこう危ないヤツです(^^:
人も死にますし、今では考えられないほど
喫煙シーンもあります。
1988年は、営団地下鉄(現・東京メトロ)が
やっとホームの終日禁煙にしたくらいで
まだまだ、日常のどこでもタバコを吸う
人が普通に居た時代でした。
日本では、この年から日本テレビ系で
それいけ!アンパンマンが放送開始に
なっているので、子供向けアニメの
表現や言葉などが、この後に制作者側も
いろいろ配慮するようになって行きます。
ロジャー・ラビット製作のメインは
タッチストーン・ピクチャーズと
スピルバーグの
アンブリン・エンターテインメントで
シルバー・スクリーン、パートナーズⅢや
ウォルト・ディズニー
フィーチャー・アニメーション
製作的にはメインではなく、後の権利的な
印象で、ディズニー作品と思われるので
今、ディズニー作品として見ると少し
驚いたり、違和感があるかも知れません。
特に残酷だとか言う事は無いのですが時代だと思います。
■まとめ
ロジャー・ラビットは、日本では
年末の娯楽大作として、クリスマスに
合わせ、グッズ販売も合わせて展開
されヒットしています。
チラシやポスター、この頃は映画館に
看板が毎回書かれていた絵も、立体的な
合成技術や、フィルムの二次元と三次元の
共演を、前面にした売り方で
意外ですが・・・
バック・トゥ・ザ・フューチャーの
ロバート・ゼメキスとかスピルバーグの
名前は、それ程前に出さないプロモーションでした。
またディズニーランドのトゥーンタウン
エリアは、このロジャー・ラビットの街を
ベースに造られているので、未見の方は
ディズニーランドを楽しむ為にも
1度は、見ると楽しめる映画です。
![]() ASIN : B00CB6RM3E 時間 : 1 時間 44 分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 ロバート・ゼメキス
アニメーション監督
リチャード・ウィリアムス脚本
ジェフリー・プライス
ピーター・シーマン原作 ゲイリー・K・ウルフ
製作
フランク・マーシャル
ロバート・ワッツ製作総指揮
スティーヴン・スピルバーグ
キャスリーン・ケネディ音楽 アラン・シルヴェストリ
撮影 ディーン・カンディ
編集 アーサー・シュミット製作会社
タッチストーン・ピクチャーズ
アンブリン・エンターテインメント
シルバー・スクリーン・パートナーズⅢ
ウォルト・ディズニー・フィーチャー・アニメーション配給
アメリカ合衆国カナダ ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ
日本 ワーナー・ブラザース公開
アメリカ合衆国カナダ 1988年6月22日
日本 1988年12月3日上映時間 103分
製作国 アメリカ合衆国
製作費 $70,000,000
興行収入アメリカ合衆国 $156,452,370
世界の旗 $329,803,958
配給収入日本 14億4600万円
■キャスト(人間)
エディ・バリアント ボブ・ホスキンス
ドゥーム判事 クリストファー・ロイド
ドロレス ジョアンナ・キャシディ
マービン・アクメ スタッビー・ケイ
R.K.マルーン アラン・ティルヴァーンサンティーノ警部補 リチャード・ルパルメンティエ