お薦め名画「スペース・サタン」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画はスペース・サタンです。
スタ―ウォーズⅣ公開後、ビデオソフトなども
無い時代、どこの映画館からも消えてしまった
1980年に、SF宇宙モノのロスが映画ファンに
起きた頃に公開されたSF映画です。
スペース・サタンは、SF映画としては
超大作では無いですが、よく出来たSFで
当時見ても、日本の漫画やアニメなどの
スキルがあれば、面白く見れる映画でしたので
当時の様子もコミで書いて見たいと思います。
■宇宙ロス
スペース・サタン公開後(直後)のアメリカ
では、土星の衛星上に建設された
巨大な宇宙基地サターン3が舞台だったり
今ではリアルにビルの中で行われている
太陽光のない野菜などの栽培を研究する
任務など、当時は難しく
スタ―ウォーズのような光線や爆発が
飛び交う派手な戦争映画でも無いので
期待する方向違いもあったと思います。
今のSFスキルだと、ガンダムやアバターを
普通に受け止められますが、当時は・・・
よく解らない=面白く無いとジャッジしたの
かと思いますが・・・
後に4年後に公開されるターミネーターも
ザックリ言えば、ロボットが襲い来る映画で
このスペース・サタンと同じです。
ある意味、まだターミネーターの恐怖の
面白さを知らずに、スターウォーズの
3POやR2のようなロボットイメージで
スペース・サタンを見てしまったギャップも
あったかと思います。
ターミネーターのを監督ジェームズ・キャメロン
もT-800(ターミネーター)は、C-3POではなくて
ペース・サタンのヘクターのように、中に人間が
入っていないことが一目で分かるデザインの
ロボットが欲しかったと言っているように
ターミネーターのモチーフであり、デザイン的
にも、T-800(ターミネーター)よりも
スペース・サタンのヘクターを上に評価しています。
この邦題スペース・サタンは、「Saturn 3」
と言うタイトルが原題で、基地の名前でもあり
3体のロボット、基地に来て3年などの
「3」をキーワードにしているので
スペース・サタンと言う邦題は・・・・
当時のSF宇宙映画が、スターウォーズで
稼げるジャンルであると再認識したのと
宇宙ロスを察知して「スペース」(宇宙)を
入れたかったのは解りましが「3」は
残して欲しかった気がします。
ただ、スターウォーズの御蔭で
アメリカの公開が 1980年2月15日で
日本では1980年10月10日と、当時としては
早い公開になっていましたので
SF映画ファンのロスは、少しは埋められた映画でした。
当時は、作品規模からすると…やや大きな
日劇(現・有楽町マリオン)で見た作品で
劇場からすると、逆に豪華に迎えてた作品
でしたけども、SFスキルのある人には
当時も充分おもしろいSF映画でした。
■監督交替と帝国の逆襲
本作は映画スター・ウォーズⅣの美術を担当した
ジョン・バリーの企画・初監督作品としても
小さな記事が出されていましたが・・・
スター・ウォーズⅣのキャストとは違い
集客的に、既に売れているスター俳優を起用した
事から、撮影スケジュールの調整が上手く行かず
製作担当のスタンリー・ドーネンのチェックが
厳しくなり、ジョン・バリーは監督を降板してしまいます。
監督は、雨に唄えばの巨匠スタンリー・ドーネン
が担当する事で、2人のスターを掌握し製作続行します。
脚本も小説家であるマーティン・エイミスが
代行し脚色、難しい内容を調整しています。
ジョン・バリーは、スター・ウォーズ帝国の逆襲
も控えていた事と、やはり比較されてしまうだろう
プレッシャーもあったのかと思いますが
帝国の逆襲の撮影開始直前にセットで倒れてしまい
そのまま、帰らぬ人になってしまいました。
■イギリスとアメリカ、特撮とドラマ
スペース・サタンは、変わった映画で…
日本ではアメリカ製作の映画になつています。
ですが、海外ではイギリス製作の映画に
なっている珍しい作品です。
日本でも、アメリカ映画という記載にはなって
いますが、イギリスの配給元で版権になっています。
どういう事かと言うと、実際に製作している
会社の場所と、製作資金を出している場所の違いです。
製作しているのは、テレビ特撮で有名な
サンダーバードや、スペース1999などで
知られるITC Entertainmentが製作した作品です。
なので、特撮もよく出来て居ますし
当時は難しいSFも、シッカリ再現されています。
ですが、製作費用を出しているのが
アメリカなので、製作国アメリカとの記載が
日本やアメリカにはあります。
逆に言えば、お金を出しただけで
クリエィティブな製作は、イギリスのITC
なので、SFファンには嬉しい製作ですし
見て置きたい作品です。
なのに、公開後のアメリカでは
ゴールデンラズベリー賞と言う
ややジョークも入ったりした、ワースト映画の
賞の第1回の受賞作品になっています。
コレは、今見ると…当時の一般的な
SFスキルの無さと、アメリカ人が望む
宇宙戦争映画とは、かけ離れた
先取りした宇宙でのターミネーター的な
作品だったからだと思います。
■まとめ
スペース・サタンは、個人的には
よく出来たSF名画だと思います。
スターウォーズに比べればスケール感や
予算などは下ですし、現実の地球の
近未来である、良い意味でも地味な
科学的要素がある作品ですが
この作中の野菜栽培なども実現し
ターミネーターも、その後大ヒットして
いますから、ターミネーター前の
作品として見れば、凄い分部も多くあります。
唯一、欠点があるとしたら…
ファラ・フォーセット(メジャース)が
色っぽすぎる事です(^^:
スターウォーズⅥのレイアの衣装なら
まだ、いいのですが・・・
ファラ・フォーセットのフェロモンが
半端ない事と、ファラ・フォーセットの
初のヌード場面もあるので…
アメリカではR指定を受けている事も
特に男性ファンには、良いのか?
悪いのか?よく解らない部分ですが
作品的には、フェロモンオーバーです(^^:
ただ、特撮はITCなので未見のSFファンは
是非、見てみて欲しい作品です。
![]() HDリマスター版 時間 1 時間 27 分 詳しく見る。 |
■作品データ
スペース・サタン Saturn 3
監督 スタンリー・ドーネン
脚本 マーティン・エイミス
製作 スタンリー・ドーネン
製作会社 ITC作品製作総指揮 マーティン・スターガー
音楽 エルマー・バーンスタイン
撮影 ビリー・ウィリアムズ
編集 リチャード・マーデン
配給 アメリカ合衆国 AFD
日本 東宝東和アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
公開
アメリカ合衆国 1980年2月15日
日本 1980年10月10日上映時間 89分
製作国 アメリカ合衆国
■キャスト
アダム カーク・ダグラス
アレックス ファラ・フォーセット
ベンソン ハーヴェイ・カイテル
ジェームズ ダグラス・ランバート