脚本と台本の違いとは?

2021年10月18日

映画銀幕パークジョージ・松田です。

今回は「脚本と台本の違いとは?
についてです。

脚本台本の違いについて以下のような
説明がネットでは多く書かれているようです。

「台本は役者用に書かれたもので
脚本はスタッフ用の映像設計図です。」

ただコレは?間違いでも無いのですが・・・
「?」で、あって…30%くらいの正解でしょうか?(^^:


私が関係した台本から保存している一部ですが
この中にも、同じ作品なのに3種の台本が在ったりします。

そもそも、脚本と台本の違いとは?
と、いう疑問が起きるのは
ハッキリとした線引きが難しいケースと
ハッキリ線引き出来るケースが在るからです。

例えば、芸能人有名人で「俳優も」
している方を「俳優」です。

と言い切れる人と
俳優と言えば俳優ですが・・・
歌手かも?とか、芸人かも?などと
ハッキリ区別しにくい方が居るのと同じです。

コレを回答としたら意味が無いので(^^:
線引きのガイドラインや傾向と言うような意味と
もう1つ、あまり一般の方が知らない

「撮影台本」と言うのも交えて解説してみます。

■キャスティングオファー脚本

まずは

「脚本はスタッフ用の映像設計図です。」

に、反する部分の説明です(^^:

映画ファンなら、聴いた事がある台詞で

商業映画の場合は、大物スターなどに
出演をオファする時に送る「脚本」と言うのがあります。

「脚本を読んで、出演を決めました!」

と、言う台詞はハリウッドの俳優さん
インタビューなどで聞いた事があると思います。

つまり

「台本は役者用に書かれたもので
脚本はスタッフ用の映像設計図です。」

では、既に無いんですよね(^^:

この脚本と言う形は、ストーリーが解りやすく
書かれていて、極端に言えば小説寄り
印刷では無く、コピー(プリントOUT)だったりします。

内容も、そのオファする俳優さんに合わせて
解説が増減され、相手のキャストやスタッフも
「受けます」と言う返事を貰いやすいように
記載する、もしくは伏せるなどポイントが絞られた脚本です(^^:

この脚本を「台本」と言う俳優さんは…あまり居ません。
居ても、…ある意味、言い間違いに近いです(^^:
逆を言うと、印刷して表紙が無い「形」として
「台本」とは言わない俳優さんも居ますので
発言自体がラインでは無く、内容の事なのですけども。

■台本の形

台本の形について、少し記載すると

脚本家とは言いますし聴くと思いますけども

台本家とは、言わない・聴かないと思います(^^:

この事が多分

「台本は役者用に書かれたもので
脚本はスタッフ用の映像設計図です。」

に、繋がって居るのだと思いますが?

形としても

脚本は「Script(スクリプト)」
訳される事が多く、原作的な意味もあります。

台本は「libretto(リブレット)」
小冊子と言われ「物」的に使う場合があります。

つまり、本読みやリハーサルなど
俳優さんが各自手に持つ「形」として
印刷されて表紙の付いた本状態の「物」
名称としての解釈が「台本」だと思います。

だと、すると…

「脚本はスタッフ用の映像設計図です。」

この部分は、おそらく「撮影台本」の事です。



■台本の表記

撮影台本の説明の前に、台本の表記と
規模(予算)の違いについて書きます。

台本を見た事が在る方は解るかと思いますが

台本は3つの表記で構成されています。

・柱

・ト書き

・台詞

この3つです。

と言うのは、柱のように見える枠の中に
書かれている文字です、(上例・1・○○警察署)

シーン(場所)の事です。

なので、柱にはシーンナンバー
簡単に、夕方とかなどと時間が記載され
場所「○○学校」「○○駅・ホーム」など
が、メインに書かれて居て、その柱から
次の柱までは、その場所での芝居と言う意味になります。

ト書きとは

と、そこにジョー王子が入って来る。

とか

と、アリス姫が部屋を出て行く。

などの動きやアクションを書いた
文字を「ト書き」と言います。

最近は、あまり頭に「と、」は付けませんが(^^:
主に俳優のアクションを書きますけども
複数の俳優が複雑の動きの場合は
動作ではない場合もあります。

もう1つの「台詞」は、説明の
必要は無いと思いますが、基本は言葉です。

ただ、2人以上が同時に言う台詞や
心の声、小声、叫ぶなども台本上に
指定する脚本家も居ますし

監督が脚本を書いてる場合は、自身が
現場で演出すればいいので略す場合があります。

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■作品規模の違い

次に柱、ト書き、台詞は、作品の規模で
変化すると言う事を解説します。

例えば30分ドラマで、オープニングや
エンディング、CMを除いて20分
作品で、予算も少ない場合は以下のようになります。

パターン1

つまり毎回登場する建物の外観
カットなどは、1~3パターンを使いまわしたりまします(^^:

連ドラなども、後半はスケジュールが
タイトなので、学校や会社などがパターン1になりがちです。

パターン2

もう少し予算、時間がある場合は
静止画のような建物だけでなく画面に動きを出せます。


パターン3

パターン3は理想で、予算(時間)が
ある撮影方法になります。(^^:

パターン1のようにすれば、俳優さん
シーン1の場所に行かずにロケが減ります。
それだけで、照明も衣装、メークなど
多くのスタッフが動かなくて済みますし
監督も行かずに、B班で助監督が撮ればOKで平行し進行可能です。

ただ、観てくれる方には話は解かりますが
やはり作品の印象が変ってしまいます。

これはト書きの例ですが

で、例えば坂本龍馬「浜」
台詞を言うのと、「帆船」の上で同じ
台詞を言うのでも、帆船を用意しないなので予算が変わります。

台詞でも「夕食にしょう」と言うのと
「今日は御馳走だね」と言うのでは
用意する消えモノ(食事など)が変り>予算が変ります。

脚本的にはパターン3で、発想的な
柱、ト書き、台詞で書かれますし
出来るだけ、映像化できるように
したいのは山々ですが、予算的に
パターンは、柱(シーン)や台詞も

逆に考えて変更されるのも「台本」の特徴です。

■撮影台本

撮影台本と言うのも、様々なバージョンが
存在しますけども、撮影の基本で

予算と時間の短縮から、略ハリウッドの
大作であっても「順撮りでは無い」と言う事です。

つまり、観客が見ている順番には
撮らないという事ですね。(^^:

この順番を入れかえた撮影台本と言うのも在ります。

これは、略「柱」シーンが優先されます。

つまり、1つの映画に主役の部屋
5回登場するなら、スタジオの部屋の
セットでまとめて1~2日で撮ります。

同じ映画で公園のロケ2回出るなら
1日はロケで、まとめて撮ります。

ですが、完成作品では公園
最初ラストとだったりします。

芝居も、最初はケンカしてたのに
ラストはラブラブだったり
アクションモノなら、ラストは怪我して
傷だらけだったり、髪の色まで違うとか
坊主頭になってる場合すらあります。(^^:

こういう、順撮りでは無い事情
スタッフも、俳優も解っていますが
頭の中で、前後・変更をイメージするのは
大変なので、解りやすいガイドが
「撮影台本」になります。

■アフレコ台本

アイアンマン
ワイヤレスミニスピーカー
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もう1つ「アフレコ台本」と言うのも存在します。

これはアニメなど2Dは別にして
実写作品に限定して書きますが

例えば、アイアンマンスパイダーマン
日本だと戦隊ヒーローなど、マスクをしている場合。

リップシンク(クチの動き)が無いのに
相手役のヒロインは、素顔で会話したり
するシーンを見た事があると思います。

特に、アクションが絡むと
書いてある台詞をマスクの中の俳優
現場でも喋り、合わせますが・・・

実際に、その動きの間に言うには長いとか
短いテンポがよく無いなどが、どうしても生じます。

つまり合わない場合が多いので
現場で短くしたり長くしたりするので、現場で完成させる台本です。

現場でメモした台詞を、後でスタジオで
アニメのようにアフレコします。

現場で、演じる人とは別に声優さんが来て
喋る場合んもあります。そのまま使う
場合もあれば、素顔の俳優さんが
後でスタジオでアフレコしなおす場合もあります。

コレは、CGのキャラ生身の俳優さんの共演なども同じです。

後は、ヘリコプターなどがメインの作品だと
エンジンなどのノイズ音が、現場では
ミキシング出来ないので、アフレコになる場合が多いです。

カーチェイス、バイクチェイス
無線でやり取りするシーンも同じです。

医療モノでも、マスクをしていて
聞き取れない場合は、一部分~シーン全てアフレコにします。

また、心の声が多い作品なども
此れと似て居て、現場で別の俳優(声優)が
尺や相手の俳優の芝居(リアクション)の為に
カメラフレームの外で、台詞を言う場合があり

コレも後程、その映像の心の声の主
俳優さんが、自分の声に置き換えるアフレコをします。

腹話術が出来ない限り、この方法も無くらないと思います(^^:

■まとめ

最近は、脚本も台本もペーパーレス
デジタルで配られたりしますが

シークレットな場合は、コピーや
スキャン出来ない(やり難い・マークが出る)
方法で、俳優さんや、スタッフは手にします。

それでも、やはり脚本・台本と言うのは
現場に向かって、スリ合わせ(変更)される
宿命が在ると言うのは、デジタル化しても変らないと思います。

その部分が、ある意味「人」が創る部分
だとも言えますし、感情・命を作品に与える部分だとも言えるからです。

ただタイトルの脚本と台本の違いとしては

「台本は役者用に書かれたもので
脚本はスタッフ用の映像設計図です。」

では無くて

様々なケースが在りますが、傾向としては
下のように、創造から>撮影現場>映像化(具体化)する方向だとは言えます。