お薦め名画「戦国自衛隊」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
戦国自衛隊
です。
1979年12月15日に、70年代の最後の
当時の金額で、製作費11億5000万円の
巨費を投じて、製作された怪物映画です。
当時の大学出初任給が10万9500円なので
今の金額だと25~30億の予算で
当時の邦画では、異様な製作に見えました。
今の映画ファンでも驚くと思いますが
この映画は、配給が東宝と東映洋画系と
言う「え?」間違いじゃないのかと思う
配給だったのも特異な作品でした。
その異例中の異例の戦国自衛隊を
当時の様子を交えて書いて見ます。
■サニー千葉とG.I. Samurai
最近では、千葉真一と言うアクションスターを
新田 真剣佑(あらた まっけんゆう)のお父さん
などと言いますが、間違いではないですけども(^^:
千葉真一と言う俳優は、映画出演本数は1,500本を
越える俳優で、アメリカや海外では彼の事は
大きなリスペクトも込めて
JJ Sonny Chiba (JJ サニー チバ)
と、言う日本のアクションスターとして
認識され、今でも多くのファンが海外に居る
存在で、日本の認識の方が…低い印象を受けます。
スターウォーズのメイス・ウィンドウや
アベンジャーズのニック・フューリーを
演じたサミュエル・L・ジャクソンも
サニー チバのアクションを演技や殺陣を
リスペクトしファンだと公言するように
ジェダイの剣さばきにも影響を与えていますし
クエンティン・タランティーノ
ダークナイトの脚本家ジョナサン・ノーラン
韓国のリュ・スンワン
キアヌ・リーブスやジャッキー・チェン
ブルース・リーも、多くの事をサニー チバに
学んでファンだと公言するくらい海外の俳優や
監督、制作者からスポーツ選手などにも
サニー チバをリスペクトするファンが多く居る
日本が世界に誇るアクターです。
このとんでもない製作費と、多くの俳優
馬、持ち道具や登場メカの予算を回収する為に
大きく貢献したのが
主演・アクション監督 JJ Sonny Chiba
でした。
有名なファンの後押しもあり
香港(英国) 1980年8月28日
アメリカ合衆国 1981年1月
ドイツ 1981年4月24日
フランス 1982年3月31日
ポルトガル 1982年4月16日
ノルウェー 1983年7月22日
スペイン 1983年8月1日
など海外に次々にフィルムが売れ
「G.I. Samurai」
のタイトルで公開されました。
80年代後半に、ニューヨークの
映画ショップに入ると、まだ
この「G.I. Samurai」のポスターが
壁にあり、ポストカードなどが販売され
starring Sonny Chiba と
紹介されていました。
まだ、渡辺謙が映画出演3~4本の頃の話です。
戦国自衛隊でも、千葉真一は自ら
危険なアクションを演じ
時速100kmで飛ぶヘリコプターにロープ1本で
ぶら下がり、プロペラの風の中演じ
ヘリコプターから宙吊りになるシーンは
カメラを足に括りつけて撮影するなど、妥協せず
自身のチームJACと共に馬のシーンも
乗馬で地面にある矢と弓を傾いて
拾い上げたり、馬上の目線カメラも
自身の体に着けて演じるなど
主演とアクション監督以外に撮影も
担当したくらい、八面六臂の活躍なのは
見た人が、1つ1つ知らなくても伝わる
迫力で、当時の映画の画としては
主観のカメラ映像は、まだ今ほど小型化
されてないカメラなので、驚きの映像でした。
■SF青春時代劇
戦国自衛隊は、画的に戦国時代の画の
中に、戦車やヘリなどが混在する
見た事も無い画のインパクトが絶大でした。
まだタイプスリップだとか、時間や時空が
歪むような映画やアニメ、漫画も少ない
時代だったので、今ほど観客も設定に
免疫が出来てない為に・・・
どういう事?と、言う入口から入るのが
話題のスタートで、宣伝プロモートの
スタートにしないと、話が進まない時代でした。
簡単に言えばSFですけども、宇宙船や
ロボット、レーザー光線は出て来ません。
そういうSFを見た事が無い人に向かって
製作する為に、自衛隊も・・・
どこまでの協力をしていいのか困惑します。
また、時代劇としてもシッカリして
いなければならなくて、自衛隊の装備も
ある程度、嘘でも工夫したんだと納得できる
もので無いといけない、2本分の映画の
考察ディテールが、シッカリしていないと
ただの嘘の映画になってしまうので
細部に拘り、製作費は膨らみ
製作の角川春樹は、ついに自宅を抵当に入れ
銀行から融資をとりつけ、製作費11億5000万円
を捻出し、それさえも話題になりました。
また400年もの時間の差の中で、異なるモノと
変らないモノを描いた、鎌田敏夫の脚本は
男女の恋愛要素を入れ、青春映画の要素を
取り入れていますが・・・
その手法に驚く事になりますけども
小野みゆきや岡田奈々などの女性には
台詞が無い、無言のプロモーションビデオの
ような異色な雰囲気を挟む混む事で
時を超えた心情的な深みをもたらしています。
■61式戦車
無許可離隊を冒す内容から、自衛隊の
協力も、あまり得る事が出来ず
ヘリは、西日本空輸の所有機にの塗装を
変更して自衛隊機に見せているので
実際には、海上自衛隊、航空自衛隊では
使用されても、陸自では使用されてない
機体でしたが、それはそれで配属されたら?
こんな塗装かも?と言う見方もできました。
銃なども全て精巧なモデルガンを
電気着火式に改造したプロップガンで
映りが良かった事から、後の自衛隊の登場
する作品に、持ち道具として貸し出されたくらいでした。
最も、困難だったのは戦車で
当時としては、少し古い61式戦車ですが
借りる事は出来ず、2か月半と8000万円を
費やしてレプリカを製造しています。
その為に宣伝にも利用され、映画館の前に
置かれた立体看板になり、映画ファンも
度肝を抜かれました。
私も、後にも先にも、この作品以外に
戦車が置かれて居たのは見た事がありません。
その後、ぼくらの7日間戦争(1985年)で
宮沢りえちゃんと共演し活躍し
バラエティやドラマでも、少し使用されますが
殆どは撮影所の済の置かれていました。
私も、90年代に東宝撮影所の敷地の済に
ブルーシートを被せた(半分は出てる)
この戦車を何度か目撃しています。
こんな1分の1サイズの戦車を作ってしまう
ような映画も、CGなどがある時代には
出てこないと思いますが・・・
やはり本当の立体物として、俳優と共に
走り廻る「本物」は、映画の中の質量として
観客が感じる事が出来るモノでした。
■まとめ
この映画は少し子供が見るには
Hな場面もあり、リアルに徹して
いましたが、当時はR指定などが
厳しくは無く、小学生でも見れた映画でした。
また1シーンですが、当時大人気の
薬師丸ひろ子が出演している場面も
オーラなのか?ただの話題作りでは無く
存在感のあるシーンになっていて
「戦国自衛隊のテーマ」
「終りのない旅 (ENDLESS WAY )」
「ララバイ・オブ・ユー」
などの映画音楽と共に、異色の
邦画作品を印象着けました。
SONYがウォークマンを発売し
まだ高価で、12月のクリスマスに
手にした方も居た時代の12月に
大ヒットを記録して
配給収入13億5000万円と
配給収入だけで製作費を上回りました。
こんな70年代最後の異色作を
未見の方は、是非SF青春時代劇の中で
活躍するサニーチバのアクションを
見てみてください。
![]() JAN: 4988111113047 時間 138 分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 斎藤光正
脚本 鎌田敏夫
原作 半村良
製作 角川春樹音楽 羽田健太郎
主題歌 松村とおる 「戦国自衛隊のテーマ」撮影 伊佐山巌
編集 井上親弥
製作会社 角川春樹事務所配給 日本 東宝・東映洋画系マーケット
公開 日本 1979年12月15日香港 1980年8月28日
アメリカ合衆国 1981年1月
ドイツ 1981年4月24日
フランス 1982年3月31日
ポルトガル 1982年4月16日
ノルウェー 1983年7月22日
スペイン 1983年8月1日上映時間日本 139分
欧米 95分
製作国 日本
言語 日本語
製作費 11億5000万円
配給収入 日本 13億5000万円
■キャスト
伊庭義明 三等陸尉 – 千葉真一
小野章一郎 三等海尉 – 辻萬長武田信玄 – 田中浩
武田勝頼 – 真田広之長尾平三景虎 – 夏木勲
三村泰介 一等陸士 – 中康治
県信彦 一等陸士 – 江藤潤
森下和道 一等陸士 – 速水亮
菊池弘次 一等陸士 – にしきのあきら
野中学 一等陸士 – 三浦洋一
根本茂吉 二等陸士 – かまやつひろし
丸岡正男 一等陸士 – 倉石功
平井正芳 一等陸士 – 高橋研矢野隼人 陸士長 – 渡瀬恒彦
加納康治 一等陸士 – 河原崎建三
須賀利重 一等海士 – 角野卓造
西沢剛 一等陸士 – 鈴木ヒロミツ
木村治久 三等陸曹 – 竜雷太
島田吾一 三等陸曹 – 三上真一郎
高島春美 一等海士 – 伊藤敏孝清水英雄 二等陸曹 – 加納正
大西里志 一等陸士 – 清水昭博
堀健児 二等陸士 – 古今亭志ん駒
関おさむ 二等陸士 – 佐藤仁哉
みわ – 小野みゆき新井和子 – 岡田奈々
ゆい – 絵沢萌子
栗林孫市 – 大前均
石庭竹秀 – 工藤堅太郎
館川勝増 – 片岡五郎
浅葉頼親 – 内田勝正直江文吾 – 岸田森
細川藤孝 – 石橋雅史
黒田長春 – 中田博久
真田昌幸 – 角川春樹
足利義昭 – 鈴木瑞穂
本願寺光佐 – 成田三樹夫
九条義隆 – 仲谷昇
小泉越後守行長 – 小池朝雄祥吉(子供) – 飯塚浩司
祥吉とまいの母 – 谷口香
まい(祥吉の妹) – 大塚麻衣子百姓娘 – 奈三恭子
百姓娘 – 高見あさ
百姓娘 – 今生きよみ
哨戒艇の女 – 夏山美樹
哨戒艇の女 – 長沢真紀
哨戒艇の女 – 末宗俊子
哨戒艇の女 – 久保田薫
哨戒艇の女 – 花園友子
夜這いの男 – 佐藤蛾次郎
夜這いの男 – 達純一
夜這いの男 – 永井雅春
小泉家重臣 – トビー門口
小泉家重臣 – 杉江廣太郎
小泉家家臣 – 加賀麟太郎
小泉家家臣 – 中山剣吾
小泉家家臣 – 鈴木登四男
小泉家家臣 – 橘英二
光佐の使者 – 江幡高志
文吾の使者 – 八木隆影虎の側近 – 大辻慎吾
影虎の側近 – 沢美鶴
影虎の側近 – 新海丈夫
影虎の側近 – きくち英一
影虎の側近 – 辰馬伸老婆 – 本間文子
落武者 – 宇崎竜童
落武者 – 中庸助
落武者 – 晴海勇三
森下のコーチ – 勝野洋子供のような武士 – 薬師丸ひろ子
正吉- 草刈正雄騎馬武者
高橋利道
栗原敏
井上清和
竹下誠治
横山稔
沢田祥二
崎津均
稲田龍雄
黒崎誠輝
関根直秀
藤川聡
伊藤勝昭
長谷部亮
松田浩二
江藤豊悟
徳島進
坂本三男
斉藤四郎
一杉永介
五十嵐公二
沖山純生