お薦め名画「白雪姫 」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画はディズニーの「白雪姫」です。
白雪姫は、ストーリーは御存知の通りだと思いますが
この映画を、何も知らずに見たら
戦前の映画とは、こどもも大人も思えない程のアニメ史に残る名作です。
■空前絶後の超大作!
白雪姫はアニメを超えて凄い映画
なので、なかなか伝わり難いのは
1937年の映画で、その頃の日本とアメリカ(円とドル)の関係やなど
映画の製作費や興行収入を、簡単に
比較する事が難しいのが大きな壁になっています。
このディズニーの「白雪姫」は
アニメと言えば、実写の映画の頭に
付く、おまけの短編と言う認識が略100%なな時代。
白雪姫の83分もの、長編アニメで
1本の「映画」としてメインで
上映すると言う事は、1コマずつ
絵を描くと言う作業的にも考えられない時代でした。
その白雪姫は、当時4年もの*製作期間で
当時のドルで170万ドルの巨大な予算で製作されました。*1本の映画は2ヵ月~3ヵ月
て、170万ドルは、今の感覚だと
17000万ドルくらなので…凄くも無いですが(^^:
近い年の当時の日本の1935年データだと1ドルは4~5円で
物価としては
日本の映画館料金が50銭、1円の半分だったりと…~解り難いので
ザックリ日本映画の予算の6~10本分で、時間的には16~24本分です。
その為、ディズニーは道楽だとか
批判を4年もの間、多く浴びる中で
製作する精神的にも、今のように
応援されながら作るのとは大きく異なります。
それでも、製作し続けたから今のディズニーがあります。
■ケタ外れのリターン
170万ドルの巨費をアニメに投じた
ディズニーの白雪姫は、多くの
危ぶむ声や批判の声の後、公開されると
こどもから大人まで、その完成度と
美しさ、面白さに、音楽や台詞など
見た事も無いファンタジーの世界は大評判になり
170万ドルで、10倍を超え、20倍を超え
6100万ドルの収益を上げる超ウルトラ大ヒットを記録します。
その後、海外でも公開され
戦争で中断されますが、戦後に
日本も含む海外でも、続々と公開され大ヒットします。
日本では、13年後の敗戦で
社会も経済も、まだまだ大変な
中で、公開されたので多くの人が
夢の世界に83分浸る事が出来た作品でした。
■学校にやってきた白雪姫
1950~1951年の1年間で
フィルムを続々映画館に廻し約400万人の児童が見たと言われますが
その後も、日本の大映が買い取った
フィルムをレンタルして、映画館の
無い地方にも、学校の体育館などで
上映して多くの子供達が、初めてカラーのアニメを見る体験をしています。
■24コマの白雪姫
今、見ても単純に凄く感動する部分は
色や、音楽など、様々な要素がある中で
動き(アニメ)です。
それは映画(フィルム)は1秒
24コマで出来てるのは御存知な方も多いと思いますが
1秒に、24枚の絵を描くアニメを
フルアニメーションと言います。
逆を言えば、この白雪姫が
フルアニメで、基本・基準になっています。
一般的に、今のアニメは映画館や
テレビなどで見る作品の殆どが
リミテッドアニメと言われる方式で
1秒に、3~4枚の絵だけで構成しています。
なぜなら、それで充分にアニメと
しての動きは伝わると言う部分があり時間と予算が削減できるからです。
なので、フルアニメーション90分を
基準にしたら、90分のリミテッドアニメは30分でしかなくて
フルアニメーション90分を
リミテッドアニメに置き変えたら
270分の今のアニメ映画3本分の長さになります。
しかも、今のアニメは目やクチだけ
腕だけなどの部分だけを描く合理性が
追及されていますので、実際の
白雪姫の作業量とは、比較になりません。
■実写アニメ?の白雪姫
白雪姫は、実写映画と同じ24コマ
なので、実は先に実写で俳優さんが演じた映画を撮って居ます。
そこから1コマ1コマを絵にして
いっているので、膨大な時間と予算が必要でした。
ですが、その成果は誰が見ても画面にハッキリ出ていて
キャラクターの動きや表情が
スーパーなめらかで、生き生きしています。
この感覚を味わえるアニメは
少なく、また小人達のような
アニメでしか存在しないキャラや
動物達が、リアルな人間と共演している
ファンタジーは、他にありません。
■まとめ
本当は劇場で見て欲しい名画ですが
テレビモニターでも、充分その綺麗な動きの凄さは感じられます。
1993年には、古いフィルム映画
なので、デジタルで映像修復された
バージョンが在りますので
そちらでも、充分にフルアニメを凄さと
白雪姫の美しい動きを感じ
られると思いますので、未見の方は是非1度は見てみてください。
![]() JAN: 4959241762061 日本語, 英語 時間: 83 分 詳しく見る。 |
■スタッフ
監督 デイヴィッド・ハンド、ウィルフレッド・ジャクソン
ラリー・モリー、パース・ピアース、ベン・シャープスティーン
ウィリアム・コトレル
脚本 テッド・シアーズ、オットー・イングランダー
アール・ハード、ドロシー・アン・ブランク
リチャード・クリードン、メリル・デ・マリス
ディック・リカード、ウェッブ・スミス
原作 白雪姫
製作 ウォルト・ディズニー
出演者 アドリアナ・カセロッティ
音楽 フランク・チャーチル
レイ・ハーライン、ポール・J・スミス
撮影 ボブ・ブロートン配給
アメリカ合衆 RKO Radio Pictures
日本 大映洋画部公開
アメリカ合衆国 1937年12月21日
日本 1950年9月26日上映時間 83分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
■原画
キャラクター・デザイン アルバート・ハーター、ジョー・グラント
白雪姫担当作画監督 ハミルトン・ラスク
王子担当作画監督 ビル・ティトラ
7人の小人担当作画監督 フレッド・ムーア
魔女担当作画監督 ノーム・ファーガソンレイアウトチャック
チャールズ・フィリッピ、ヒュー・ヘネシー、マクラーレン・スチュワート、
テレル・スタップ、ケンドール・オコーナー、トム・コドリック白雪姫担当原画 マーク・デイヴィス
小人担当原画 レス・クラーク
鳥担当原画 エリック・ラーソン
王子担当原画 ミルト・カール
マジックミラー担当原画 ウォルフガング・ライザーマン
女王担当原画 フランク・トーマス
魔女担当原画 ジョン・ラウンズベリー
ハゲタカ担当原画 ウォード・キンボール
女王担当原画 アート・バビット■声優
白雪姫 アドリアナ・カセロッティ
王子 ハリー・ストックウェル
女王/魔女 ルシル・ラ・ヴァーン
先生 ロイ・アトウェル
おこりんぼ ピント・コルヴィッグ
くしゃみ ビリー・ギルバート
てれすけ スコッティ・マットロー
ごきげん オーティス・ハーラン
おとぼけ エディ・コリンズ
魔法の鏡 モローニ・オルセン
狩人 スチュアート・ブキャナン