お薦め名画「これが私の人生設計」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
これが私の人生設計
です。
「これが私の人生設計」の主人公は
セレーナは、建築などの設計を
仕事にしている女性です
演じるのは、イタリアの女優で
コメディアンで、脚本家でもある
パオラ・コルテッレージです。
イタリアのコメディですけども
笑いの中に、男女の仕事に関する
差別を描いた社会風刺もある作品です。
日本のイタリア人が、女性に対する
イメージは、おそらくプレイボーイ
的な、女性には声をかけないと失礼
くらいに思っている・・・
まさにコメディ的なイメージを真剣
に、まだ思っている人が多く
日本がチョンマゲと思われてるレベル
なのに、驚くので
この映画を観た日本人は、イタリア
の女性が、なんでこんな扱いなんだろ?
とか…
外国の人が、日本が綺麗という意味も
ロケ地などから実感出来る作品さと思います。
イタリアでは2014年11月20日に公開
されて、日本では2016年3月5日に
公開された、あまり見る機会が無い
イタリアのコメディ映画を、当時の様子も
交えて書いてみたいと思います。
■Scusate se esisto!
この映画「これが私の人生設計」の
原題は「Scusate se esisto!」と言います。
直訳してしまうと
「私が存在する場合は申し訳ありません!」
と言う感じになります。
ただ、イタリア的には
「私が働く場所がありません!」
と、いうような意味なのですが ・・・
日本的には
「私が存在する場合は申し訳ありません!」
だと、自虐的タイトルに勘違い?されて
「これが私の人生設計」と言う邦題になっています。
この邦題も、2015年4月から5月に
開催された「イタリア映画祭2015」では
「生きていてすみません!」
と、いう更に誤解した自虐過ぎる
邦題に一時期なってしまっていました。
ですが、この作品は日本も関係した
内容である事からも、日本での公開が決まり
「これが私の人生設計」
と、言う主役の仕事も入れ込んだ
ちょと…違ったタイトルになっています。
自虐的では無くなりましたが…
本来の意味的には
「私が働く場所がありません!」
と、いう感じで「私」・女性が
と言う部分が大事な作品です。
その為に、主役の女性セレーナと
同居している、男性のフランチェスコ
は、男性が好きな同性愛者であり
2人で協力して、セレーナの仕事を
確保する為に、奮闘する女性で
ある事で、仕事の内容で評価されない
現実の社会への風刺を描いたコメディです。
■日本PG12と日本の背景
この映画では、映像としての
描写は、一般的なエロとか
映画的な言い方の濡れ場などは無く
逆に、子供には…それ程解からない
のでは無いかと思うのと…
子供が見ても面白くは無く…見たがらないとも思いますが
日本では「PG12」と言う指定に
なっています。
その理由は、フランチェスコが
男性で男性を好きな事から…の
へんな絵画やグッズ、衣装の
人が出て来るだけで…
なんとも、難しいジャッジだと思います。
おそらく、なんの指定もしなくて
いいんじゃない?という意見と
もっと上の年齢にするべきだと
言う両極端な意見が出ると思います。
なので12歳が妥当なラインなのか
大人が見ても、よく解らない内容
で、画になっています。
また、この映画では「日本」と言う
背景が出て来ます。
姫路城らしき城や桜の花など…
ベタベタな日本の背景で、日本に
居ないのに、日本に居るように
見せるドタバタがあり…
日本人には、なんでやねん?
どこやねん? 何時やねん?
と、言う突っ込みどころ満載の
背景で…イタリアの日本への
イメージの一角がふざけながらも
解かる部分がありますので
逆に、日本人には特別な見方の
出来るイタリアコメディ映画です。
■自転車とオートバイ
この映画を観た後輩が・・・
主役のセレーナが乗る不思議な
乗り物の自転車とオートバイを
ミックスした乗り物に対して
イタリアは、変わった乗り物が
あるんですね~?と言ってましたが
自転車とオートバイのミックス
した乗り物は、昔の日本にも
沢山走ってたモノで
ガソリンが無くなったら、ペダルを
出して、自転車としてこぐと言う
乗り物がありました。
その前は自転車にエンジンを着けた
乗り物が在ったのですが…
それは、流石に法的にNGになって消えます。
今や「世界のホンダ」と言われ
F1や大きなモータースポーツで
活躍する大メーカーですが
昔は「リトルホンダ」と言う名前で
このミックスビークルを発売していました。
知らない方は検索してみてください(^^:
*りぶバイク、PM50ノビオや、ピープル
ヤマハミニ50、ダイハツソレックスなど
80年代前半まで発売された。
50ccのエンジンが付いてますが
当時は、ノーヘルで乗れて
一方通行は自転車で逆走できたり
歩道と車道を使い分けるなどの
当時の感覚でのメリットがありました。
一方で、そのメリットを理解出来ず
逆に、警官に捕まる主婦もいました。
この映画では、男性好きの男性で
どっちだか、外から解からない
フランチェスコは、良いクルマに
乗って、送ってくれる一方で
女性と解かる女性のセレーナが乗る
ビークルは、自転車か?オートバイか
よく解らない乗り物のガソリンまで
なくなり、その大事なビークルも…
と、言う対比などに使われた表現です。
■まとめ
日本人は、基本的に真面目なので
セレーナを応援しながら見て
フランチェスコも、戸惑いながらも
応援して見ると思うので
なかなか2人が困っている様子を笑えないかもしれません?
ただ、コメディ映画ですし、誰も
死んだりしませんので、笑って
いいのですけども…
団地で困ってる高齢者や勉強する
場所のない女の子達、遊ぶ場所に
困る若者などの悩みや不便さを
セレーナが解決してくれる方に
比重を置いて見てしまうかと思います。
勿論、それでも間違いでは無く
イタリアの普通の生活している背景
のロケ地が、日本の街と比較すると
白いお城にピンクの桜で綺麗な
国の日本との意図的なギャグの対比にも驚くかもしれません。
日本人は、女性の政治家が少ない
とか、重役が少ないなどの女性を
低く扱っていると誤解している国は多いですが
御存知のように、日本の大半の
男性は、奥さんに弱く、財布を
握られていて、寧ろ女性の方が強い国です。
この映画のように、女性だからと
言う差別も、ゼロでは無いですが
日本人は、基本的には力仕事などは男性が
受付や接客などは、女性が向いて
いるように、お互いを分けて
上手く仕事している人達が多いと思います。
力のない男性も居れば、凄い
体力の女性も居ますし
同性愛者もいます。
そういう多様性を考えるには
12歳のラインくらいで、いいのかな?
とも思えますので、他国の作品で
様々な多様性が入ったコメディは
ストレートに手放しで、日本人は
笑えないかもですが? 少し笑いながら
いろいろ考えて、何か残るモノが
必ずあるリッカルド・ミラーニ監督
の作品なので、未見の日本の方は
是非1度、見て観てください。
今ならプレミアム会員は無料で視聴できますので
チェックしてみてください。
![]() 詳しく見る。 *配信は予告なく変更する場合があります。 |
![]() 時間 : 1 時間 43 分 ASIN : B01FVMPRSG 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 リッカルド・ミラーニ
脚本
ジュリア・カレンダ
パオラ・コルテッレージ
フリオ・アンドレオッティ
リッカルド・ミラーニ原案
ジュリア・カレンダ
パオラ・コルテッレージ
フリオ・アンドレオッティ
イヴァン・コトロネーオ
リッカルド・ミラーニ製作
フェデリカ・ルチザーノ
フルヴィオ・ルチザーノ音楽 アンドレア・グエラ
撮影 サヴェリオ・グアルナ
編集 パトリツィア・チェレザーニ
製作会社
イタリアン・インターナショナル・フィルム
Rai Cinema配給
イタリア 01 Distribution
日本 シンカ公開
イタリア 2014年11月20日
日本 2016年3月5日上映時間 103分
製作国 イタリア
興行収入 イタリア $6,571,282
■キャスト
セレーナ・ブルーノ: パオラ・コルテッレージ
フランチェスコ: ラウル・ボヴァ
ニコラ: マルコ・ボッチ
リパモンティ: エンニオ・ファンタスティキーニ
ピエトロ: コラード・フォルトゥーナ
ミケーラ: ルネッタ・サヴィーノ
ヴォルポーニ: チェーザレ・ボッチ
デニス: フェデリカ・デ・コーラ
ラスピーニ: アントニオ・ダウジーリオ
フランジパーネ: フェリス・ファリーナ
グラツィア: フランカ・ディ・シコ
クレメンティーナ: フィロメナ・マクロ
エルトン: マッテオ・フォティ
マリア: ステファニア・ロッカ –
アントニエッタ: ジェノヴェッファ・サンドリーニ