お薦め名画「スーパーマン」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は1978年の
スーパーマンです。
スーパーマンと言うタイトルは、一応
1978年の作品だけですが、1948年の
邦題だと、初の映画化した
「連続活劇スーパーマン」を
スーパーマンと略す場合がありますが
今回は、シンプルに1978年のスーパーマンです。
1978年当時も、前評判的にも…
今さら・・・?と言う映画化でしたけども
現在のアメコミの映画化の成功は
このスーパーマンの成功があってこそ
なので、当時の様子も交えて書いてみます。
■スーパーマンの旬
スターウォーズが1977年5月25日にアメリカで
公開され、日本では無名に近い新人監督と
主役に、当時の(過去の)特撮イメージから
1年遅れの公開で1978年6月24日されました。
その日本公開から半年後の 1978年12月15日に
アメリカで、年末用の娯楽大作映画として
公開されたのが、スーパーマンでした。
ですが、当時の日本では多くの日本のヒーロー
が登場している中で、今更マントで人間の顔の
ままのヒーローを、なんで映画化するの?と
言う空気で、記事も小さなモノでしかありませんでした。
ですが、アメリカで公開されると興行収入も
ランキング的にも、マーチャン的にも
世界的に大ヒットしてしいまいます!
慌てた日本は、またも1年遅れにならないように
動いて、なんとか1979年6月30日と・・・
半年遅れと書かれますが、実質は7~8ヵ月も
遅れての公開で、1年には行かないものの遅れて公開されます。
日本での宣伝費史上最高額6億円を掛けて
必死にプロモートしますが、その焦りが宣伝にも滲み出てしまって
興行成績は配給収入28億円で1979年度洋画1位に
なりますが、他の国との比較からすると
大きく下回り、出だしの遅れが影響してしまい
旬な時期を逃してしまい、プロモートも
上手くは無く、大きな劇場での公開でも
古いスーパーマンのイメージしか出せずに
かなり、マイナスプロモーションでした。
初のテレビ放送では、番宣が成功して
日曜洋画劇場歴代視聴率第1位の32.1%を
叩き出していて、スーパーマンの活躍や
ジョン・ウィリアムズの音楽を前面にだした
番宣で、大成功していますので・・・
その半分でも、映画の公開時期に出来て
いたらと思ってしまいます。
■クリプトン星人の声
今では、スーパーマンの胸の模様の「S」も
地球のSの文字に似ている、家紋と言う・・・
やや強引な設定になっていたり、クリプトンの
人々が、他にも脱出していたり、
カル=エルの後に、彼をサポートする為に
もう1つ用意出来たロケットに、後の
スーパーガールが送りだされるも、地球到達に
エラーが出て到達したら、カル=エルは
成人していてスーパーマンになっていたなどなど
設定も、大きく変わってきていますが
この作品では、赤ん坊の時に地球に来た
カル=エル(クラーク・ケント)の
学生時代も描かれますが、演じた俳優の
ジェフ・イーストの声は使わずに
スーパーマンを演じる、クリストファー・リーヴ
が全てアフレコしています。
クリプトン星人は、声変わりなどはしない
のかもしれませんが、劇場で見ると
あれ?て、思った人も居たかもしれません。
ジェフ・イーストは、顔の作りや目などは
逆に、コミックのスーパーマンに近いのですが
クリストファー・リーヴに合わせる為に
鼻を特殊メイクで高くしています。
この辺りが難しいのですが、日本・他でも
クリストファー・リーヴは、最も美しい
スーパーマンを演じた俳優と言われますが
スーパーマンは、コミックでは・・・
それほど美男子では無く、顔は四角く
アゴが大きく、目は日本のドカベンの
山田太郎のような目なので、アメリカ人には
似て無い俳優と言う認識の人も多く
コミックの映画化の難しいところですけども
当時の新しいスーパーマン像としては
世界的に大ヒットした事が、応えだと思います。
■トップクレジットのスーパー級
バットマンが、主役よりジョーカー役の
ジャック・ニコルソンが、上にクレジット
されたように
このスーパーマンも、クリストファー・リーヴ
よりも、カル=エルの父ジョー・エルを演じた
マーロン・ブランドの方が、クレジットでは
上で、冒頭のシーンだけの出演でしたが
主役のクリストファー・リーヴのギャランティ
の10倍、400万ドルが発生しています。
この辺りが可能なのは、スターウォーズの
1作目と異なる手法で、子供向けに濁した
作品ではなく、製作サイドが本気だと言う
事を示す事になる大きな配役で、意味は
あったと思います。
やはり日本でも、大物俳優がクレジット
されたり、冒頭から出て来ると関係者は
姿勢を正して見る事になり、駄作で無い
限りは、ある程度売れたりするので
当時のスーパーマンには必要だったと思います。
ただ、マーロン・ブランドの目線が
あっちこっち向いて居るのは・・・
毎度のカンペが、いろいろなところに
貼ってある為で、カル=エルのオムツにも
台詞が記載されていて、赤ん坊の時から
カル=エルは、大物も助けていました。
■まとめ
当時は、まだテレビシリーズの
空を見ろ!鳥だ!飛行機だ!
いや、スーパーマンだッ!
と言う、イメージが強く・・・
飛行シーンなども、古い子供だましの
ような特撮しかイメージが無かったので
ワイヤーワークや、合成の進化を
見せる事が、1番のプロモートだった
のは、テレビ放送が証明していましたが
やはり、アナログ時代の作品なので
2000年にディレクターズ・カット版として
フィルムを修復して、公開されていますが
音声トラックは修復出来ずに、音響は
全て新しくされています。
なので、2000年後にディレクターズ
カット版を見ると、あまり古さを感じずに
今のマーベルのようなCGアクションも
無い、シンプルな当時の特撮の良さも
感じれる作品になっていますので
未見の方も、ディレクターズカット版を
見て無い方も、是非1度は見てみてください。
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■作品データ
監督 リチャード・ドナー
脚本 マリオ・プーゾ
デイヴィッド・ニューマン
レスリー・ニューマン
ロバート・ベントン
トム・マンキウィッツ原案 マリオ・プーゾ
原作 キャラクター創造
ジェリー・シーゲル
ジョー・シャスター製作 ピエール・スペングラー
製作総指揮 イリヤ・サルキンド音楽 ジョン・ウィリアムズ
撮影 ジェフリー・アンスワース
編集
スチュワート・ベアード
マイケル・エリス配給 ワーナー・ブラザース
公開
アメリカ合衆国 1978年12月15日
日本 1979年6月30日上映時間
144分(劇場公開版)
152分(ディレクターズ・カット版)製作国
アメリカ合衆国
イギリス言語 英語
製作費 $55,000,000興行収入
世界 $300,218,018
アメリカ合衆国
カナダ $134,218,018
■キャスト
スーパーマン クラーク・ケント クリストファー・リーヴ
ロイス・レーン マーゴット・キダー
ジョー=エル マーロン・ブランド
レックス・ルーサー ジーン・ハックマン
オーティス ネッド・ビーティ
イヴ・テッシュマッカー ヴァレリー・ペリン
ジミー・オルセン マーク・マクルーア
ペリー・ホワイト ジャッキー・クーパー
ジョナサン・ケント グレン・フォード
マーサ・ケント フィリス・サクスター
ラーラ=エル スザンナ・ヨーク
最長老 トレヴァー・ハワードボンド・アー マリア・シェル
ゾッド将軍 テレンス・スタンプ
アーサ サラ・ダグラス
ノン ジャック・オハローラン少年時代のクラーク・ケント ジェフ・イースト