邦画サスペンスおすすめランキングTOP10

2021年9月25日

邦画サスペンス映画おすすめランキングTOP10

1.天国と地獄

天国と地獄 [Blu-ray]
JAN: 4988104052353
時間: 143 分
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1963年3月1日・公開
監督 黒澤明
脚本 黒澤明、菊島隆三
   久板栄二郎、小国英雄
原作 エド・マクベイン
出演 三船敏郎、仲代達矢
   香川京子、志村喬
   三橋達也、他

この映画は、エド・マクベインの「キングの身代金」を、原作にしていますが
緻密なトリックや構成小道具など、当時の日本で構成されている凄さから
公開後に現実に、偶然にも誘拐事件が起きた事から国会でも此の映画が取り上げ
らて、身代金目的の略取の刑法が一部改正にまで繋がった当時の緻密さが在った作品です。

映画公開が中止などにはなっていませんし、今は科学捜査やセキュリティが
進んでいるので参考にはなりませんが、当時の観客は緻密で繊細な
トリックに、現実と重なるサスペンスを感じた人が多く大ヒットしました。

特に、当時の「こだま号」現・東海道新幹線に位置する国鉄の特急列車を
当時の金額で2000万円で、国鉄の定期ダイヤに割り込んで貸し切って撮影する
異例な規模の撮影を行っています。

窓の開かない列車の洗面所換気窓だけが7センチだけ開く部分にカバンを通す為の
特注されたカバンは、吉田カバン創業者吉田吉蔵が製作した事でも有名

また、この作品は略白く映画ですが…略と言うのはラストに1箇所だけ
フィルムにを塗った色が、映写でピンクに見える部分がキーになっていて
当時は話題になった面白い表現なので、是非なにが(ピンク)なのか確認してみて下さい。

2.紙の月

紙の月 Blu-ray
スペシャル・エディション
JAN: 4988013254688
時間: 226 分
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2014年11月15日・公開
監督 吉田大八
脚本 早船歌江子
原作 角田光代
出演 宮沢りえ、池松壮亮
   大島優子、田辺誠一
   平祐奈・他
撮影 シグママコト

この映画は2014年の作品ですが、バブル崩壊後1994年を舞台にしていて
主婦による巨額横領事件に染まって行く過程の心理を、詳細に描いた作品で
主役の梅澤梨花 宮沢りえが見事に演じて、第38回日本アカデミー賞
最優秀主演女優賞・他、多くの映画賞に輝いています。

原作の角田光代自身も「どんどん悪い行動に走っていくのに、反比例して
透明な美しさが増していくのがすごい迫力で素晴らしかった。私にはとても書けません」
と、宮沢りえを絶賛するコメントを述べた程に、この映画化は宮沢りえの芝居の力に
よるところが大きく
吉田大八監督も「自分の想像をはるかに超えた様々な表情を目の当たりにした」と
言う程…体験した事は無いシチューションの役に入り込んで居たのが画面から伝わって来ます。

吉田大八監督も「桐島、部活やめるってよ」は、かなり変化球の効いた作品でしたが
正面から心理サスペンスを撮っていて、銀行内部の描写を緻密に撮る事でのリアリティは
ストーリーの背景として、タイや神戸の映像と共に大きな力になっています。

巨額横領事件との法律や、立場、それぞれの責任を、観客がイメージする事で
映画の中以上のサスペンスが味わえる名作です。

3.20世紀少年

20世紀少年 [Blu-ray]
第1章 終わりの始まり
JAN: 4988021710084
時間: 142 分
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第1章2008年8月30日・公開
第2章2009年1月31日・公開
最終章2009年8月29日・公開
監督 堤幸彦
原作 浦沢直樹
出演 唐沢寿明、豊川悦司
   常盤貴子、香川照之
   平愛梨黒木瞳・他
撮影 唐沢悟

3章にも跨る異例の映画化で、ややSF的でレトロフューチャーな雰囲気がある作品で
本来は、このような構成の場合テレビドラマ化されるところを劇場公開
約半年前後に間を置いて上映しています。
その中でも、幼少期~から現在へと役が成長する為に、違う俳優が演じると言う
観客が忘れてしまう、解らなくなる要素がある難しいストーリーを見事に映画化して
各俳優さんも演じ、大ヒットさせています。

謎の「ともだち」を中心にしたサスペンスで、正体?も軸にストーリーとして
その映画の世界(社会)の変化が大きく描かれ、見せる画としても凝りに凝っていて
製作スタッフでも結末を知っていたのは監督を含めてわずかと言う3本に渡る長い
ネタバレ隠しが徹底された作品でした。

メインのケンヂを演じた唐沢寿明や、ヨシツネの香川照之、ユキジの常盤貴子なども
本格科学冒険映画の世界を演じていますが、希望でもあるカンナを演じた平愛梨
驚くほどのハマリ役で驚かされます。

何より「ともだち」のサスペンスを軸に、凄い数の出演者と豪華なキャスト
撮りあげた、堤幸彦監督は適任と思うと同時に…堤監督しか無理だとさえ思います。

また、この作品のプロモーションが破格で六本木ヒルズに4000万円をかけた巨大ロボット
太陽の塔8000万円で1日だけ「ともだちの塔」に変えると言う通常の日本映画の製作費
以上の宣伝費用が導入された日本映画史上に例の無い作品になっています。

4.点と線

点と線
JAN: 4988101178629
時間: 85 分
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1958年11月11日・公開
監督 小林恒夫
脚本 井手雅人、松本清張
原作 松本清張
出演  南広、山形勲
    高峰三枝子・他
撮影 藤井静

松本清張の小説の映画化ですが、松本清張自身が映画の脚本にもタッチしてラストを
少し小説と違う形にしている事も、ミステリーサスペンスファンに後々映画も愛される
作品になっている少し変わった映画化作品です。

東京駅で13番線プラットフォームから15番線プラットフォームが見えるのが
1日の中で、たった4分間しかない事から刑事が真相に迫って行くストーリーで
これも新幹線が開業前のトリックなので、その後なかなかリメイクなどされませんでしたが

2007年にCGの技術やレトロな昭和時代の話が、作られる流れもあってテレビドラマ化
されて高視聴率を獲得しています。

現在も、東京駅丸内の東京ステーションホテルの2033号室前に、本作を記念して
第一回の冒頭部分や「あさかぜ」を含む当時のトリックに使用された
東京~九州間時刻表が飾られていて、鉄道ファンにも人気の作品とエピソードに
なっている名作です。

5.八日目の蝉

八日目の蝉 [Blu-ray]
JAN: 4527427810297
時間: 147 分
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2011年4月29日・公開
監督 成島出
脚本 奥寺佐渡子
原作 角田光代
出演 井上真央、永作博美
   小池栄子、渡邉このみ
主題歌 中島美嘉
撮影 藤澤順一

不倫相手の子を誘拐した女の逃亡劇と言う長い年月を描いた作品で
井上真央永作博美の芝居は、あまり簡単に使いたくない言葉ですが…迫真の演技
としか言いようが無い程、その役を演じきっていて
第35回日本アカデミー賞では、他の作品を圧倒的に突き放し10冠をも獲得してしまい
観客動員数も19万6130人と賞の効果もあって達成しています。

野々宮希和子を演じた、永作博美は報知映画賞主演女優賞、第54回ブルーリボン賞
第85回キネマ旬報主演女優賞、第35回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞など
数々の大きな映画賞を受賞する程の名演技を残しています。

赤ん坊を衝動的に誘拐してしまう母性や愛人でもある微妙な動機からの
営利誘拐では無い事から、小豆島に逃亡し隠せてしまえそうになりますが…
1枚の写真が、仮の親子の関係に迫る様子がサスペンス調で展開される部分が
映画なのにドキュメント感を感じる程、リアルに思えるのも…
やはり、井上真央と永作博美によるところが大きく成島監督の構成とマッチした
映画のトーンとしても、不思議な名作です。

6.鍵泥棒のメソッド

鍵泥棒のメソッド[Blu-ray]
JAN: 4935228127344
時間: 128 分
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2012年9月15日・公開
監督・脚本 内田けんじ
出演 堺雅人、香川照之
   広末涼子、荒川良々・他
主題歌 吉井和哉
撮影 佐光朗

自殺を図るが失敗する三文役者と、凄腕の殺し屋記憶を無くした事
入れ替わる計画が進行する中で、1本のペンとノートで1から人生を
立て直してくる元?殺し屋が、計画を立ててからでないと行動出来ない女性と
結婚と言う進展していく、記憶がいつ戻るのか?のサスペンスを
様々な角度から描いている、面白いサスペンス

第86回キネマ旬報ベスト・テン日本映画脚本賞、芸術選奨文部科学大臣賞
第36回日本アカデミー賞・最優秀脚本賞受賞と言う程、よく出来た脚本だと
映画ファンなら誰もが思うシナリオです。

その脚本を元に、男女入れ替えや、記憶喪失モノとは、かなり違った新しい視点での
サスペンスはラストが想像出来ない展開で、堺雅人、香川照之、広末涼子の3人が
其々の役をベストなディフォルメで演じている様は、リアルなのか?
リアルでは無いのか?解らない複雑な心情を見事に演じている事も評価され

第36回日本アカデミー賞では、優秀主演男優賞・堺雅人、優秀助演男優賞・香川照之
優秀助演女優賞・広末涼子が受賞。

更に、第55回ブルーリボン賞助演女優賞、第17回日本インターネット映画大賞助演女優賞
を、広末涼子は受賞しています。
この3人の俳優が演じた性格からの行動と、人生のズレが織りなすサスペンスは見どころです。

7.僕だけがいない街

僕だけがいない街
[Blu-ray]
JAN: 4988111150004
時間: 120 分
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2016年3月19日・公開
監督 平川雄一朗
脚本 後藤法子
原作 三部けい
出演 藤原竜也、有村架純
   石田ゆり子、及川光博
撮影 斑目重友

悲劇を回避するサスペンス漫画の映画化で、タイムリープ能力をメインにしたSF要素も
少しある作品で、事件・事故などの原因が取り除かれるまでは、その直前に何度も
タイムリープしてしまうという作品の特徴は、映像に適しているので、観客も見ながら
トップ感覚を味わうことが出来て、少し違った感情移入が出来る映画でもあります。

また原作やアニメとは全く違う結末の映画なので、原作やアニメは見たと言う方でも
新たな結末を楽しめるストーリーになっています。

映像的にも、背景は時間や場所を表している部分が強く、逆に俳優の表情の変化
変化しない(同じ事を繰り返す)様子を、画面のメインにしている事で
不思議な世界感の映画になっています。

2つの事件の謎を解く為に、現在と過去を行き来する主人公と共に、初めてと
もう1度を体験しながら進む、サスペンス&ミステリーでSFに成りすぎて無い部分も
含めて、今までにない映画体験が出来る作品です。

8.死刑台のエレベーター

死刑台のエレベーター 特別版
JAN: 4988013540125
時間: 111 分
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2010年10月9日・公開
監督 緒方明
脚本 木田薫子
出演 吉瀬美智子、阿部寛
   北川景子、玉山鉄二
撮影 鍋島淳裕

この映画は、1958年の同名のフランス名作映画の舞台を日本に替えた映画で
吉瀬美智子、阿部寛の演じる不倫カップルの完全犯罪計画と、もう一組の
カップル北川景子、玉山鉄二が起こした突発的殺人事件が、クロスしてしまい

想定外の阿部寛演じる医師である、時籐隆彦エレベーターに閉じ込められ
しまう間に、起こる外との関連もストーリーの軸ですが画的にも
電話や手紙で、フレーム上の共演が無いに近いのですが…
おそらく、あまり観客が其の事には気ずかないで展開しているサスペンスと
1本の映画としても面白い試みになっている部分も見どころです。

エレベーターや、クルマ、ライカのフィルムカメラなどが、良い意味では
オリジナルを生かしているのですが、気になる方には現在とギャップが
気になってしまう細部が多いのも確かですけども、あまり気にせずに
エレベーターに閉じ込められるというサスペンスを堪能して欲しい作品です。

ただ、観た直後は、外部との連絡が取れるエレベーターにでも…
乗るのが少し怖くなるかもしれません。

9.アマルフィ 女神の報酬

アマルフィ 女神の報酬
ブルーレイ ビギンズ・セット
JAN: 4988632502474
時間: 125 分
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2009年7月18日・公開
監督 西谷弘
原作 真保裕一
出演 織田裕二、天海祐希
   戸田恵梨香、福山雅治
撮影 山本英夫

この映画は、フジテレビ開局50周年記念作品として破格の製作費を投じて
撮影は、スタジオも全てをイタリアで撮影するという製作的にも異例な作品です。

織田裕二演じる外交官 黒田康作が、イタリア日本大使館赴任する中で
誘拐と、その陰に潜む復習テロを防げるかのサスペンスで、捜査権が無いが
邦人を守る義務と言う名目で、行動すると言う現実的には…ありえないストーリーを
コミカルでは無く、リアルに邦画で描いているのは、かなりの挑戦です。

撮影も、空撮を含めてエキストラの数や動きなど、全てが007級の撮り方を
している贅沢な作品で、小さなエピソードや、アクションなども良い意味で
まったく日本映画ぽくない印象を受けると思います。

ただ、前宣伝・評判や背景との関連の期待値などから、批評しやすい部分もあり
それも大作ならではなのもで、好みが解る部分や小さなミスも在りますが
日本映画として、イタリアを舞台にミステリーサスペンスを製作した事は
少し早いグローバル化だったかもですが、評価したい1本です。

その後、同・主人公の連続ドラマと「アンダルシア女神の報復」に続き
ファンも着いて来たところで、育てきらなかった部分は残念です。

10.ビブリア古書堂の事件手帖

ビブリア古書堂の事件手帖
豪華版 Blu-ray
JAN: 4988142447210
時間: 121 分
詳しく見る。
2018年11月1日・公開
監督 三島有紀子
脚本 渡部亮平
   松井香奈
原作 三上延
出演 黒木華、野村周平
撮影 阿部一孝

三上延のベストセラー小説の映画化で、北鎌倉を舞台にしている事から映画として
画的に、内容とマッチした作品です。

黒木華演じる篠川栞子が、古書から推理する探偵的な要素のミステリーサスペンスで
見た事のないポイントの展開は、先を予想出来ない部分を上手く引っ張って居て
2時間、頭と目を使う事になります。

ただ、映像としては北鎌倉には画になる部分と、なり過ぎる部分が難しいのと
「本」と言う動かない小さな紙媒体を、大きなスクリーンの被写体にする難しさが
単純にある上で、俳優や脚本的に画にしていくのには苦労と工夫の跡が多く

俳優は顔の位置(高さ)に、を持って行く事を不自然に思われないように
何度も行い、ページをめくる動きは勿論、栞を裏向きに入れ手でめくるなど
動きや位置で見せたり、OL(オーバーラップ)合成も使うなど映画としての工
溢れている作品で、サザンオールスターズの「北鎌倉の思い出」が良い北鎌倉の
雰囲気を繋いでいてくれる名作です。





Posted by J.MAZDA