サンダーバード55/GoGo【感想・レビュー】
映画銀幕パークのジョージ・松田です。
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下の記事からはネタバレに成りますので注意してください。
今回の映画はサンダーバード55/GoGoです。
日本での放送55周年に公開された映画です。
本国イギリスでは、2015年にクラウド
ファンディングによって製作された
サンダーバード1965と題され
BBCとITV共同の配信サービスBrit Box
で配信され
サンダーバード50周年記念エピソード
と言うタイトルに変更された作品です。
内容構成は、3本のサンダーバードの
新作と、追加でまったスーパーマリオ
ネーション「ネビュラ・75」の第1話
の4つの作品と、間にインタビューや
メイキングなどが挟まれた、55周年の
お祭り的な映画です。
■「サンダーバード登場」
この映画の1本目は
「サンダーバード登場」から始まります。
意外な事ですけども…
この話は、かなり重要な内容で
当時のシリーズに無いのが
おかしなくらいの、要素がメインになっています。
日本で言う*ペネロープが、初めて
国際救助隊に加わるエピソードゼロと言える話です。
当然ですが、執事のパーカーもセットです。
*レディ・ペネロープは、ペニー
と英語圏の作中では呼ばれ
本名はペネロープ・クレイトン=ワード
またペネロープが乗るピンクの
6輪ロールス・ロイスも、日本は
ペネロープ号と言われていますが
コレも海外ではFAB-1と言うクルマ
で、この映画ではでFAB-1で通され
ペネロープ号とは言われません。
この映画ではFAB-2も登場します。
そのペネロープ号…FAB-1が初めて
サンダーバードの基地が在る島
トレーシーアイランドに上陸して
島の中を走行するシーンも、誰も
見た事の無い映像です。
当時のシリーズの中には、やや
総集編的な話で、子供に基地の中
やサンダーバードメカを案内して
紹介する「*秘密作戦命令」と言う
1本がありますけども
秘密作戦命令が、基地の内部から
だとしたら、この話は基地の外から
トレーシー(パパ)自ら、ペニーに
サンダーバードメカの発進にベスト
な観戦ポイントを教えて、FAB-1で
移動して見ながら、国際救助隊の
装備を説明して、仲間に加わって
もらうエピソードです。
*秘密作戦命令はNHK放送時のタイトル
で、民放での「小さな侵入者」として
改題された方が内容にマッチして
子供には解りやすい。話数も放送事に
異なるので記載しません。
このエピソード・ゼロとも思える
話も1964年に、オリジナルの
サンダーバードが製作された
イギリスバークシャーにあるスラウ
にある*倉庫で撮影されました。
*人間では無い小規模である事や
予算的にスタジオでは無く倉庫で撮影された。
この同じ「倉庫」で撮影された続編
的な新作は、イギリスのメディアで
大きく取り上げられた。
オリジナル・ブランドDNAの継承を
抱かせるのに充分な話題であった事
から…
更に、当時の製作スタッフまでが
動く事になります。
人形に命を吹き込む、人形師の
メアリー・ターナーが参加
監督デイヴィッド・エリオットが
参加した事で、サンダーバードの
ファンのテンションは、加熱していきます。
■「雪男の恐怖」
この映画では2本目の話になるのが
「雪男の恐怖」です。
60年代は、まだ世界の山々には
雪男の伝説が残っていて、解明
されてないロマンがありました。
サンダーバードの時代設定は
西暦2065年なので…ある意味
おかしな話でもありますが
この話は、やや雪男が実在すると
信じて見た方が、正しい?見方かもしれません。
*西暦2065年・作中に出て来る
カレンダーが2026年だった事から
1970~1990年は2026年の設定時期が
ありましたが、放送当時の2065年に現状は固定されています。
雪男のしわざに見せかけた
フッドの悪事を暴きに
ペネロープがパーカーと
現地に乗り込みますが・・・
ペネロープの大ピンチに
国際救助隊が出動する話で
雪景色の中でのエピソードです。
スキーコプターなどは、現在の
上空を飛んでいるオスプレイ
と略同じですけども、飛行機と
ヘリコプターを組合わせた
飛行メカと言うのは、60年代の
子供雑誌などにも登場していて
ウルトラマンなどでも、1971年の
帰ってきたウルトラマンに
マットジャイロとして登場している
くらい、60年代には未来の便利な
乗り物として考案されていました。
その辺りも、この映画の3本の
原作は、放送当時に発売された
ドラマのレコードで、50周年を
祝う企画として、この映像化を
企画した事が始りでした。
■「大豪邸、襲撃」
この映画は、CGが簡単に使える
現在では、逆に予算や時間や
手間のかかる当時と同じ
アナログ方式で撮影されています。
この3本目は、大豪邸の大爆破が
アナログ特撮の見せ場です。
*ハイスピードカメラで撮影する
爆破誤差を逆算して、見事に
大豪邸を爆破しています。
*フィルムのスローは、逆に
カメラを高速で廻す事で撮影する手法。
小さい建物の爆発や、大型メカは
実際には普通か速く感じる速度
ですが、スローで再生する映像を
観客は見るので、重厚感のある
巨大差を感じる事ができ、ゴジラ
なども、同じくスローを見ています。
大豪邸に続々と盗みに入る
謎の強盗達は、静音で飛行できる
ヘリジェットで盗みに入ると
証拠隠滅の為に、全ては爆破して
逃げる事を繰り返しますが
ついに、ペネロープの豪邸とは
知らずに進入する~話です。
これらの3本の作品は、2015年7月7日
*キックスターターが用いられ
製作初回話「雪男の恐怖」の資金
7万5千ポンドは7月13日が調達され
「サンダーバード登場」のために
目標額が12万ポンドに増額
第3話のための目標19万5千ポンド
も最終日までに調達され
最終的に21万8412ポンドが集り
聖地の倉庫での撮影がスタートしました。
*キックスターター・方式としては
クラウドファンディングに近いが
クリエイターファーストで
アイデアを世に出すまでの全てを
サポートする仕組みが整えられている
などの製作側に優しいシステム。
オリジナルスタッフの協力も得て
完成した映像はDVDとBlu-Rayとして
出資者らに、無事プレゼント発送されました。
出資者の方が居なければ、勿論
映像は完成していませんが
知って居たら少しでも参加したかった
と言うファンは多いと思います。
先行か後払いかの違いでだと思って
映画館で見るのも、結果的には
同じ(近い)ですので、是非映画館に
足を運んでみてください。
■まとめ
また、この映画には最後に
ネビュラ・75の第1話が上映されます。
同じ*スーパーマリオネーションで
実は、「大豪邸、襲撃」の泥棒の
1人(?人形の1体)が、別の役で
登場したりする短編です。
*スーパーマリオネーション目やクチが動く操り人形。
サンダーバード世代の方も
世代で無い方も、見に行く前に
過去の作品を、チェックして
行くと更に、細かい再現力に
呆れるくらい関心します。
日本好きなトレーシーは
机の後に浮世絵のプレートが
在ったり、芸者の絵が在る事でも
2065年でも、絶えない日本文化
なども小道具に見る事が出来ます。
反面2026年なのにテープレコーダー
で録音したり、巨大なテレビカメラ
などの現在との差は、ピアノ線と
共に楽しめる未来のアナログ映画です。
今ならAmazon・Prime Video(プレミアム会員)でも
視聴できますのでチェックしてみてください。
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■作品データ
監督
ジャスティン・T・リー(第1話)
スティーブン・ラリビエー(第2話)
デイヴィッド・エリオット(第3話)脚本
アラン・フェネル(第1話/第3話:原案)
デイヴィッド・グレアム(第2話)
デスモンド・サウンダース(第2話)原作 サンダーバード50周年記念エピソード
製作 スティーブン・ラリビエー
音楽 バリー・グレイ編集 樋口真嗣
配給 東北新社・スター・チャンネル
公開 日本 2022年1月7日
製作国
イギリス
劇場版・日本●サンダーバード55/GoGo
構成担当:樋口真嗣
編集:佐藤敦紀
翻訳:杉田朋子
演出:伊達康将録音・調整:山本和利(オムニバス・ジャパン)
制作:力丸秀/山田佳奈(東北新社)タイプライター協力:清水亮/尾河商会
企画:稲田正風/林直樹
協力:高田幸枝/神田美夏/服部洋之
制作:東北新社
配給:東北新社/スター・チャンネル
ポスターデザイン:大河原邦男
■キャスト(声優)
ペネロープ・クレイトン=ワード 満島ひかり
アロイシャス・パーカー 井上和彦ジェフ・トレイシー 大塚芳忠
スコット・トレイシー 森川智之
ジョン・トレイシー 櫻井孝宏
バージル・トレイシー 日野聡
ゴードン・トレイシー 江口拓也
ブレインズ 堀内賢雄フッド 立木文彦
雪男の恐怖NTBS記者 松川裕輝
救難信号を出すイギリス人登山家 長谷川敦央
山小屋で雪男に襲われる男 駒谷昌男
チャールズ 茶風林
ドウキンズ 丸山壮史
エレイン・ウィックフェン 田村千恵ナレーション:矢島正明