お薦め名画「トップガン」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
「トップガン」です。
トム・クルーズの出世作で、世界的に大ヒット
した有名な1986年の映画で、社会現象を起こした作品です。
■予告から段違い
トム・クルーズは、勿論まだ今ほどの
ネームバリューが無いので
トップガンも、80年代の公開差があり
アメリカでは1986年5月の公開でしたが
米ソ冷戦の中で、空前絶後の大ヒットになり…
公開差を悔やんでる感じが
メディアに露出していましたが
日本は半年以上遅れての12月の公開でした。
当然、映画ファンはブーイングでしたけども…
もう笑ってしまったのが、劇場の予告では
全米NO.1スーパーヒット作品として紹介しつつも…
5月に公開されているのに、差を
少しでも小さく見せようと
「今夏」と、アメリカで夏から
公開されたように勘違い出来るような
宣伝文句にしていました(^^:
その、・・・宣伝は別にして
トップガンの予告が劇場で上映
されるようになった「夏」には
多くの人が…予告の頭10秒で
アゴが外れる(なんで)くらいの衝撃を受けます。
当時のドキュメントやニュースでも
アメリカの空母の甲板に三脚を置いた画像も
F-14トムキャットの姿も見た事が
無かったのと、それがリアルな本物の
映像である事は、一瞬で解る程の
空気の違う映像で、当時の戦争モノの
映画の映像を完全に、作りモノに
押しやる10秒で、それは圧倒的でした。
その為に、予告のド頭に持ってきてる
のですが、まんまと其のリアルは成功します。
何故か?前売りが売れずに恋愛モノに
舵を切ったら売れたとも言われますが…?
恋愛要素はありますけども…
そうでは無く、この予告の10秒の
リアルが、百聞は一見に、で
説明しきれない、まったく違う映像で
海外で大ヒットしていると言う
事から、話題が広がったと個人的には認識しています。
現に、劇場は男性率が高く
カップルで見に行く人は少なく
劇場で当時見たと言う女性は
日本でも、スーパー大ヒットですが
廻りに居ないのでは無いでしょうか?(^^:
■大ブーム
トップガンは、日本では12月6日の
公開だった事から季節的に意外な
経済効果を産む事になります。
劇中でトム・クルーズが着ていた
フライトジャケットは何だ?と
言う事に成り、ミリタリーショップ
でMA-1を買って、街中を歩く男子が増え始めます。
今でこそ、ミリタリーファッションは
ストリートファッションの1ジャンルになっていますけども
当時は、軍用と解かるような
服で街を歩くような人は
一般的には、そうとう変わった人でした(^^:
ですが、この映画で一機に市民権を
得る事になって、クリスマスや
お正月にかけて、MA-1が売れ続け
1月に入ると、MA-1風の安価な
ジャケットが、普通のショップの最も目立つところに並び
F-14の写真などやプラモデル
などと一緒に展示され
デパートでまで販売される社会現象になります。
今でも、本物のMA-1もMA-1的モデルは
様々なブランド、ノンブランドから
発売され、女性でもファッションの
アイテムとして着るようになってしまいます。
…そんな映画は、今までトップガン以外には知りません。
■戦闘機・空母のレンタル料
トップガン以前の映画の場合は
通常は、戦闘機は旧式のモノや
特撮ですが、冒頭の背面飛行
以外は、全てアメリカ海軍の
戦闘機を飛ばして撮影されています。
空母や戦艦、船なども、海の
近くに撮影に使用する部分を
木材などで作り、本物に見せます。
タイタニックの船や、邦画の
男たちの大和(2005年)なども
尾道市向島町に原寸大のセットを造って撮影しています。
ですが、トップガンのリアルは
アメリカ海軍が全面協力で
戦闘機も、空母も本物なので
使用料として約2億円をペンタゴンに
支払って撮影しています。
アメリカ海軍は、更に予想を上回る効果が起き…
現実の海軍に入隊する若者が
増えて、劇場の側に入隊用のブースを設けた程でした。
今でも、海軍にはトップガンを
見て入隊したと言う人が多くいます。
■ミサイルは2発?
映画の中では、ミサイルは何発も放たれていますが
実際には、アメリカ海軍からは
F14のミサイル2発だけと制限されていました。
もろもろ2億だと、それくらいなんでしょう(^^:
ですが、リアルに拘るのと
まだCGは使えない年代なので
監督のトニー・スコットは
その2発のミサイル発射場面を様々なカメラで撮影して
その2発を、複数に見せるように使いまわしています。
なので、映像ソフトなどで
よ~~~く、見比べてしまうと
2回のどちらかのパターンで発射されています。
こういうのバンクカットと
言いますが、予算の掛かる
怪獣が、石こうのビルを破壊
するなども、いろいろな角度から
撮影して、複数のビルを壊している
ように見せたりする、昔からの工夫です。
■トップガン・グース
F-14トムキャットなどは
撮影的には、実物のF-14のコクピットを
ロデオマシーンのように動く
部分的モデルで撮影していますが
俳優は実際のF-14トムキャットの後部席で
訓練飛行を体験し、実際の飛行の
中での撮影も、多数行っていますが
殆どの俳優は、…吐いてしまいました。
ですが、ただ1人グースを演じた
アンソニー・エドワーズだけは
吐かずに撮影を終えた事から
撮影的には、彼がトップガンでした。
逆に、現実にリアルなリバースに
遭遇したスタッフは、リアルな
戦闘機を使わなかった…
もう1つの理由を実感する事になりました。
■アート・ショールに捧ぐ
日本では、略記載されませんが
ハリウッドでは、いろいろな種類の
スタントマンが居ますけども
航空機のスタントマンと言うのもあり
多くの資格を持った人が居ますけども
このトップガンの中でも、スタント
パイロットアート・ショールが
飛行シーンを、いくつか担当する中で
フラットスピン状態から機体を
安定させることが出来ずに、太平洋へ
突っ込みクラッシュで54歳で命を落としています。
よく、水面はコンクリートのよう
だとは言いますが機体もバラバラで
アート・ショールの遺体も発見出来ませんでした。
その為に
アート・スコールに捧げる。とされる
上映や記載もあるので、日本のファン
にも、是非尊い犠牲が在った事を覚えて
おいて貰えたらと思います。
■まとめ
トップガンは、アメリカや
日本他でも、大ヒットしましたが
トム・クルーズが、続編製作で
作品イメージが薄くなる事を警戒して
続編製作権を買い取っていたので
映画会社からの続編は、実現せずきましたが
30年以上経って、トム・クルーズが
続編を企画・製作を決定
トップガン マーヴェリックを
製作しましたが、新型コロナの
影響で公開が延期されています。
その前に、是非見た事がある方も
未見の方も、見返しておくと
更に、楽しめる要素が増すと思いますので
是非チェックしてみてください。
![]() JAN: 4988102774493 時間: 110 分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 トニー・スコット
脚本
ジム・キャッシュ
ジャック・エップス・Jr製作
ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー製作総指揮 ビル・バダラート
音楽 ハロルド・フォルターメイヤー
ジョルジオ・モロダー
撮影 ジェフリー・L・キンボール編集
ビリー・ウェバー
クリス・レベンゾン配給 パラマウント / UIP
公開
アメリカ合衆国 1986年5月16日
日本 1986年12月6日上映時間 110分
製作国 アメリカ合衆国
製作費 $15,000,000 (概算)
興行収入
$176,650,23770.9億円 日本
$353,816,701[1] 世界配給収入 39億5000万円
■キャスト
ピート・”マーヴェリック”・ミッチェル – トム・クルーズ
シャーロット・”チャーリー”・ブラックウッド – ケリー・マクギリストム・”アイス”・カザンスキー – ヴァル・キルマー
ニック・”グース”・ブラッドショウ – アンソニー・エドワーズ
マイク・”ヴァイパー”・メットカーフ – トム・スケリット
リック・”ジェスター”・ヘザーリー – マイケル・アイアンサイド
ビル・”クーガー”・コーテル – ジョン・ストックウェル
レオナルド・”ウルフマン”・ウルフ – バリー・タブ
ロン・”スライダー”・カーナー – リック・ロソヴィッチサム・”マーリン”・ウェルズ – ティム・ロビンス
マーカス・”サンダウン”・ウィリアムズ – クラレンス・ギルヤード・Jr
リック・”ハリウッド”・ネヴン – ウィップ・ヒューブリー
トム・”スティンガー”・ジャーディアン – ジェームズ・トールカン
キャロル・ブラッドショウ – メグ・ライアン
チャールズ・”チッパー”・パイパー – エイドリアン・パスダー