お薦め名画「トータル・リコール 」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
トータル・リコール
です。
トータル・リコールは、アメリカ合衆国では
1990年6月1日、日本では 1990年12月1日に
公開された映画です。
短いのか?長いのか?30年前のSF作品で
SFファンや映像技術的にも、注目された作品でした。
1990年は西ドイツと東ドイツが統一される
大きな出来事があり
やっと?スーパーファミコンが、11月21日に
発売されたのですから、まだプレステ1も無く
ゲームの映像なども、まだまだ今からしたら
とてもチープな映像しか目にしていない時代の
最先端SF作品を、当時の様子も交えて書いて見ます。
■ロボコップ対トータル・リコール
アメリカ合衆国1987年公開のロボコップは
公開前にも話題になるくらいに
アーノルド・シュワルツネッガーが演じると
いうニュースが流れ、公開直前まで…
極端な方は、映画館に向かう日まで
主演はシュワルツネッガーでしょ?と
思い込んで居た人がいるくらい…
噂の域超えたニュースでした。
それはクチしか露出していないのと
ボディスーツで、体も見えないと言う
事と、なんとなく超A級映画では無い感じが
当時のシュワルツネッガーにマッチしていたのだと思います。
ですが3年の間に、シュワルツネッガーの
知名度は上がり、このトータル・リコールは
シュワルツネッガーから、逆指名的に
ロボコップと同じ監督ポール・ヴァンホーヴェン
で、カメラマンも同じヨスト・ヴァカーノで
俳優も、ロニー・コックスが出ていたり
他のスタッフも何名かは、ロボコップとは
内容は異なりますが、映画製作の体制としては
続編的な感じがするくらいの布陣でした。
これえあの事も、映画の専門誌やSFの専門誌
では話題になり、ロボコップとのSF的な比較
対象に置かれた作品でもありました。
■金子満
このトータル・リコールの中で、製作的な事を
知らなくても、映像的にイメージが残るシーンが
あり、人によってはシュワルツネッガーの中でも
3本の指に入る印象に残るシーンにあげる人がいるのが
モニターに骸骨が投射されるシーンです。
このシーンは、アカデミー特別業績賞をも
受賞してしまうので、印象に残っても不思議では
ありません
このシーンを作ったのが、金子満で
日本のコンピュータグラフィックスの父とも
言われる方で、CGなどが好きな方は御存知の方で
1984年7月7の段階で、映画「SF新世紀レンズマン」
で、宇宙船などを3DCGによって見せた方で
ジョージ・ルーカスが、スター・ウォーズ EP1で
CGを使うよりも、15年も早く使用していました。
勿論、今からするとリアルなアニメの宇宙船
という感じですから、アニメ作品での使用では
リアルな感じと言う部分はあるのですが
タイトル文字や、建造物なども、見た事の無い
カメラワークを駆使した映像で、宇宙船などは
立体的で、自在に動かしていると言う部分では
今見ても驚くカットがありますが、全てでは無く
同じ宇宙船でも、アニメのカットもあるのが…
残念な気がしますが、当時は予算的にも限界だったのかと思います。
トータル・リコールのシーンも、1990年だから
で、シュワルツネッガーが別の顔から出て来る
などの当時のCGのカットもあれば
まだSFXの最先端は、モーションキャプチャ
による合成だったので…
このモーションキャプチャシステムの不具合から
CGには、コンピュターの処理速度や技術が
スーパーファミコンが、やっと発売された時代
なので間に合わず
メトロ・ゴールドウィン・メイヤーでの
アシスタント・プロデューサーの経験が
あった金子満の提案で、
骸骨モデルをビデオの動き通りの位置に張り付ける
ロトスコープを使用し、ハーフミラーを使って
このシーンを映像化しています。
当時のCGは、とにかく予算を喰うことからも
アカデミーの技術協会から
「お金をかけなくても良い効果を生み出せる例」
として評価の惨事を贈られています。
今では、逆に簡単にCGを使う方が安く出来る
場合が多いので、ピンと来ないかもしれませんが
特撮(SFX)と言うのは、火山の噴火や
ダムの決壊に、2千万円掛かると言えば
辞めになる事もあったりするように
いつも特撮予算の見解は、見る視点によって
安いか、高いかは、180度違うのですが
製作側の印象は、よくもわるくも変るもので
本当の噴火など30年スタッフを10箇所はり付かせ
ても撮れるか解らず、ダムを壊したら国家予算
的な予算になるので・・・
たった1つのシーンでも、そのピースの重要性を
アカデミーの技術協会は、解かっていたのだと思います。
■VR、自動運転
30年前には、SFだった内容も…
「旅行の記憶を売る」というリコール社(REKALL)が
この作品のメインですが、これもVRとしての
「仮想現実」は、すでに現実になっています。
部分的な記憶や、体感(仮想)を得る事が出来る
ようになっています。
映画に出て来る自動運転のクルマは、チープな
運転手ロボットが乗ってますが(^^:
これも、自動運転として略確立されていて
逆に、ロボット運転手などを見ると
今だと笑ってしまうくらい、現実が追い越して
いる部分だと思います。
窓の外の風景が1タッチで変わるスクリーン
技術なども、もう出来ていて会議室のガラス
などに、遮へいするのに使用されたり
薄い巻き取れるモニターなども実用化されています。
色が1タッチで変わるマニュキュアは、まだ
無いですが、温度や光で色が変わるものは
既に出来ていますので、実用度や需要の方が
変化していたりしますので
過去のSF作品の中には、便利なつもりの
モノが、それは要らないとか、笑ってしまう
ような矛盾したアイテムを、見つけるのも
楽しみの1つかもしれません。
■まとめ
30年前の遥か先の未来は、火星には人類は
まだ立っていませんが、細部で追いつき追い越して
いたり、とても現実との答え合わせが凸凹ですが
当時は、勿論細部も真剣に想像され描かれている
ので、今見るとその部分も面白く見れると思います。
エンディングのクエイドとメリーナが火星で
仮想か現実か分からないのですが…
2002年公開のマイノリティ・リポートは
元々トータル・リコールの続編として考えられ
主演はシュワルツネッガーで、と企画されていましたが
トム・クルーズの主演で、仮想よりも「予知」
と言う感じの作品になってしまいましたが
2012年に、再びトータル・リコールとして
レン・ワイズマン監督で、コリン・ファレル
が主演してリメイクされる事になります。
この作品のSFテーマの核が「記憶」が
その人なのか?、その記憶は仮想では無く
本物なのか?と言う、記憶と人生についてという
大きなテーマがあるSFなので、アイテムは
進化、変更されても、何度もリメイクされる作品
なんかもしれません。
そんなテーマも考えながら、30年前のアイテムと
現実との違いを、シュワちゃんと共に仮想する
113分を楽しんでみてください。
![]() ASIN : B07VDGGD2Y 時間 : 1 時間 53 分 詳しく見る。 |
■作品データ
監督 ポール・バーホーベン
脚本
ロナルド・シュゼット
ダン・オバノン
ゲイリー・ゴールドマン原作
フィリップ・K・ディック『追憶売ります』製作
バズ・フェイシャンズ
ロナルド・シュゼット製作総指揮
マリオ・カサール
アンドリュー・G・ヴァイナ音楽 ジェリー・ゴールドスミス
撮影 ヨスト・ヴァカーノ編集
カルロス・プエンテ
フランク・J・ユリオステ製作会社 カロルコ・ピクチャーズ
配給
アメリカ合衆国 トライスター・ピクチャーズ
日本 東宝東和公開
アメリカ合衆国 1990年6月1日
日本 1990年12月1日上映時間 113分
製作国 アメリカ合衆国
製作費 $65,000,000
興行収入
$119,394,840アメリカ合衆国カナダ
$261,299,840 世界配給収入24億5000万円 日本
■キャスト
ダグラス・クエイド / ハウザー アーノルド・シュワルツェネッガー
ローリー シャロン・ストーン
メリーナ レイチェル・ティコティン
コーヘイゲン ロニー・コックス
リクター マイケル・アイアンサイドジョージ マーシャル・ベル
クアトー マーシャル・ベルベニー メル・ジョンソン・Jr
エッジマー ロイ・ブロックスミス
ボブ・マクレーン レイ・ベイカー
ヘルム マイケル・チャンピオン
ドクター・ラル ローズマリー・ダンスモア
アーニー デビッド・ネルティファニー(リコール社の受付) アレクシア・ロビンソン
ハリー ロバート・コスタンゾ
エヴェレット マルク・アレイモ
タクシードライバーの声 ロバート・ピカード
トニー ディーン・ノリス
バーテンダー マーク・カールトン
メアリー リシア・ナフ
入国管理官 ケン・ストロースバーグ
大柄な女性 プリシラ・アレン
ホテルのフロント係 ケン・ギルディン
エージェント ロジャー・カドニー
レジスタンスの男 マイケル・グレゴリー
頑丈な鉱夫 ミッキー・ジョーンズ