お薦め名画「タッカー」
映画銀幕パークのジョージ松田です。
今回の御薦め名画は
「タッカー」です。
この映画は、意外にスターウォーズの
ジョージルーカスの映画と認識している映画ファンも多く
ルーカスが、クルマやレースが好きな事や
ルーカスの作品のショーなどの紹介本に
ラインナップされる事から
監督もジョージルーカスだと勘違いして
いたりしますけども、監督はゴッドファーザーの
フランシス・フォード・コッポラです。
そのタッカーの1988年公開時の
様子も含めて掘り下げてみたいと思います。
■実話のコメディ
タッカーは、アメリカでは
「伝記コメディドラマ映画」に分類されます。
日本では…何その分類?
と言う感じで、おそらく
コメディと、伝記と言うのがマッチングしない
伝記は、まじめに語ろうよ。
的な、真面目な日本人気質が
受けつけにくいジャンルかと思います。
ですが、けっこう人間の人生は
振り返ると笑えるとか、こっけい
だったりするもので、真面目に語れば
暗いエピソードも、本人や身内が
自虐的に語ると、日本人でも笑えるように
良いか、わるいかは別にして
称えつつも、こっけいに語り伝える文化は
個人的には、わるく無いと思い好きです。
タッカーは、自動車の名前で
開発者のプレストン・トマス・タッカーの
名前の一部でもある実話で、1940年代に
速く美しく、安全な乗用車を開発し
世界一の広さを誇る工場を手に入れるも
たった*50台作られただけでした。
なのに、47台も現存している不思議なクルマです。
*製造の原型車を入れると51台
コレが、こっけいに描くベースになっているので
軍需工場を経営していたタッカーが、速さは
必要無い戦車も、凄い速い戦車を作ってしまったり
劇場でも笑いが起きてた場面としては
軍や戦場が望まない、独自のクルマへの考えを
貫く人物であるシーンでは、続々と戦車を抜いて
走って行ってしまう様子が、かなりコミカルに
描かれていたので、日本でも普通に笑ったり
面白かった場面として、覚えている方も多いと思います。
■消えたミュージカル・タッカー
タッカーは、フランシス・フォード・コッポラが
幼少期からタッカー自動車に関する映画を想像し
1960年代にUCLAに通っていた時に、タッカーの
生涯に基づいた映画のコンセプトを構想します。
1973年にコッポラはタッカーの映画の製作活動を
開始し、マーロンブランド主役で進めて行きます。
ミュージカル映画の要素を入れた形にする計画で
音楽を用意し、1976年にタッカーエステートから
権利も購入します。
マーロンブランドに加えて、ジャックニコルソンと
役について話し合い、バートレイノルズも検討しますが
タッカーへの資金提供は、コッポラの制作会社
アメリカンゾートロープが、2本の映画の興行で
失敗してしまい、破産申請して消えてしまいました。
■監督と製作総指揮
アメリカン・グラフティでは、監督が
ルーカスで、製作がコッポラでしたが
タッカーは、逆にコッポラが監督で
ルーカスが製作です。
製作は、日本で言えばプロデューサーで
プラス、フィルムの編集権利を持って居ます。
マーロンブランドで、ミュージカル映画に
しようとしていた、コッポラの案に
ルーカスが投資してミュージカル要素を排除して
1986年に、マイケル・ジャクソンの
キャプテンEOの制作中に、タッカーの映画を
復活させるようと話して、ILMの使用を提案
ラビリンスとハワードダックの商業的な
失敗の後なので、コッポラはルーカスの
協力に疑念を抱いていましたが、ルーカスは
2400万ドルの予算を出して製作されています。
2人は、友人であり、5歳コッポラが上
なので、やや師弟関係のような間柄で
アメリカ映画の製作は、編集の権利を持つので
スターウォーズなどは、ルーカスは
コッポラに知られないように製作して
いるなど、縦横の繋がりがビジネス的な
面が多いのですが、スピルバーグを含め
友情的な作品を送り出している映画人でもあります。
■まとめ
オリジナルのクルマの47台は、はまだ存在して
いる事から、21台が映画に協力していて
クラシュのシーンには3台は、レプリカが用意
されています。
実際には、映画のような組み立てラインは
1つも無く、実際には5人の子供がいましたが
映画には4人しか出て居ないなどの指摘が
後々在りますが、1980年代に解かる範囲での
再現と、映画としての部分は少なからずあります。
何より、このコメディの要素は、まだ無い
クルマに3大メーカーが、恐れた事と
タッカーのクルマが、良過ぎた事で50台しか
造られずに終わってしまう、皮肉な点が
最も重要なポイントで、47台もが
クルマを愛する人が、大事にしている事が
このタッカーが、いかに素晴らしいクルマ
だったのかの証で、この映画の御蔭で
知った人も含めて、コレからも大事にされる
クルマだと思います。
その現存する中の1台は、日本のトヨタ
自動車博物館に展示されていますので
この作品を見た方は、是非肉眼でも
映画化される程の50台のうちの1台も見てみてください。
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■作品データ
監督 フランシス・フォード・コッポラ
脚本
アーノルド・シュルマン
デヴィッド・サイドラー製作
フレッド・ルース
フレッド・フックス製作総指揮 ジョージ・ルーカス
音楽 ジョー・ジャクソン
撮影 ヴィットリオ・ストラーロ
編集 プリシラ・ネッド製作会社
パラマウント映画
ルーカスフィルム配給
アメリカ合衆国 パラマウント映画
日本 東宝東和公開
アメリカ合衆国 1988年8月12日
日本の旗 1988年10月29日上映時間 110分
製作国 アメリカ合衆国
製作費 $23,000,000
興行収入 $19,652,638
■キャスト
プレストン・T・タッカー ジェフ・ブリッジス
ヴェラ・タッカー ジョアン・アレン
エイブ・キャラッツ マーティン・ランドー
エディ・デイーン フレデリック・フォレストジミー・サクヤマ マコ岩松
アレックス・トレムリス イライアス・コティーズ
ハワード・ヒューズ ディーン・ストックウェル
ベニントン ディーン・グッドマン
ファーガソン上院議員 ロイド・ブリッジス
マリリン・リー・タッカー ニーナ・シーマツコ
プレストン・タッカーJr クリスチャン・スレーター
![]() JAN: 4562474202824 時間: 110 分 詳しく見る。 |